前立腺がん治療で下痢はよくある?対策まとめ
要点:
前立腺がん治療で起こる下痢:原因と管理法
結論として、前立腺がんの治療では下痢(ゆるい便・水様便)が比較的よく見られる副作用です。 特に外照射の放射線治療では腸の刺激が起こりやすく、治療中から数週間にわたり下痢や便意切迫、粘液分泌などが出ることがあります。 [1] 外照射による腸の刺激は、下痢や残便感、血便につながることがあり、頻尿や排尿痛などの骨盤内の症状と併存することもあります。 [2]
下痢が起こりやすい治療の種類
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骨盤への放射線治療(外照射)
腸(特に直腸・S状結腸)が放射線で刺激され、治療開始から数週間で下痢や腹部けいれん、直腸の圧迫感が出ることがよくあります。 [3] 治療中の下痢は時間とともに軽快することが多いものの、まれに長期的に増悪と寛解を繰り返すこともあります。 [4] -
全身治療(ホルモン療法・化学療法・新規薬剤)
アンドロゲン除去療法(ADT)そのものでは下痢は必ずしも代表的ではありませんが、化学療法(例:タキサン系)や一部の新規薬剤・併用療法では副作用として下痢を伴うことがあります。 こうした副作用は支持療法(副作用対策)を早期に行うことで中断を減らし、生活の質を保つことが期待できます。 [PM7] 化学療法では下痢や粘膜炎などの消化器症状が起こり得るため、綿密なフォローと早期対応が推奨されます。 [PM8] 一部の薬剤(例:カバジタキセル、PARP阻害薬との併用)は下痢が臨床的に注意すべき副作用のひとつです。 [PM10] [PM11]
下痢のセルフケア:食事と生活の工夫
- 低残渣(低食物繊維)食への切り替え
外照射の期間中は、食物繊維を控える食事がすすめられることがあります(主治医の指示に従う)。 [5] 脂っこい食事、辛いもの、カフェイン入り飲料、乳製品などは一時的に控えると楽になることがあります。 [6] - こまめな水分補給
脱水予防が最優先です。 下痢が続くと体内の水分と電解質(塩分・カリウムなど)が失われますので、水、経口補水液、薄いスポーツドリンクなどを少量ずつ頻回に摂るようにしましょう。 [7] - 胃腸にやさしい食品
白米のお粥、うどん、バナナ、リンゴソース、ヨーグルト(乳糖に弱い場合は避ける)、干しパンなどの消化のよいものを選ぶのがおすすめです。 [6] - 腸を刺激する習慣を避ける
アルコールや喫煙、強い運動は一時的に控えると症状が落ち着きやすいです。 [6]
病院での対処:市販薬から処方薬まで
- ロペラミド(止瀉薬)の使用
軽〜中等度の治療誘発性下痢では、ロペラミドの早期開始が一般的です。 症状が出たら市販薬の用法ではなく、医療者の指示に従った十分量で連続投与することでコントロールしやすくなります。 [8] 特定薬剤に伴う下痢では、最初のゆるい便の時点でロペラミドを開始するレジメンが推奨されています。 [9] - 追加薬の検討
48時間以内に改善が乏しい、あるいは重度の場合は、医療機関でジフェノキシレート・アトロピンやオクトレオチドなどの追加の対策が検討されます(施設アルゴリズムに準拠)。 [10] [11] - 支持療法の徹底
副作用の早期申告と対応は、治療の継続を助け、生活の質を保つうえで重要です。 定期的な外来フォローや看護・栄養支援を受けることで、治療関連の下痢による中断や苦痛を減らすことが期待できます。 [PM7]
受診の目安(危険サイン)
- 便が水のようで止まらない、血が混じる、強い腹痛や発熱を伴うときは、早めに主治医へ連絡してください。 放射線治療では直腸の出血や残便感などの腸症状が起こり得るため、見逃さないことが大切です。 [2] [3]
- 脱水の兆候(口や皮膚の乾き、尿量の低下・濃い色、めまい、筋けいれん、強い疲労感)がある場合は、速やかな補水と医療相談が必要です。 [7]
- 数日続く中等度以上の下痢、体重減少、夜間も頻回にトイレに行くなど、日常生活に支障が出る場合は受診して薬の調整や点滴補液を検討します。 [8] [7]
放射線治療特有のポイント
- 治療中の栄養管理
外照射では下痢が出やすいため、主治医や栄養士から低残渣食などの具体的な指示が出ることがあります。 指示に沿った食事調整で症状緩和が期待できます。 [5] - 骨盤照射での初期症状
開始から数週間で下痢・直腸不快・便意切迫が出やすいため、早期に申告して薬や食事の見直しを行うと良いです。 [3] 多くは時間とともに軽快しますが、少数で長期的な波が続く場合もあります。 [4]
まとめ
- 下痢は前立腺がんの治療、とくに外照射の放射線治療で比較的よく見られる副作用です。 放射線による腸刺激が主因で、便意切迫や直腸症状を伴うことがあります。 [1] [2]
- 管理の基本は、低残渣食・十分な水分補給・早期の止瀉薬の使用です。 改善が乏しい、重症、血便や発熱、脱水兆候がある場合は速やかに医療機関へ。 [5] [8] [7]
- 化学療法や一部の新規薬剤でも下痢が生じることがあり、支持療法を早期から導入することで治療継続と生活の質の維持が期待できます。 [PM7] [PM10] [PM11]
参考の早見表(治療別の下痢の特徴と対策)
| 治療 | 下痢の起こりやすさ・特徴 | 主な対策 |
|---|---|---|
| 放射線(外照射) | 腸刺激で治療開始後数週間に下痢・直腸不快・便意切迫が出やすい | 低残渣食、補水、ロペラミド、症状の早期申告 [1] [3] |
| ホルモン療法(ADT) | 下痢は一般的副作用ではないが併用療法や個人差で出ることあり | 生活指導・支持療法、必要時薬調整 [PM7] |
| 化学療法・一部新規薬 | 消化器毒性として下痢があり得る(例:タキサン系、PARP阻害薬併用など) | 早期ロペラミド、追加止瀉薬、用量調整・休薬の判断 [PM8] [PM10] [PM11] |
追加で詳しく知りたいことがあれば、いつでも教えてください。
関連する質問
出典
- 1.^abcRadiation Therapy for Prostate Cancer(mskcc.org)
- 2.^abcProstate cancer - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 3.^abcdAbout Radiation Therapy to Your Pelvis(mskcc.org)
- 4.^abProstate radiation - discharge: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 5.^abcNutrition and Prostate Cancer: Making Healthy Diet Decisions(mskcc.org)
- 6.^abc3097-Diarrhoea during cancer treatment | eviQ(eviq.org.au)
- 7.^abcdManaging Diarrhea(mskcc.org)
- 8.^abc3237-Algorithm - treatment induced diarrhoea management(eviq.org.au)
- 9.^↑CAMPTOSAR- irinotecan hydrochloride injection, solution(dailymed.nlm.nih.gov)
- 10.^↑ONIVYDE- irinotecan hydrochloride injection, powder, for solution(dailymed.nlm.nih.gov)
- 11.^↑3238-Algorithm - irinotecan and sacituzumab govitecan induced diarrhoea management(eviq.org.au)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。