メラノーマ治療で吐き気は起こる?対策と管理
要点:
メラノーマ治療における吐き気の頻度と対策
メラノーマ(皮膚悪性黒色腫)の治療では、用いる薬の種類によって吐き気の起こりやすさが異なります。免疫療法(PD-1阻害薬やCTLA-4阻害薬など)は一般的に吐き気のリスクが低く、通常は予防的な吐き気止めを routine では使わないことが多いです。 [1] 一方、BRAF/MEK阻害薬(例:ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、トラメチニブ、ビニメチニブなど)では吐き気の副作用がみられることがあり、個人差はありますが必要に応じて低リスク向けの制吐レジメンを検討します。 [2] 特定の標的治療薬(例:ベムラフェニブ)の場合、全体として催吐性は最小〜低とされ、 routine の予防は不要ですが、症状が出る場合は低リスクレジメンの使用が勧められます。 [3]
吐き気が起こる理由
- 薬剤の催吐性(吐き気を誘発する強さ)によるものが中心です。免疫療法は最小〜低リスクに分類される一方で、一部の標的治療薬は軽度〜中等度の吐き気が出ることがあります。 [1] [2]
- 併用療法(例:複数の標的薬や免疫薬の組み合わせ)では、最も催吐性の高い薬に合わせて対策をとるのが一般的です。レジメン全体の中で一番吐き気を起こしやすい薬に合わせて予防薬を決めるのが目安になります。 [4]
- 年齢や過去の吐き気の既往などの個人要因も影響します。若年層では吐き気・嘔吐の報告がやや増える傾向があります。 [PM14]
吐き気の予防・治療(制吐薬の考え方)
- 催吐リスクが最小〜低の場合
通常は routine の予防投与は不要ですが、吐き気が出たら低リスク向けのレジメン(例:5-HT3受容体拮抗薬+適宜ステロイドなど)を用います。 [1] [5] - 中等度以上のリスクや強い症状の場合
5-HT3受容体拮抗薬(例:オンダンセトロン、パロノセトロン)+NK1受容体拮抗薬(例:アプレピタント)+デキサメタゾンの併用が推奨されます。 [PM26] この組み合わせは急性期から遅発性の吐き気まで広くカバーするため、症状のコントロール向上に役立ちます。 [PM27]
標準的な対応フロー
- 免疫療法(例:ニボルマブ、イピリムマブ単剤)
催吐性は最小〜低。予防的な制吐薬は通常不要、症状が出た際は低リスクレジメンを考慮。 [1] [6] - BRAF/MEK阻害薬(例:ダブラフェニブ、エンコラフェニブ、トラメチニブ、ビニメチニブ)
吐き気が生じることがあり、必要に応じて制吐薬を追加します。 [2] 一部プロトコールでは、スケジュールに抗吐剤のデフォルトが設定されており、施設方針に応じて代替薬へ調整できます。 [7] - ベムラフェニブ
催吐性は最小〜低とされ、 routine の予防は不要ですが、症状出現時には低リスクレジメンを使用します。 [3]
生活でできるケアの工夫
- 食事の工夫
- 少量を回数多く食べる、脂っこい・匂いの強い食べ物を避ける。
- 冷たい・常温の食事は匂いが立ちにくく食べやすいです。 [8]
- 水分補給
一度にたくさんではなく、こまめに少しずつ取りましょう。 [8] - 環境調整
換気やリラックスできる環境づくり、きつい香りを避けると楽になります。 [8] - 服薬のタイミング
吐き気止めは症状が出る前や軽い段階で使う方が効果的です。 [5]
受診の目安
- 嘔吐が続いて水分が取れない、尿量が減る、めまいがあるとき。脱水の恐れがあり、点滴などが必要になることがあります。 [4]
- 強い腹痛、下痢、発熱を伴う場合。免疫関連の胃腸炎(irAE)など別の原因が隠れていることがあり、早めの評価が重要です。 [PM17] [PM16]
- 服用中の薬で吐き気が強く、日常生活に支障が出るとき。制吐レジメンの強化や用量調整で改善できる可能性があります。 [7] [5]
主な治療別の吐き気リスクまとめ
| 治療区分 | 催吐性の傾向 | 予防的制吐薬 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 免疫療法(ニボルマブ単剤など) | 最小〜低 | 通常は不要 | 症状出現時は低リスクレジメンを使用。 [1] [6] |
| BRAF阻害薬/MEK阻害薬 | 低〜中等度 | 症状に応じて検討 | 組み合わせにより有害事象が増えることがあり、個別調整。 [2] [PM15] |
| ベムラフェニブ | 最小〜低 | 通常は不要 | 体調により低リスクレジメンへ切替可。 [3] |
| 併用レジメン(複数薬) | 変動あり(最も高い薬に準拠) | 薬剤に応じて設定 | 施設の方針に沿って抗吐剤を代替可。 [4] [7] |
まとめ
- メラノーマ治療での吐き気は、免疫療法では少なめですが、標的治療では一定の頻度で見られます。 [1] [2] [3]
- 吐き気対策は、薬剤の催吐リスクに合わせた制吐薬の組み合わせ(5-HT3拮抗薬、NK1拮抗薬、ステロイドなど)と、食事・水分・環境の工夫を組み合わせるのが基本です。 [PM26] [5] [8]
- 持続する嘔吐や全身症状がある場合は受診が必要で、免疫関連の胃腸障害など別原因の評価も考慮します。 [PM17] [PM16]
※医療機関での方針や個人差により調整が必要です。現在受けている治療薬名と症状の強さを医療者に共有し、最適な制吐レジメンを相談しましょう。 [7] [4]
関連する質問
出典
- 1.^abcdef3469-Melanoma adjuvant nivolumab (weight based dosing) SUPERSEDED(eviq.org.au)
- 2.^abcde7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 3.^abcd1308-Melanoma metastatic vemurafenib SUPERSEDED | eviQ(eviq.org.au)
- 4.^abcd7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 5.^abcd7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 6.^ab7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 7.^abcd3600-Melanoma metastatic biNIMEtinib and encorafenib(eviq.org.au)
- 8.^abcd3100-Nausea and vomiting during cancer treatment(eviq.org.au)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。