リンパ腫治療で吐き気はよくある?管理法まとめ
要点:
リンパ腫治療の吐き気は一般的?管理と予防のポイント
リンパ腫の治療(化学療法・一部の分子標的薬・免疫療法)では、吐き気や嘔吐(CINV)は比較的よくみられる副作用で、治療レジメンの「吐き気を起こす強さ(エメトジェニックリスク)」により頻度が変わります。 [1] 多剤併用の化学療法ではリスクが高〜中等度になることがあり、適切な予防薬で多くの場合コントロール可能です。 [1] 目的は「起きてから対処」ではなく、最初から予防することが推奨されています。 [2] [3]
なぜ起きるのか
- 薬剤の性質によって、脳の嘔吐中枢や腸の受容体が刺激されます。こうした刺激は薬剤ごとに強さが異なります。 [1]
- 多日程(連日)投与のレジメンでは遅れて吐き気が出る「遅発性CINV」が問題になりやすく、予防計画が重要です。 [PM8]
- ステロイド併用の化学療法でも吐き気は起こり得ますが、適切な制吐薬の組み合わせで高率に抑えられます。 [PM28] [PM27]
どのくらい起こるのか(薬剤の例)
- 一部のプロテアソーム阻害薬(例:ボルテゾミブ)では、消化器症状(吐き気・嘔吐・下痢・便秘など)が多く報告され、重症例は少数ですが注意が必要です。 [4] 標準的な制吐薬で多くはコントロール可能とされています。 [4]
- アントラサイクリン+シクロホスファミド系などのレジメンは中等度〜高リスクに分類されることがあり、NK1受容体拮抗薬の追加やオランザピン併用が推奨されるケースがあります。 [PM10]
予防・管理の基本戦略
- 予防が最優先:化学療法開始前に、レジメンの吐き気リスクに応じて制吐薬を投与します。 [2] [1]
- 最も嘔吐リスクが高い薬剤に合わせて制吐薬を選ぶのが一般的です。 [5]
- 患者ごとの要因(年齢・性別・飲酒習慣・不安・過去のCINV歴など)も考慮して調整します。 [2]
推奨される制吐薬の組み合わせ(代表例)
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高リスク(>90%)の化学療法では、以下の「3剤併用+α」が一般的です。 [2]
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中等度リスク(30–90%)では、5-HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾンを基本として、状況によりNK1拮抗薬やオランザピンを追加します。 [2] パロノセトロンは遅発性CINVにも有用で、安全性も確認されています。 [PM28] [PM27]
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低〜最小リスク(<30%)では、必要に応じてドパミン拮抗薬(メトクロプラミド、プロクロルペラジン)や5-HT3拮抗薬を単剤で用いることがあります。 [3] [7]
リンパ腫で用いられるレジメンの実例と制吐薬の有効性
- CHOP/R-CHOPでは、5-HT3受容体拮抗薬の経口と静注で効果はほぼ同等と報告されています。 [PM7]
- 多日程・高用量レジメン(例:EPOCH-R、BEAMなど)では遅発性CINV対策が重要で、連日での5-HT3拮抗薬+ステロイド、必要に応じてNK1拮抗薬の追加が有効です。 [PM8] [PM25]
- 非シスプラチン化学療法でも、5-HT3拮抗薬+ステロイドがメトクロプラミド+ステロイドより急性期の吐き気・嘔吐をよく抑えることが示されています。 [PM26]
自宅でできる対策
- 食事の工夫:脂っこい・匂いの強い食事を避け、少量をこまめに摂ると楽になることがあります。 [8]
- 水分補給:脱水予防のため、冷たい水やスポーツドリンクなどを少量ずつ。 [8]
- 匂い・刺激の回避:調理中の湯気や香りが誘因になる場合は、換気やテイクアウトを活用。 [8]
- 服薬の継続:処方された予防用の制吐薬は指示どおり継続しましょう。遅発性CINVは治療後の数日間続くことがあります。 [2] [PM28]
- 症状日誌:吐き気のタイミング・強さ・誘因を記録すると、次周期の予防薬調整に役立ちます。 [2]
受診の目安(危険サイン)
- 水分がとれない、24時間以上続く嘔吐、急激な体重減少、めまい・意識障害などがある場合、早めに主治医へ連絡してください。重度の嘔吐は電解質異常や脱水を招くため、点滴や薬剤の見直しが必要になることがあります。 [5]
よくある疑問への回答
- 「予防薬は毎回必要?」 多くのレジメンでは毎周期の予防が基本で、初回から十分な制吐薬を使う方が総合的な吐き気の負担が少なくなります。 [2]
- 「薬は飲み薬と点滴、どちらが効く?」 5-HT3拮抗薬は、状況によって経口でも点滴と同等の効果が期待できます。選択はレジメンや体調に合わせます。 [PM7]
- 「どの薬が一番強い?」 単剤の優劣よりも、リスクに応じた適切な「組み合わせ」と投与タイミングが重要です。遅発性CINVにはパロノセトロンのような薬が役立つことがあります。 [PM28] [PM27]
まとめ
- リンパ腫治療では吐き気・嘔吐は比較的よく起こり得る副作用で、レジメンの嘔吐リスクに応じた予防的な制吐薬の組み合わせが推奨されます。 [1] [2]
- 5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬、デキサメタゾンにオランザピン追加などで、急性期・遅発性の吐き気を幅広くカバーできます。 [PM10] [6]
- 自宅での工夫と危険サインへの早期対応が、治療継続と生活の質の維持に役立ちます。 [8] [5]
関連する質問
出典
- 1.^abcde7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 2.^abcdefghi7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 3.^ab7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 4.^abBORTEZOMIB injection, powder, lyophilized, for solution(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abc7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 6.^abcde3313-Antiemetic drug classes and suggested doses(eviq.org.au)
- 7.^↑7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 8.^abcd3100-Nausea and vomiting during cancer treatment(eviq.org.au)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。