大腸がん治療で下痢はよくある?対処法を詳しく解説
要点:
大腸がん治療で下痢はよくある?原因と管理法
大腸がんの治療中に下痢は比較的よくみられる副作用で、化学療法や放射線、免疫療法・分子標的薬、手術後の腸切除などが原因になることがあります。下痢は治療そのものや感染、薬剤、食事の影響など複数の要因が重なって起こり、時には重症化して脱水や治療中断につながることもあります。下痢が続く場合は医療者へ早めに相談することが大切です。 [1] [2] [3]
下痢が起こる主な原因
- 化学療法(例:5-FU、カペシタビン、イリノテカンなど)は腸粘膜を刺激・傷害し、下痢を起こしやすくします。重症例も一定割合で見られます。 [PM18]
- 放射線治療(骨盤・腹部)は腸に炎症(放射線腸炎)を起こし、治療中の30〜50%に下痢がみられることがあります。同時化学療法を併用すると頻度や重症度が上がります。 [4] [5] [6]
- 免疫療法や分子標的薬でも下痢が生じることがあり、約半数程度で症状が出る薬剤もあります。 [PM18]
- 感染(免疫低下による腸炎)や抗菌薬による腸内細菌の変化、手術で腸の一部が短くなることなども関与します。 [3]
受診の目安(重症サイン)
次のような場合は重症化の可能性があり、早急な連絡・受診が必要です。
こうしたサインは合併症や重い腸炎の可能性があり、点滴補液や薬の調整が必要になることがあります。 [7]
自宅でできる初期対策
- 水分補給:透明な飲料(水、薄いスポーツドリンク、だし汁など)を少量ずつ頻回に。カフェインやアルコールは避けます。 [8]
- 食事調整:一時的に低脂肪・低乳糖・低食物繊維の食事にし、消化にやさしい粥、うどん、白米、バナナ、りんごのすりおろし、じゃがいもなどを選びます。 [8]
- 刺激を避ける:辛い食品、揚げ物、乳製品、人工甘味料(ソルビトールなど)は悪化要因になり得ます。 [8]
- FODMAP管理:化学療法中は乳糖や他のFODMAPの摂取が多いと下痢リスクが高まる傾向があり、控えると症状緩和に役立つことがあります。 [PM11]
- 食事パターン:少量をこまめに食べ、冷たすぎる・熱すぎる飲食は避けます。 [8]
食事の工夫で軽症の下痢は和らぐことがありますが、改善しない場合は早めに医療者へ相談しましょう。 [8]
薬による管理(一般的な流れ)
- ロペラミド(止瀉薬):軽〜中等症で第一選択として用いられることが一般的です。用法は医療者の指示に従い、自己判断で長期連用は避けます。 [PM18] [PM19]
- オクトレオチド(注射薬):ロペラミドで不十分な中等度〜重症例に使用されることがあります。早期導入で入院や合併症を減らすことが期待されます。 [PM18] [PM19]
- その他の選択肢:強い・難治性の場合にチンキ剤(オピウム)などが考慮されることがあります。 [PM18]
- 難治例への追加策:一部の報告ではステロイド(例:ブデソニド、メチルプレドニゾロン)がカペシタビンなどによる難治性下痢に有効だった例がありますが、標準治療ではなく専門医の判断が必要です。 [PM20] [PM21]
重症や持続する下痢では、点滴補液や電解質補正、原因検索(感染・腸炎・薬剤性など)を行いつつ、薬物療法を段階的に強化します。 [PM19]
特定薬剤に伴う下痢への注意
- イリノテカンやサシツズマブ・ゴビテカンは急性〜遅発性下痢を起こすことがあり、専用の管理アルゴリズムが整備されています。適切なタイミングで止瀉薬や補液、必要に応じて追加治療を行います。 [9] [10] [11]
- カペシタビン・5-FUではグレード3以上の下痢が一定割合で生じうるため、早めの介入が重要です。 [PM18]
放射線治療中の対策ポイント
- 骨盤・腹部照射中は低繊維・低脂肪・低乳糖の食事に切り替え、症状に応じて栄養士と調整します。 [12]
- 高頻度の下痢が予想されるため、体重・水分摂取・電解質をこまめにチェックし、必要に応じて薬物療法を併用します。 [5] [6]
生活の工夫と予防
- 栄養:地中海式ベースの「野菜中心・脂肪控えめ・繊維量を調整した」食事は化学療法中のグレード2–3の下痢リスクを下げる可能性があります。ビタミンDが低いと下痢が強くなる傾向が報告されており、主治医と血中濃度の確認を相談してみましょう。 [PM7]
- 服薬管理:下痢が出たら早めに止瀉薬を開始し、改善しない場合は指示通り増量・追加薬へ切り替えます。 [PM19]
- 水分・電解質:スポーツドリンクや経口補水液を活用し、尿量・色で脱水兆候を確認します。 [8]
- 感染対策:発熱や血便がある場合は自己対応せず医療機関へ連絡します。 [7]
受診時に伝えると役立つ情報
- 便の回数・性状(水様か、粘血便か)
- 持続時間と夜間の有無
- 発熱・腹痛・嘔吐・めまいなどの随伴症状
- 最近始めた薬・サプリ、食事内容(乳製品やFODMAPの摂取)
- 体重変化や水分摂取量
これらは重症度判定と治療選択に役立ち、適切な薬剤や補液の導入がスムーズになります。 [PM19]
まとめ
- 大腸がん治療で下痢は比較的よく起こり、治療法ごとに原因が異なります。 早期に食事・水分調整と止瀉薬で対応し、重症サインがあればすぐに医療者へ連絡しましょう。 [1] [2] [3] [7] [8]
- 化学療法・放射線では重症化もあり得るため、段階的な薬物療法(ロペラミド→オクトレオチド等)と補液が重要です。 難治例では専門医の追加治療を検討します。 [PM18] [PM19] [5] [6]
- 食事の工夫(低乳糖・低FODMAP・繊維調整)や栄養管理が予防・緩和に役立ちます。 必要に応じて栄養士へ相談しましょう。 [PM11] [PM7]
関連する質問
出典
- 1.^abWhat to know about cancer and diarrhea(mayoclinic.org)
- 2.^abWhat to know about cancer and diarrhea(mayoclinic.org)
- 3.^abcWhat to know about cancer and diarrhea(mayoclinic.org)
- 4.^↑779-Treatment induced diarrhoea | eviQ(eviq.org.au)
- 5.^abc779-Treatment induced diarrhoea | eviQ(eviq.org.au)
- 6.^abc779-Treatment induced diarrhoea | eviQ(eviq.org.au)
- 7.^abcdeWhat to know about cancer and diarrhea(mayoclinic.org)
- 8.^abcdefgWhat to know about cancer and diarrhea(mayoclinic.org)
- 9.^↑3238-Algorithm - irinotecan and sacituzumab govitecan induced diarrhoea management(eviq.org.au)
- 10.^↑3238-Algorithm - irinotecan and sacituzumab govitecan induced diarrhoea management(eviq.org.au)
- 11.^↑3238-Algorithm - irinotecan and sacituzumab govitecan induced diarrhoea management(eviq.org.au)
- 12.^↑نبذة عن العلاج الإشعاعي على الحوض(mskcc.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。