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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 全身性エリテマトーデス(ループス)では体重減少はどの程度みられる症状で、主な原因や注意すべき随伴症状は何ですか?

要点:

SLEでは体重減少は一般的な全身症状で、病勢が高い時期や合併症の存在で目立ちます。原因は全身炎症による食欲低下に加え、消化管・肝胆膵障害、腎障害、感染症、薬剤影響など多因子です。発熱や持続的な下痢・腹痛、浮腫、腎症状、感染徴候を伴う場合は早急な評価が必要です。

全身性エリテマトーデス(SLE)における体重減少の位置づけ

SLEでは、体重減少は「全身症状(憲法症状)」のひとつとして比較的よくみられる訴えです。多くの人で病初期や活動性が高い時期に、発熱・著しい疲労感・食欲低下と並んで体重減少が出現しやすいとされています。 [1] SLEの一般的な初発・全身症状として、倦怠感(疲労)、不明熱、食欲低下、体重減少が挙げられます。 [2] こうした全身症状はSLEの寛解・増悪とともに変動し、病勢が強い局面で目立ちやすい特徴があります。 [3]


頻度の目安

  • 臨床現場では「よくある一般症状」として扱われ、皮疹、関節痛・関節炎、貧血と並んで頻繁に認められます。 [3]
  • 医療情報の要約でも、SLEの多くの人にみられる全身症状の一部として体重減少が繰り返し列挙されています。 [1] [4] [5]
  • 一方で、SLE集団の栄養評価研究では「肥満・過体重が一定割合を占める」所見も示され、病期・治療内容・活動性により体重変化の方向は個人差が大きいことが示唆されます。 [6]

つまり、SLEで体重減少は珍しいものではなく、活動性の高い時期や合併症がある状況で目立ちますが、ステロイド治療期などでは体重増加に傾くこともあります。 [7] [8]


主な原因(メカニズムと背景)

1) 疾患活動性による全身炎症と食欲低下

  • 全身炎症やサイトカインに伴う食欲低下・悪寒・倦怠があり、摂取量低下から体重が落ちます。 [1] [2]
  • 不明熱や痛み、倦怠感の持続も摂食行動を阻害します。 [1]

2) 消化管・肝胆膵合併症

  • SLEは食道から腸、肝・膵まで消化管・肝胆膵領域を広く巻き込むことがあり、吐き気、下痢、腹痛、蛋白漏出性腸症、吸収不良(まれにセリアック病合併)などが体重減少に影響します。 [9]
  • 蛋白漏出性腸症では浮腫や低アルブミン血症を伴い、栄養障害が進行することがあります。 [9]

3) 腎障害に伴う栄養問題

  • 腎症(ループス腎炎)では食欲不振、悪心などから摂取低下が起きることがあり、病勢全体の炎症負荷と相まって体重減少や栄養不良を招きます。 [1]
  • ただし腎症では浮腫や体重増加が前景となる局面もあり、体重変化は方向が一定ではありません。 [10]

4) 感染症の合併

  • 免疫異常や免疫抑制治療により感染症リスクが上がり、慢性・亜急性の感染は体重減少の一因になります。 [9] [11]
  • サルモネラ菌血症など、SLE特有の感染傾向もあり、発熱・腹痛を主体に栄養低下を招くことがあります。 [9]

5) 薬剤の影響と二次的要因

  • ステロイドは一般に食欲増加・体重増加を招きがちですが、投与量や期間、併用薬、心理的影響によっては摂食パターンが乱れて体重減少に至るケースもありえます。 [7] [8]
  • 長期の免疫抑制薬使用は感染や消化管症状の誘因となり、結果として体重減少に関与しうることがあります。 [11]

注意すべき随伴症状(「赤旗」所見)

病勢の強いサイン

  • 持続する発熱、著しい疲労、関節炎の悪化、皮疹の増悪は活動性上昇の指標となり、体重減少と併発している場合は早期の評価・治療調整が望まれます。 [1] [3]

消化管・肝胆膵の警戒点

  • 持続的な下痢・腹痛、顕著な低アルブミン血症や浮腫、吸収不良の疑い(脂肪便など)は蛋白漏出性腸症や腸管虚血の可能性があり、緊急性も含め専門的評価が必要です。 [9]
  • 激しい上腹部痛・高アミラーゼ/リパーゼは膵炎のサインで、SLE関連膵炎は死亡率も高く注意が必要です。 [9]

腎障害の徴候

  • 泡立つ濃い尿、むくみ、血圧上昇など腎症状は病勢の強さと相関し、体重変化(減少・増加)とともに見逃さないことが大切です。 [10]

感染症の示唆

  • 夜間盗汗、持続する不明熱、咳や呼吸器症状、尿路症状が体重減少と併発する場合は、免疫抑制下の感染症を見込み精査が必要です。 [9] [11]

悪性腫瘍の可能性

  • SLEでは非ホジキンリンパ腫、肺癌など一部の悪性腫瘍の相対リスクが上昇するとされ、説明困難な体重減少や長引く全身症状では腫瘍性疾患も除外します。 [12]

受診の目安と検査のポイント

  • 2〜3週間以上続く体重減少(とくに5%以上/数ヶ月)、不明熱、著しい疲労がある場合は、病勢評価と合併症のスクリーニングを検討します。 [1] [3]
  • 推奨される検査の例:
    • 採血(炎症反応、血算、肝腎機能、アルブミン、電解質)と自己抗体の活動性評価。 [3]
    • 尿検査(蛋白尿・血尿)、必要なら腎機能精査。 [10]
    • 感染症評価(培養、画像など)や消化管評価(便検査、内視鏡・腹部画像)。 [9]
    • 体重減少が顕著で説明困難な場合は腫瘍のスクリーニングも考慮。 [12]

栄養・生活の実践ポイント

  • 十分なエネルギーとたんぱく質の確保、ビタミン・ミネラル(特にカルシウム)の不足に注意しましょう。SLEでは食事摂取量が必要量を下回る傾向やカルシウム不足が指摘されています。 [6]
  • 炎症や治療薬の影響で体重が増える局面もあるため、バランスの良い食事と適度な運動で体重を安定させる工夫が大切です。 [13] [8]
  • 急な体重変化(減少・増加)があれば、治療薬の用量・副作用、病勢の変化、感染症の可能性を医療者と共有し、早めに見直しましょう。 [7] [11] [3]

まとめ

  • SLEの体重減少は珍しくなく、活動性の高い時期や合併症の存在で目立ちやすい一般症状です。 [1] [2] [3]
  • 原因は多因子で、全身炎症による食欲低下、消化管・肝胆膵合併症、腎障害、感染症、薬剤影響などが絡みます。 [9] [10] [11] [7]
  • 体重減少に発熱、持続的な下痢・腹痛、浮腫、腎症状、感染徴候、説明困難な全身症状が伴う場合は、合併症や悪性腫瘍も念頭に速やかな評価が勧められます。 [9] [10] [12]

このように、SLEの体重減少は「病勢の鏡」となることが多く、背景の見極めが重要です。適切な検査と治療調整、栄養ケアでコントロールすることが期待できます。 [3] [6] [13]

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出典

  1. 1.^abcdefghSystemic lupus erythematosus: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  2. 2.^abcSystemic lupus erythematosus: MedlinePlus Genetics(medlineplus.gov)
  3. 3.^abcdefghSystemic lupus erythematosus. How to manage this chronic, complicated disorder.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^Systemic lupus erythematosus: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  5. 5.^약학정보원(health.kr)
  6. 6.^abcNutritional status and food intake in patients with systemic lupus erythematosus.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcdSteroids(medlineplus.gov)
  8. 8.^abcWeight loss and improvements in fatigue in systemic lupus erythematosus: a controlled trial of a low glycaemic index diet versus a calorie restricted diet in patients treated with corticosteroids.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcdefghijGastrointestinal and hepatic manifestations of systemic lupus erythematosus.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcdeDiagnosing Systemic Lupus Erythematosus(nyulangone.org)
  11. 11.^abcdeSystemic lupus erythematosus: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  12. 12.^abcSystemic lupus and malignancies.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  13. 13.^abDiet and nutritional aspects in systemic lupus erythematosus.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。