
PubMedの資料に基づく | 全身性エリテマトーデス(ループス)に伴う皮疹の種類、典型的な見た目、よく現れる部位は何ですか?
SLEの皮疹は急性(蝶形紅斑)、亜急性(強い光線過敏を伴う輪状・鱗屑性紅斑)、慢性(円板状ループス)に大別され、多くが紫外線で増悪します。蝶形紅斑は頬〜鼻梁、SCLEは上背・肩・頸・前胸の露出部、CCLEは頭皮・顔・耳に生じやすく、CCLEは瘢痕性脱毛を来しやすいのが特徴です。
全身性エリテマトーデス(SLE)の皮疹:種類・典型像・好発部位の総まとめ
全身性エリテマトーデス(SLE)では、皮膚症状が診断の重要な手がかりになります。ここでは、SLEに伴う皮疹の主な種類(急性・亜急性・慢性)、それぞれの典型的な見た目、よく現れる部位を、分かりやすく整理して解説します。多くの皮疹は紫外線で悪化し、日光に当たりやすい部位に分布しやすいことが特徴です。 [1] 蝶形紅斑(マラール疹)はSLEを象徴する皮疹で、頬から鼻梁に平坦な赤い紅斑が広がりやすく、痛みやかゆみは強くないことが多いです。 [2] [3]
皮疹の大きな分類
SLE/ループスの皮膚症状は大きく「特異的皮疹(ループスに典型的)」と「非特異的皮疹(他疾患でも見られることがある)」に分けられます。特異的皮疹は急性皮膚ループス(ACLE)、亜急性皮膚ループス(SCLE)、慢性皮膚ループス(CCLE)の3群が基本です。いずれの群でも、紫外線が誘因・増悪因子となり、日光露出部に出やすい傾向があります。 [1] 慢性皮膚ループス(CCLE)は最も頻度が高く、その代表が円板状ループス(ディスコイド疹)です。 [4]
主な皮疹の種類と特徴
急性皮膚ループス(ACLE)
- 典型像: 顔の蝶形紅斑(マラール疹)。頬と鼻梁に左右対称の平坦な赤い紅斑が広がり、一般に痛みやかゆみは目立ちません。鼻唇溝(ほうれい線部)が保たれる所見が鑑別の助けになります。 [2] [5]
- 好発部位: 顔(頬・鼻梁)。限局型(顔中心)と全身型があります。日光で強くなることが多いです。 [4] [2]
- 背景: 多臓器症状の一部として現れることがよくあり、関節痛などの全身症状を伴いやすいです。 [4]
亜急性皮膚ループス(SCLE)
- 典型像: 高度の光線過敏を伴う紅斑。輪状(アナヌラ―型)や鱗屑を伴う紅斑が多く、色は赤~紫がかることがあります。薬剤誘発性も知られており、抗Ro抗体(SSA)陽性と関連することが多いです。 [4] [6]
- 好発部位: 上背部、肩、頸部、前胸部などの「V領域」や光暴露部に分布しやすいです。 [4]
- 背景: 強い光線過敏が特徴で、日光に当たると顔が赤くなり、マラール疹に似ることがあります。 [5]
慢性皮膚ループス(CCLE)
- 代表型:円板状ループス(ディスコイド疹)
- その他のCCLE亜型:
SLEでみられる皮膚・粘膜の非特異的所見
SLEに特有ではないものの、しばしば伴う皮膚所見も重要です。
- 血管炎やリベド網状皮疹(網目状の紫斑)、びまん性あるいは斑状脱毛、末梢のレイノー現象や爪郭の毛細血管拡張などがみられることがあります。 [4]
- 口唇・口腔内潰瘍(痛みの少ないことがある)や光線過敏、まれに水疱性病変も出現します。 [7] [8]
- 紫外線暴露が皮疹悪化や全身の再燃(フレア)を誘発することがあり、光線防御が治療の基本です。 [8] [4]
典型像のポイント(見た目の要約)
- 蝶形紅斑(マラール疹): 頬~鼻梁に左右対称の平坦な紅斑、一般に非瘙痒性、紫外線で増悪、鼻唇溝は保たれる。 [2] [3] [5]
- SCLE疹: 光線過敏が強く、上背〜肩〜前胸の露出部に輪状・鱗屑性紅斑が散在、薬剤誘発や抗Ro抗体関連。 [4] [6]
- ディスコイド疹: 硬く肥厚した鱗屑性プラーク、慢性経過で瘢痕化・色素変化、頭皮・耳・顔に多い。 [4]
比較表:主な皮疹の特徴
| 区分 | 典型的な見た目 | 好発部位 | 光線過敏 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 急性皮膚ループス(蝶形紅斑) | 頬〜鼻梁の平坦な赤い紅斑、非瘙痒性が多い | 顔(頬・鼻梁) | あり | 多臓器症状を伴いやすい [2] [4] |
| 亜急性皮膚ループス(SCLE) | 輪状・鱗屑性紅斑、赤〜紫調、散在性 | 上背・肩・頸・前胸の露出部 | 強い | 抗Ro抗体関連、薬剤誘発あり [4] [6] |
| 慢性皮膚ループス(ディスコイド) | 硬い鱗屑性プラーク、瘢痕・色素変化 | 頭皮・顔・耳 | あり | 瘢痕性脱毛の原因 [4] |
よく現れる部位のまとめ
- 顔面(頬・鼻梁):蝶形紅斑が典型。紫外線で明瞭化しやすい。 [2] [3]
- 頭皮・耳・顔:ディスコイド疹が多く、瘢痕・脱毛に注意。 [4]
- 上背、肩、頸部、前胸部:SCLEが好発する「光暴露領域」。 [4]
臨床での注意点・鑑別のヒント
- 紫外線はほぼすべてのループス皮疹の増悪因子で、光防御(帽子、長袖、広域遮光のサンスクリーン)を徹底することが重要です。 [1] [8]
- マラール疹では鼻唇溝が保たれる所見が鑑別の助けになります(酒さなどとの鑑別)。 [5]
- SCLEは薬剤性の可能性もあり、服薬歴の聴取が有用です。 [4]
- 皮疹の確定には皮膚生検の通常病理が有用で、免疫蛍光は補助的です(感度は通常病理の方が高い)。 [6]
まとめ
SLEの皮膚症状は、急性(蝶形紅斑)、亜急性(光暴露部の輪状・鱗屑性紅斑)、慢性(ディスコイド疹を中心とした瘢痕形成性病変)の3群が軸になります。多くは紫外線で誘発・増悪し、顔面や上背・前胸、頭皮・耳といった光暴露部位に出やすいのが大きな特徴です。 [1] [4] 蝶形紅斑は頬から鼻梁にかけての平坦な紅斑で、SLEの代表的所見として知られています。 [2] [3]
光線過敏が気になる、または顔や頭皮の紅斑・鱗屑が持続する場合は、早めに皮膚科・膠原病内科で評価を受けることをおすすめします。 [4]
関連する質問
出典
- 1.^abcdCutaneous manifestations of lupus erythematosus.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefgSystemic lupus erythematosus: MedlinePlus Genetics(medlineplus.gov)
- 3.^abcdSystemic lupus erythematosus rash on the face: MedlinePlus Medical Encyclopedia Image(medlineplus.gov)
- 4.^abcdefghijklmnopqrstCutaneous lupus erythematosus: issues in diagnosis and treatment.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdeThe red face revisited: connective tissue disorders.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdLupus and non-lupus cutaneous manifestations in systemic lupus erythematosus.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^↑Symptoms(stanfordhealthcare.org)
- 8.^abcSymptoms(stanfordhealthcare.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


