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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 全身性エリテマトーデス(ループス)で血尿が起こる原因は何ですか?また、どの程度の頻度で見られ、受診の目安はありますか?

要点:

SLEの血尿は、腎臓の糸球体に炎症が起こるループス腎炎が主因で、赤血球やタンパクが尿に漏れることで生じます。SLE患者の約半数が生涯で臨床的に意味のある腎炎を経験し、血尿は重症例で目立ちやすく活動性の指標にもなります。尿の赤色・コーラ色、泡立ち、むくみや高血圧などがあれば早めに受診し、定期的な尿・血液検査で早期発見を心がけましょう。

ループスで起こる血尿:原因・頻度・受診の目安

全身性エリテマトーデス(SLE、ループス)で血尿が見られる主な原因は、腎臓のフィルター(糸球体)に炎症が起こる「ループス腎炎」によるものです。炎症によって糸球体の壁が傷み、尿へ赤血球(血液)やタンパクが漏れ出すことで、尿に血が混じる(血尿)・尿が泡立つ(タンパク尿)・むくみ・高血圧などの症状が現れます。 [1] ループス腎炎は、SLEの自己抗体が腎臓を攻撃し炎症を生じることで起こり、進行すると腎機能が低下し、未治療では腎不全へ至ることもあります。 [2] [3]


原因のしくみ(ループス腎炎)

  • 自己免疫の異常でできた自己抗体が腎臓の糸球体に炎症を起こします。 [2]
  • 炎症により糸球体の透過性が高まり、尿へ赤血球やタンパク質が漏れ出すことで血尿・タンパク尿が出ます。 [1] [3]
  • 症状は血尿や泡立つ尿、高血圧、むくみ(足・顔・手)、目の周りのむくみ、血清クレアチニン上昇(腎機能低下)などが典型です。 [2] [4]
  • 尿検査では赤血球やタンパクの増加が見つかり、必要に応じて24時間尿の収集や腎生検(腎臓の組織検査)で病型・重症度を評価します。 [5]

どのくらいの頻度で起こるか

  • SLEの方のうち、約半数程度が生涯のどこかで臨床的に意味のある腎炎(ループス腎炎)を経験すると考えられています。 [6]
  • ループス腎炎の臨床像は軽い無症候性のタンパク尿や血尿から、急速に進行する腎不全まで幅広く、早期から腎障害が潜んでいることもあります。 [7]
  • ループス腎炎患者群の中では、受診時点で血尿が認められる割合が高く、ある集団では初診時に約76%で血尿が観察されています(重症型が多い集団の報告)。 [8]
  • 重症の増殖性病変(組織学的に活動性が高い型)では血尿がより多くみられ、尿中赤血球数は炎症活動度と強く相関することが示されています。 [9]

受診の目安(いつ医療機関へ)

  • 尿が赤・ピンク・コーラ色に見える、泡立ちが強く続く、むくみ・高血圧が出るなどの変化を感じたら、速やかに医療機関に相談しましょう。 [3] [10]
  • SLEと診断されている方は、症状が乏しくても定期的な尿検査(尿沈渣・タンパク・アルブミン)と血液検査(クレアチニン等)で腎の早期異常をチェックすることが大切です。 [5] [7]
  • 特に以下に該当する場合は早めの受診が望ましいです。
    • 目に見える血尿(肉眼的血尿)や、尿に血の塊(血塊)が混じる。 [10]
    • 尿の泡立ちが増えた、むくみ(足・顔・手)、朝の目の周りの腫れ。 [4] [2]
    • 短期間で体重が増える、血圧が上がる、だるさが強い。 [4] [2]
    • SLEの活動性が上がったサイン(発熱、皮疹、関節痛の増悪など)に尿異常が伴う。 [1] [11]

診断・評価の流れ

  • 尿検査(尿沈渣):赤血球(血尿)・タンパクの有無を確認し、活動性の指標になります。 [5] [9]
  • 24時間尿:タンパクの量的評価に用いられます。 [5]
  • 血液検査:クレアチニン(腎機能)や血圧の評価、自己抗体の状況を確認します。 [2] [5]
  • 腎生検:病型・重症度の特定に有用で、治療方針の選択に不可欠なことが多いです。 [12] [13]

治療のポイント(概略)

  • 早期に腎障害を捉え、ステロイドと免疫抑制薬(シクロホスファミド、アザチオプリン、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチルなど)を組み合わせ、病型・重症度に応じた治療を行うのが一般的です。 [7] [6]
  • 早期に反応を得るほど予後が良好になりやすく、治療は長期・複雑で副作用管理も重要です。 [6] [7]

よくある疑問への簡潔回答

  • 血尿は「腎臓の炎症(ループス腎炎)」が最も一般的な原因で、SLEの半数前後に腎炎が生じうるため、血尿は珍しくありません。 [1] [6]
  • 肉眼的な赤い尿に限らず、「検査での微量の血尿」も腎炎活動性の手がかりになり、見逃さないことが大切です。 [9] [7]
  • 受診の目安は、尿の色の変化・泡立ち・むくみ・高血圧などが出たとき、またSLEの活動性が上がったときに尿異常があれば早めに相談することです。 [10] [2]

まとめ

  • SLEの血尿の主因は「ループス腎炎」による糸球体の炎症で、尿へ赤血球やタンパクが漏れることで血尿が生じます。 [1] [3]
  • 頻度は、SLEの約半数が臨床的に意味のある腎炎を経験し、血尿は重症例で目立ちやすく活動性の指標にもなります。 [6] [9]
  • 尿の色・泡立ち・むくみ・高血圧などの変化があれば、早めに受診・検査で確認しましょう。 [10] [4] [2]

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出典

  1. 1.^abcdeDiagnosing Systemic Lupus Erythematosus(nyulangone.org)
  2. 2.^abcdefghSymptoms and causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  3. 3.^abcdSymptoms and causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  4. 4.^abcdDiagnosing Systemic Lupus Erythematosus(nyulangone.org)
  5. 5.^abcdeDiagnosing Systemic Lupus Erythematosus(nyulangone.org)
  6. 6.^abcdeLupus nephritis: current update.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcdeClinical approach to lupus nephritis: recent advances.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^Features and outcomes of lupus nephritis in Morocco: analysis of 114 patients.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcdLupus nephritis: clinical and pathological correlation.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcdBlood in urine (hematuria) - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  11. 11.^Diagnosing Systemic Lupus Erythematosus(nyulangone.org)
  12. 12.^[Renal involvement in systemic lupus erythematosus].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  13. 13.^Lupus nephritis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。