Medical illustration for WHOの資料に基づく | 頭頸部がんに関連する皮疹はどのような症状で、どの部位に現れやすく、どの程度の頻度で見られますか? - Persly Health Information
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2026年2月15日5分で読める

WHOの資料に基づく | 頭頸部がんに関連する皮疹はどのような症状で、どの部位に現れやすく、どの程度の頻度で見られますか?

要点:

頭頸部がん関連の皮疹は、がんの皮膚転移/浸潤、放射線皮膚炎、免疫療法による発疹、パラネオプラスティック(Bazex症候群)に大別されます。皮膚転移は顔面・頸部に多く結節や潰瘍として出現し稀(HNSCCで約1割)で、放射線皮膚炎は照射野(頬・頸部など)に発赤・乾燥・かゆみが高頻度に生じます。免疫療法では全身性の発疹が1〜2割でみられ、Bazexは耳・鼻・手足・爪に乾癬様病変が出現し腫瘍に先行することがあります。

頭頸部がんに関連する皮疹:症状・好発部位・頻度

頭頸部がんに関連する皮膚症状は、がんそのものによるもの、治療(放射線・免疫療法など)によるもの、または稀な随伴症候群(パラネオプラスティック症候群)によるものに大きく分けられます。それぞれで出方や頻度が異なるため、原因別に理解することが大切です。


がんそのものによる皮膚病変(皮膚転移・直接浸潤)

  • 臨床像(見た目)

    • 新しく現れる皮膚の結節(しこり)、紅色〜暗赤色の丘疹や結節、急速に大きくなる潰瘍性のしこりなどとして現れることがあります。炎症性に赤く腫れて、短期間で増大する結節は注意が必要です。 [1]
    • 原発巣に近い頭頸部・頸部皮膚への連続的浸潤(近接部の皮膚へ広がる)と、離れた部位に出る遠隔皮膚転移(胸壁・上肢・腹部など)は区別が重要です。遠隔の孤立性皮膚転移は非常に稀ですが、進行が速く予後不良と関連します。 [1] [2]
  • 好発部位

    • 頭頸部に近い皮膚(顔面・頸部)が最も多く、次いで胸壁、上肢などにみられることがあります。頸部・顔面・胸壁・上肢への出現が報告されています。 [2]
  • 頻度・予後

    • 頭頸部の扁平上皮がん(SCCHN)で皮膚転移は稀ですが、報告によっては約10%とされることがあります。ただし全身遠隔皮膚転移は稀で、出現後の生存期間は数週〜数か月と短いことが多いです。 [1] [2]
    • 皮膚転移が確認された時点は病勢末期であることが一般的で、積極的な侵襲的治療より緩和的ケアが推奨されることがあります。 [2]

放射線治療による皮疹(放射線皮膚炎)

  • 臨床像(時期と症状)

    • 治療開始後2〜3週ごろから、治療照射野の皮膚がピンク〜褐色に変化し、進むと鮮紅色〜黒っぽくなることがあります。 [3]
    • 乾燥・つっぱり感・かゆみ・落屑(皮がむける)が典型的で、日焼け部に似た発疹(ラッシュ)が出ることもあります。 [3] [4]
    • 一部では水疱(ブリスター)や高度のびらん・潰瘍が見られることがあり、皮膚の腫れ(浮腫)や痛みを伴うことがあります。 [4]
  • 好発部位

    • 照射を受けた部位(頬・顎下・頸部・耳周囲など)の皮膚と毛髪に変化が集中します。 [3]
  • 頻度と重症度

    • ほとんどの頭頸部照射で何らかの皮膚反応が起こりえますが、適切なスキンケアにより重症化を減らせます。 [5]
    • 優しい洗浄(流水+低刺激石けん可)や予防的外用ステロイド(例:モメタゾン)で不快症状やかゆみを軽減できる根拠があります。 [5]
    • 体系的な皮膚管理プログラム(DeCoP)では、グレード4(致死的)皮膚炎を0%に抑え、重症(グレード3)も約1割程度に留めた報告があります。 [6]

免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)による皮疹

  • 臨床像

    • 発疹(丘疹性・斑状・膿疱性・水疱性など多彩)、かゆみ(掻痒)、まれに全層の皮膚障害や潰瘍が見られることがあります。 [7]
    • 以前の放射線部位に再燃する放射線リコール皮膚炎が起こることがあり、水疱化・落屑・潰瘍などの症状が出ることがあります。 [7]
    • ニボルマブでは発疹が約2割前後にみられ、重症(グレード3–4)は少数です。 [8]
  • 好発部位

    • 全身の皮膚で起こりえますが、照射既往部で強く出ること(リコール)があります。 [7]
  • 頻度

    • レジメンによりますが、皮疹は比較的よくある免疫関連有害事象のひとつで、管理可能なことが多いです。 [9] [8]

随伴症候群(パラネオプラスティック):Bazex症候群(アクロ角化症)

  • 臨床像

    • 乾癬様(ざらつく紅〜紫色の鱗屑性発疹)が耳・鼻・手足(爪を含む)に優位に出現し、難治性で外用治療に反応しづらいことがあります。 [10]
    • 爪甲の変形(爪甲剝離・溝・肥厚など)が持続しやすいです。 [10]
  • 好発部位

    • 耳介・鼻・手足末端(アクラル)・爪が典型的です。 [10]
  • 頻度とがんとの関連

    • 頭頸部の扁平上皮がんや頸部リンパ節転移を伴う原発不明の扁平上皮腫瘍に比較的特異的に関連するとされ、約6割以上で皮疹が腫瘍の症状に先行(平均約11か月)することがあります。 [10]
    • 腫瘍治療により皮疹が改善することが多いものの、爪の変化は残ることがあります。 [10]

口腔内や咽頭の粘膜病変(参考)

  • 頭頸部がんやその治療では、口腔内に白色斑・紅斑、治らない潰瘍、顎の腫れ、のどの痛み、飲み込みづらさなどが見られることがあります。白斑・紅斑や治らない口内潰瘍は要注意サインです。 [11] [12] [13]
  • 咽頭や喉頭の粘膜病変は皮膚ではなく“粘膜”の症状ですが、見えない部位の病変として関連症状(痛み・嗄声など)に気づくことがあります。 [14] [12]

まとめ表:原因別の皮疹の特徴

原因主な症状好発部位頻度・予後の目安
がん皮膚転移・浸潤急速に大きくなる結節、潰瘍、紅色のしこり顔面・頸部、胸壁、上肢稀だが存在、遠隔皮膚転移は予後不良(生存は週〜数か月) [1] [2]
放射線皮膚炎発赤、乾燥、かゆみ、落屑、時に水疱照射野(頬・頸部・顎下など)ほぼ誰でも程度差あり、適切ケアで重症化減少 [3] [4] [5] [6]
免疫療法皮疹丘疹性・斑状・水疱性・膿疱性発疹、かゆみ、潰瘍、リコール反応全身、既照射部で強く出ることあり比較的よくある副作用、発疹は約2割前後(薬剤により異なる) [7] [8]
Bazex症候群乾癬様鱗屑性紅斑、爪変形耳・鼻・手足・爪頭頸部SCCに関連、皮疹が腫瘍に先行しやすい、腫瘍治療で改善傾向 [10]

受診の目安とセルフケア

  • 新しく出た皮膚の結節が短期間で大きくなる、痛みや潰瘍を伴う場合は早めの受診が望ましいです。 [1] [2]
  • 放射線治療中は、優しい洗浄(ぬるま湯+低刺激石けん可)、保湿、摩擦や日光曝露の回避が役立ちます。予防的外用ステロイドがかゆみ軽減に有効なことがあります。 [5]
  • 免疫療法中に広範な発疹や水疱、痛み、発熱が出たら、自己判断で市販薬のみで対応せず担当医に相談しましょう。早期対応で安全に継続できる場合が多いです。 [9] [7]

よくある質問に対する補足

  • 「皮疹はどの程度の頻度で見られるか?」

    • 原病による皮膚転移は稀ですが、頭頸部の扁平上皮がんでは皮膚病変が約1割前後で報告されることがあります。 [1]
    • 放射線皮膚炎は多くの人で何らかの程度で出現し、重症例は適切なケアでかなり抑制可能です。 [5] [6]
    • 免疫療法の皮疹は比較的一般的な副作用で、発疹の報告率はおおむね1〜2割程度(薬や併用療法によって増減)です。 [8] [9]
  • 「どの部位に出やすいか?」

    • がん皮膚転移は頭頸部近傍(顔面・頸部)が中心、次いで胸壁・上肢など。 [2]
    • 放射線皮膚炎は照射野(頬・顎下・頸部・耳周り)。 [3]
    • 免疫療法皮疹は全身で、以前照射した部位に再燃(リコール)することあり。 [7]
    • Bazex症候群は耳・鼻・手足・爪に目立つ。 [10]

専門的なポイント

  • 皮膚転移と原発性皮膚がんや直接浸潤の鑑別は、予後と治療方針に大きく影響するため重要です。 [15]
  • 放射線皮膚炎の予防・治療は、エビデンスに基づくスキンケア(洗浄許可、低刺激石けん、保湿、予防的ステロイド)を中心に、推奨されない介入(トロラミンなど)も明確化されています。 [5]
  • 広範な皮疹・水疱形成は、重篤な免疫関連皮膚障害(TEN様など)との鑑別が必要で、早期の専門管理が安全です。 [7] [9]

参考症状(口腔内・咽頭)

  • 頭頸部がんは皮膚だけでなく、口腔内に白斑・紅斑、治らない潰瘍、顎の腫れなどの症状を起こします。「治らない口内の白い/赤い傷」や「持続する口内痛」は早期受診のサインです。 [11] [12] [13]
  • 咽頭・喉頭では、のどの痛み、飲み込みづらさ、嗄声などが持続する場合も関連症状として重要です。 [14] [12]

重要ポイントの箇条書きまとめ

  • 皮膚転移は稀だが、顔面・頸部に多く、遠隔皮膚転移は予後不良。 [1] [2]
  • 放射線皮膚炎は照射野に出やすく、洗浄・保湿・予防的ステロイドで重症化を抑えられる。 [3] [4] [5] [6]
  • 免疫療法の皮疹は1〜2割程度でみられ、リコール反応に注意。 [7] [8]
  • Bazex症候群は耳・鼻・手足・爪の乾癬様発疹で、腫瘍に先行することが多い。 [10]
  • 新規の急速に増大する結節・潰瘍性病変は早期に医療機関へ。 [1] [2]

今の治療状況(放射線・免疫療法の有無)や、発疹が出ている具体的な部位と見た目を教えていただけると、より当てはまる原因と対処の目安を詳しくお伝えできます。

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdefghSkin metastasis of head and neck carcinoma predictive for dismal outcome.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghiDermal metastases in squamous cell carcinomas of the head and neck.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefRadiation Therapy to Your Head and Neck(mskcc.org)
  4. 4.^abcdHow To Care for Your Skin During Radiation Therapy(mskcc.org)
  5. 5.^abcdefgClinical practice guidelines for the prevention and treatment of acute and late radiation reactions from the MASCC Skin Toxicity Study Group.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdA Dermatitis Control Program (DeCoP) for head and neck cancer patients receiving radiotherapy: a prospective phase II study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcdefgh3982-Head and neck SCC recurrent or metastatic cARBOplatin fluorouracil and pembrolizumab(eviq.org.au)
  8. 8.^abcdeOPDIVO QVANTIG- nivolumab and hyaluronidase-nvhy injection, solution(dailymed.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcdTratamiento contra el cáncer con inmunoterapia(mskcc.org)
  10. 10.^abcdefghBazex syndrome (acrokeratosis paraneoplastica). An analytic review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  11. 11.^abHead and Neck Cancers Basics(cdc.gov)
  12. 12.^abcdHead and Neck Cancer Symptoms & Signs | Memorial Sloan Kettering Cancer Center(mskcc.org)
  13. 13.^abHead and Neck Cancer(medlineplus.gov)
  14. 14.^ab두경부암(Head and Neck Cancer) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  15. 15.^Cutaneous metastases from head and neck squamous cell carcinoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。