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2026年2月15日5分で読める

WHOの資料に基づく | 頭頸部がんで吐き気はどのくらい一般的な症状で、主な原因や自宅での対処法、受診すべき危険サインは何ですか?

要点:

頭頸部がんの吐き気は治療中に比較的よくみられ、特にシスプラチンを含む化学療法で頻度が高く、放射線の影響や併用薬、脱水・電解質異常、消化管機能障害など多因子が関与します。自宅では辛い・高脂肪を避け冷たい食品を少量頻回に、生姜の活用や食後すぐ横にならない、こまめな水分摂取と制吐薬の適切使用が有効です。脱水、繰り返す激しい嘔吐や吐血、強い持続痛や急な体重減少、閉塞を疑う症状があれば速やかに受診してください。

頭頸部がんでみられる吐き気は、治療中に比較的よく起こる症状で、特にシスプラチンなどの抗がん剤治療では吐き気の頻度が高くなります。抗がん剤のレジメンによって差がありますが、例えばシスプラチンを含む化学療法を受ける頭頸部がんの方では、有意な吐き気が約7割程度で報告されており、嘔吐はそれより少ない頻度です。 [1] こうした治療関連の吐き気は、予防薬や治療薬の適切な使用で軽減できることが一般的です。 [2]


吐き気の主な原因

  • 抗がん剤(特にシスプラチン)
    シスプラチンなどの高度催吐性薬剤は、急性期から遅発期まで吐き気を引き起こしやすいです。 [2] 化学療法後の嘔吐は比較的コントロールされやすい一方、吐き気は持続しやすいという報告があります。 [1]

  • 放射線治療の影響
    頭頸部への放射線治療中は、味覚変化、口内炎、嚥下痛、粘稠な痰、口渇などが重なることで食事が取りにくく、結果として吐き気や食欲低下につながることがあります。 [3] 吐き気が出る場合には、食事内容や温度、脂質量などの調整が推奨されます。 [4]

  • 薬剤性・併用薬
    オピオイドなどの鎮痛薬、抗生剤、鉄剤なども吐き気の誘因になり得ます。 [5] 併用薬の見直しは大切です。 [5]

  • 代謝異常・脱水・栄養不良
    電解質の乱れ、腎機能低下、貧血、脱水は吐き気の一因となります。 [6] 体重減少や栄養摂取の低下がある場合、評価が必要です。 [6]

  • 消化管機能障害(胃排出遅延・腸閉塞など)
    食後に悪化し嘔吐で軽減するタイプの吐き気は、胃の動きの低下や出口の狭窄などが背景にあることがあります。 [7]


どのくらい一般的か(頻度の目安)

  • シスプラチンを含む化学療法(頭頸部がん)

    • 有意な吐き気:約74%程度
    • 有意な嘔吐:約25%程度
      単日投与か複数日投与かで割合は変動します(単日投与で吐き気約49%、嘔吐約29%など)。 [1]
  • 放射線治療のみの場合
    治療の週次で、味覚変化や口腔粘膜障害等が増える時期に吐き気が併発することがあり、食事指導や生活調整が推奨されます。 [3] 吐き気対策の基本は、刺激物や高脂肪を避け、食後すぐ横にならないなどの生活工夫です。 [4]


自宅でできる対処法

  • 食事の工夫

    • 辛いものや高脂肪・油っぽい食品は避ける。 [4]
    • 常温〜冷たい温度の食品・飲み物にする(匂い刺激が少なく胃の負担が軽い)。 [8]
    • 乾いたでんぷん質の食品(トースト、クラッカー、乾燥シリアル、プリッツェルなど)を少量ずつ。 [8]
    • 一度に大量の水分を飲まない(胃の膨満で吐き気が悪化するため、こまめに少量ずつ)。 [9]
    • 生姜(ジンジャーティー、ジンジャーエール、キャンディなど)は吐き気の軽減に役立つことがあります。 [10]
  • 食べ方・タイミング

    • ゆっくり食べ、よく噛む。消化を助けます。 [9]
    • 食後すぐに横にならない。 [11]
  • 水分・栄養管理

    • 冷たい飲料やヨーグルト、シャーベットなど摂りやすいものを選ぶ。 [8]
    • 食欲が落ちる時期が続く場合は、栄養補助飲料の活用を検討し、体重の推移を確認する。 [3]
  • 薬の相談・見直し

    • 吐き気止め(制吐薬)の定期的な内服・貼付剤など、適切なレジメンの使用が推奨されます。 [2]
    • 併用薬(オピオイドなど)が吐き気を悪化させていないか、医療者に確認します。 [5]

受診すべき危険サイン

  • 脱水の疑い(尿量低下、強い口渇、めまい、脈が速いなど)や、水分・食事がほとんど摂れない状態が持続する場合。 [6]
  • 繰り返す激しい嘔吐、吐血(血を吐く)、コーヒー残渣様の黒っぽい嘔吐がある場合。 [6]
  • 持続的で強い吐き気が薬でコントロールできない、または急激な体重減少がみられる場合。 [6] [3]
  • 激しい腹痛、食後に必ず悪化して嘔吐で軽減するなど、消化管閉塞を示唆するパターンがある場合。 [7]

こうしたサインがある時は、早めに医療機関に連絡し、血液検査(血球数、電解質、腎機能など)や原因の評価を受けることが望まれます。 [6]


推奨される治療薬の考え方(概要)

  • 予防と治療の基本
    中等度以上の吐き気リスクがある化学療法では、5-HT3受容体拮抗薬(例:パロノセトロン)とデキサメタゾンの併用など、ガイドラインに沿った制吐レジメンが推奨されます。 [2]

  • 第一選択・第二選択
    症状コントロールには、メトクロプラミドやハロペリドールなどを第一選択として用いる施設のプロトコルもあります。 [5] 反応が乏しい場合、オランザピンやオンダンセトロンへの切り替え・追加が検討されます。 [5]

  • 特殊な状況
    中枢神経転移や腸閉塞が疑われる場合は、デキサメタゾンやオクトレオチドなどを含めた特別な対応が必要です。 [5] 組み合わせや投与経路の工夫で在宅でも管理しやすくなる場合があります。 [5]


まとめ

  • 吐き気は頭頸部がんの治療中に比較的よくみられ、特にシスプラチンを含む化学療法で頻度が高いです。 [1]
  • 原因は多因子(薬剤、放射線の影響、併用薬、代謝異常、消化管機能)で、評価と対策の組み合わせが有効です。 [2] [6] [7]
  • 自宅では食事の工夫(辛いもの・高脂肪を避ける、冷たいもの、でんぷん質)、生姜の活用、食後すぐ横にならない、水分をこまめにといった対策が役立ちます。 [4] [8] [9] [10] [11]
  • 脱水や吐血、制御不能な嘔吐・体重減少、閉塞を疑う症状は受診のサインです。 [6] [7]

ご自身の治療内容(化学療法の薬剤や投与スケジュール、放射線の有無)や現在の症状の強さに合わせて、制吐薬の調整と生活の工夫を組み合わせることが大切です。 [2] [3] 迷ったときや症状が強いときは、遠慮なく主治医に相談してください。 [6]


関連する質問

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出典

  1. 1.^abcdTrajectory and risk factors for chemotherapy-induced nausea and vomiting in Asian patients with head and neck cancer.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefGastrointestinal symptoms in cancer patients with advanced disease: new methodologies, insights, and a proposed approach.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdeDiet and Nutrition During Head and Neck Cancer Treatment(mskcc.org)
  4. 4.^abcdDiet and Nutrition During Head and Neck Cancer Treatment(mskcc.org)
  5. 5.^abcdefgNausea and vomiting in advanced cancer: the Cleveland Clinic protocol.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdefghi7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
  7. 7.^abcdNausea and vomiting in advanced cancer.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcdRadioterapia de cabeza y cuello(mskcc.org)
  9. 9.^abcDieta y nutrición durante el tratamiento contra el cáncer de cabeza y cuello(mskcc.org)
  10. 10.^abDieta e alimentazione durante il trattamento del carcinoma del capo e del collo(mskcc.org)
  11. 11.^abDieta y nutrición durante el tratamiento contra el cáncer de cabeza y cuello(mskcc.org)

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