Medical illustration for PubMedの資料に基づく | クローン病で息切れ(呼吸困難)が症状として現れることはありますか? - Persly Health Information
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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | クローン病で息切れ(呼吸困難)が症状として現れることはありますか?

要点:

息切れ(呼吸困難)はクローン病の典型的な腸症状ではありませんが、肺・気道の合併症、治療薬の副作用、肺塞栓、貧血などで生じることがあります。急な強い呼吸困難や胸痛、発熱を伴う場合は緊急受診が必要です。診断は胸部画像や呼吸機能検査などで原因を評価し、原因に応じて抗生剤・薬剤中止・ステロイドなどで治療します。

息切れ(呼吸困難)はクローン病の典型的な腸の症状ではありませんが、まれに「肺や気道の合併症」や「治療薬の副作用」「血栓(肺塞栓)」などが原因となって現れることがあります。 [1] クローン病は腸の病気に見えても全身に影響する疾患で、肺を含む胸部の異常が起こることがある点が重要です。 [1]


クローン病と呼吸器の関係

  • ✅ まれな合併症:クローン病では、気道炎症・気管支拡張症、肺実質病変、胸膜病変など「肺・気道の異常」が起こることがあります。これらは頻度は低いものの、見逃されやすい合併症です。 [1]
  • ✅ 息切れのメカニズム:これらの呼吸器合併症があると、咳や痰、胸痛、労作時の呼吸困難(階段で息切れ)などがあらわれることがあります。特に最も多いものは「気道(気管支)の炎症」で、化膿性分泌物や気管支拡張症を伴うことがあります。 [2]
  • ✅ 病勢との連動:肺の異常は腸の炎症活動性と並行して変化することがあり、腸の症状が強い時に呼吸器症状も目立つケースがあります。 [2]

治療薬による影響(薬剤性肺障害)

  • 💊 5-ASA系やメトトレキサートなど:スルファサラジン、メサラミン(5-ASA)、メトトレキサートなど一部の治療薬で、まれに薬剤性の肺障害(間質性肺炎など)が起こり得ます。薬剤性の場合も息切れや咳が生じます。 [2]
  • 💉 免疫抑制下の感染症:免疫抑制治療中は、機会感染(肺炎など)のリスクが上がり、発熱・咳・呼吸困難が出ることがあります。 [2]

他に考えたい原因(息切れの鑑別)

  • ⚠️ 肺血栓(肺塞栓):クローン病は静脈・動脈の血栓リスクが高く、急な胸痛や突然の息切れ、失神などを伴う「肺塞栓」は命に関わります。突然の強い呼吸困難は緊急受診のサインです。 [3]
  • 🩸 貧血:慢性的な炎症や栄養不良、鉄不足で貧血になると、運動時の息切れや動悸が目立つことがあります。これは消化管以外の一般的な全身影響として知られています。 [4]
  • 🌡️ 発熱・疲労:活動期の炎症による全身症状(疲労、発熱、食欲低下など)でも体力が落ち、軽い運動で息切れを感じやすくなります。 [4]

受診の目安

  • すぐ受診が必要:突然の強い息切れ、胸痛、血痰、発熱を伴う息切れ、安静時にも悪化する呼吸困難がある場合は、肺塞栓や肺炎などの緊急疾患をまず除外する必要があります。 [3] [1]
  • 数日以内の相談:咳・痰が続く、階段での息切れが悪化、治療薬を開始・変更してから呼吸症状が出た、腸の症状悪化に並行して胸部症状が増えた、などの場合は消化器内科と呼吸器内科の連携診療が望ましいです。 [1] [2]

診断の進め方

  • 🩺 基本評価:問診(薬歴・発症タイミング)、身体診察、血液検査(炎症・貧血)、動脈血酸素飽和度のチェック。これで重症度と鑑別の方向性を掴みます。 [1]
  • 🖥️ 画像検査:胸部X線、必要に応じて胸部CTで、気管支拡張症、間質性陰影、肺塞栓の所見などを確認します。肺塞栓が疑わしい場合は造影CTが有用です。 [1]
  • 💨 呼吸機能検査:気道病変や間質性病変の有無を評価するためのスパイロメトリーや拡散能検査。 [1]
  • 🔬 気管支鏡・BAL:難治性や原因不明のケースでは、気管支鏡で炎症細胞(好中球増加など)を確認することがあります。 [2]

治療の考え方

  • 🎯 原因に合わせて:感染があれば抗生剤、薬剤性なら原因薬の中止、気道炎症や胸膜・間質性病変にはステロイド(全身または吸入)が初期治療の中心になります。 [1] [2]
  • 🛡️ 再発予防:活動性の腸炎を適切にコントロールし、薬剤副作用の早期発見、血栓リスクの評価(入院時や活動期)などが大切です。 [1] [3]

まとめ

  • 息切れはクローン病の典型的症状ではないものの、合併症や治療薬の影響、血栓、貧血などによって起こることがあります。 [1] [2] [3] [4]
  • 急変する呼吸困難は緊急対応が必要で、胸部画像や血栓評価を含む迅速な検査が重要です。 [3] [1]
  • 腸の病勢と呼吸器症状が並行することがあり、消化器内科と呼吸器内科が連携して評価・治療するのが望ましいです。 [2] [1]

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出典

  1. 1.^abcdefghijklmPulmonary manifestations of inflammatory bowel disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghiPulmonary manifestations of Crohn's disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdeCrohn's disease - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  4. 4.^abcCrohn's Disease(medlineplus.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。