Medical illustration for PubMedの資料に基づく | クローン病の症状として、手足のしびれは一般的に見られますか? - Persly Health Information
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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | クローン病の症状として、手足のしびれは一般的に見られますか?

要点:

手足のしびれはクローン病の典型症状ではありませんが、合併症として起こりえます。主な要因はビタミンB12などの栄養欠乏、メトロニダゾールによる薬剤性、免疫介在性の末梢神経障害です。新規や増悪するしびれがあれば、栄養評価や服薬確認を含め医師に相談しましょう。

クローン病の症状として手足のしびれは「よくある」症状とは言えませんが、いくつかの理由で起こりうることがあります。しびれは消化管の炎症そのものよりも、合併症や治療、栄養不足などに関連して生じることが多いと考えられています。 [1] [2]


結論のポイント

  • 一般的ではないが、起こりうる:クローン病に伴う神経症状は稀ではないものの、消化器症状ほど頻繁ではありません。 [1] [2]
  • 最も多い神経合併症は末梢神経障害(手足のしびれ・痛み・感覚低下など)で、免疫性、栄養欠乏、薬剤性など複数の機序が考えられます。 [1] [2]
  • 原因の代表例:ビタミンB12などの栄養欠乏、抗菌薬メトロニダゾールによる薬剤性、クローン病そのものの免疫機序による末梢神経障害などです。 [1] [3] [4] [5]

なぜしびれが起こるのか(主な機序)

  • 栄養欠乏(特にビタミンB12):小腸(回腸)病変や切除により吸収不良が起こると、末梢神経障害や脊髄の障害(感覚異常・しびれ)につながることがあります。 [3]
  • 薬剤性(メトロニダゾール):長期または高用量のメトロニダゾールで感覚性の末梢神経障害(手足のしびれ、ピリピリ感)が報告されています。中止で改善することがありますが、持続する例もあるため注意が必要です。 [4] [5] [6] [7]
  • 免疫介在性:クローン病の免疫異常が末梢神経に影響し、栄養欠乏や薬剤がなくても感覚性ニューロパチーが生じることがあると報告されています。 [8] [9]
  • 血栓傾向・循環要因:クローン病は血栓傾向があり、神経系の合併症の一部に関与することがありますが、しびれの主因としては上記が優先されます。 [2]

頻度のイメージ

  • 消化器症状(腹痛・下痢など)に比べると、しびれなどの神経症状は「一般的ではないが珍しすぎるわけでもない」領域です。 [1] [2]
  • 報告では、末梢神経障害がクローン病・潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患における「最も一般的な神経合併症」とされますが、全患者のうちの割合は限定的です。 [1] [2]

しびれを感じたときの確認ポイント

  • 栄養状態のチェック:ビタミンB12、葉酸、ビタミンD、銅などの欠乏評価は有用です。特に回腸の病変や切除歴がある場合はB12不足が疑われます。 [3]
  • 服薬歴の確認:メトロニダゾールを使っている、あるいは過去に長期使用していた場合は薬剤性の可能性があります。しびれが出たら医師に相談して中止や代替を検討することがあります。 [4] [5] [6]
  • 病勢との関連:腸炎の悪化としびれの強弱が連動するケースがあり、免疫性機序が示唆されることがあります。 [8]
  • 神経診察・検査:必要に応じて神経伝導検査などで末梢神経障害のタイプ(感覚性、軸索変性など)を評価します。 [8] [9]

受診の目安

  • 新たにしびれが出た、徐々に悪化する、痛みや筋力低下を伴う、歩きづらいなどの症状があれば、消化器の主治医と神経内科の併診を検討してください。薬剤性や栄養欠乏は介入で改善可能なことが多いです。 [4] [5] [3]
  • メトロニダゾール内服中にしびれが出た場合は、自己判断で中止せず、速やかに主治医へ相談するのが安全です。 [4] [6] [7]

まとめ

  • 手足のしびれはクローン病の「典型的な消化器症状」ではありませんが、合併症としては起こりえます。 [1] [2]
  • 背景には、栄養欠乏(特にビタミンB12)、メトロニダゾールなどの薬剤、免疫性機序が関わることがあります。適切な評価と原因への対応で改善が期待できます。 [3] [4] [8]

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出典

  1. 1.^abcdefgNeurologic complications in patients with inflammatory bowel disease: increasing relevance in the era of biologics.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefgNeurologic manifestations of inflammatory bowel diseases.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcde[Neurologic concomitant diseases in Crohn disease].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdefMetronidazole(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdMETRONIDAZOLE(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcMETRONIDAZOLE(dailymed.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abMETRONIDAZOLE(dailymed.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcdPeripheral neuropathy associated with Crohn's disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^ab[Colonic Crohn's disease complicated with peripheral neuropathy].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。