
米国NIHの資料に基づく | クローン病の患者にめまいが見られる場合、どのような原因が考えられますか?
要点:
クローン病でのめまいは、貧血(鉄欠乏・慢性炎症・B12/葉酸不足)をはじめ、脱水・起立性低血圧、電解質異常、低血糖、栄養不足、薬の副作用、心血管・耳の異常など多因子で起こり得ます。血算・鉄関連・B12/葉酸・電解質・血糖・CRPなどで評価し、強いめまい・失神、神経症状、下血や発熱を伴う下痢がある場合は早期受診が推奨されます。
クローン病で「めまい」が起こるときに考えたい原因
クローン病の方に「めまい(ふらつき・立ちくらみ・目が回る感じ)」がみられる場合、いくつかの要因が重なっていることが多く、単一原因に決めつけずに複数の可能性を並行して評価することが大切です。代表的には、貧血、脱水・低血圧、電解質異常、低血糖、栄養素不足(特にビタミンB12・葉酸・鉄)、薬の副作用、心血管や耳の平衡系の問題などが考えられます。 [1] [2]
貧血(鉄欠乏・慢性炎症・B12/葉酸不足)
- 鉄欠乏性貧血はクローン病で最も一般的な合併症の一つで、腸の炎症や出血、栄養摂取・吸収低下が背景になります。貧血は生活の質を低下させ、めまい・動悸・疲労感の原因になり得ます。 [3]
- クローン病ではビタミンB12や葉酸の欠乏も起こりやすく、これらの不足も貧血を招いてめまいの一因になります。B12不足は長期化すると神経症状(しびれ、バランス障害)にもつながるため注意が必要です。 [3] [4]
- 炎症性サイトカインによる造血抑制(慢性疾患の貧血)や、稀ですが溶血・骨髄抑制、薬剤影響も関与することがあります。 [5] [3]
- 診断・鑑別には、ヘモグロビン、フェリチン、トランスフェリン飽和度、CRP、B12、葉酸などを組み合わせて評価し、混合型貧血の可能性も考えます。鉄は静注製剤が有効な場面もあります。 [3]
脱水・起立性低血圧
- 下痢や嘔吐、発熱が続くと脱水になりやすく、脳への血流が一時的に不足して立ちくらみ(起立性低血圧)が生じます。急に立ち上がったときのふらつきはこの機序で説明できることが多いです。 [6] [7]
- 脱水はめまいの一般的原因であり、水分と電解質の補給が重要です。 [8] [2]
電解質異常・低血糖
- 長引く下痢や食事制限、ステロイド併用などにより、ナトリウム、カリウムなどの電解質異常が起こると、めまい・倦怠感・筋力低下を感じることがあります。電解質異常は脳の機能や血圧調整に影響します。 [2]
- 食事量の低下や吸収不良、治療薬との相互作用により低血糖が起これば、ふらつき・冷汗・動悸・意識が遠のく感覚が出ることがあります。 [2]
栄養不良(B12・葉酸・鉄など)
- 回腸(小腸末端)病変や切除歴がある場合、ビタミンB12吸収障害が起こりやすく、貧血だけでなくバランス障害やしびれなどの神経症状がめまい感と重なることがあります。 [9] [4]
- クローン病では鉄不足による貧血も一般的で、出血・炎症・摂取不足が背景になります。 [10]
- 葉酸不足も造血に影響し、めまいの原因になり得ます。不足が疑われる場合は補充療法を考慮します。 [3]
薬の副作用
- メトロニダゾールやシプロフロキサシンなどの抗菌薬は、吐き気・頭痛・腹痛、しびれ感などの副作用があり、これらがめまいとして自覚されることがあります。アルコールとの併用は避けます。 [11]
- 5-ASA(メサラミン/サルファサラジン)では、治療初期に頭痛・悪心・腹痛などが出ることがあり、めまい感につながることがあります。 [12]
- 副腎皮質ステロイドは短期有用ですが、胃腸症状、血圧変動、睡眠障害などの副作用があり、体調変化に伴いふらつきを感じることがあります。 [13] [14]
- 免疫抑制薬(アザチオプリン等)では骨髄抑制が一定割合で起こり、貧血・白血球減少・血小板減少が生じうるため、定期的な血液検査が推奨されます。 [13]
心血管・耳の平衡系などその他の原因
- めまいは一般論として、脳への血流不足(動脈硬化・不整脈・低血圧)、耳の異常(良性発作性頭位めまい症、メニエール、片頭痛関連)などでも生じます。クローン病に限らず、基礎疾患や年齢、合併症に応じて幅広く鑑別します。 [2] [1]
受診の目安とチェックポイント
- 次のようなときは、早めの医療機関受診が望まれます。強いめまい・失神、胸痛や息切れ、言葉が出にくい・麻痺などの神経症状、黒色便や鮮血便、発熱を伴う下痢が続く場合です。 [2]
- 実際の評価では、血算(ヘモグロビン)、鉄関連(フェリチン・トランスフェリン飽和度)、B12・葉酸、電解質、血糖、炎症マーカー(CRP)などの基本検査と、服薬歴・水分摂取・排便状況の確認が役立ちます。鉄欠乏・慢性炎症・B12/葉酸欠乏の混在も多いため、総合的に判断します。 [3] [5]
まとめ
クローン病でのめまいは、最も頻度が高いのは貧血(鉄欠乏や慢性炎症、B12/葉酸不足)で、次いで脱水・起立性低血圧、電解質異常、低血糖、薬の副作用などが重なって起こることが多いです。原因は一つとは限らないため、血液・栄養・電解質の評価と服薬の見直し、水分・栄養管理を並行して行うと良いでしょう。 [3] [6] [2] [12]
関連する質問
出典
- 1.^abDizziness: Symptom Causes(mayoclinic.org)
- 2.^abcdefgDizziness: Symptom Causes(mayoclinic.org)
- 3.^abcdefgAnemia in inflammatory bowel disease: a neglected issue with relevant effects.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abVitamin B12 deficiency anemia: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 5.^abDiagnosis and treatment of anemia in inflammatory bowel disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abDizziness: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 7.^↑Orthostatic Hypotension(stanfordhealthcare.org)
- 8.^↑Dizziness and Vertigo(medlineplus.gov)
- 9.^↑Vitamin B12 deficiency anemia: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 10.^↑Anemia - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 11.^↑크론병(Crohn's disease) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 12.^ab크론병(Crohn's disease) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 13.^ab크론병(Crohn's disease) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 14.^↑Crohn's disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


