Medical illustration for PubMedの資料に基づく | アルツハイマー病で息切れが起こることはありますか?起こる場合、考えられる原因や受診の目安は何ですか? - Persly Health Information
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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | アルツハイマー病で息切れが起こることはありますか?起こる場合、考えられる原因や受診の目安は何ですか?

要点:

アルツハイマー病自体が直接息切れを起こすとは限らず、嚥下障害による誤嚥性肺炎、睡眠時無呼吸、感染症、心不全、COPDなどの併存が原因になりやすいと説明しています。緊急受診が必要なサインや早めの受診の目安、家庭でできる対策、医療機関での検査のポイントも示しています。

アルツハイマー病と息切れの関係:起こりうる原因と受診の目安

アルツハイマー病そのものが直接「息切れ(呼吸困難)」を引き起こすとは限りませんが、病気の進行や合併症、関連する体調変化によって息切れが起こることはありえます。 この場合、原因は複数あり、早めの評価と適切な受診が大切です。


起こりうる主な原因

  • 嚥下(えんげ)機能の低下による誤嚥性肺炎 アルツハイマー病が進行すると、飲み込みが難しくなり食べ物や飲み物が気管に入って肺炎を起こし、息切れや呼吸困難につながります。重症化しやすく、死亡原因になりやすい合併症です。 [1] [2] [3]

  • 睡眠時無呼吸(閉塞性睡眠時無呼吸:OSA)の併存 アルツハイマー病の方では睡眠時に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸」がみられることがあり、夜間の息苦しさや日中の疲労・眠気の原因となります。頻度が一般人口より高いかは一定しませんが、併存すると睡眠と認知機能に悪影響を与えます。 [4] [5]

  • 感染症(インフルエンザ、肺炎、RSVなど) 高齢者や慢性疾患を持つ方は呼吸器感染症にかかると急な息切れ、咳、発熱が出やすく、重症化のリスクが上がります。胸の痛みや呼吸困難がある場合は早急な受診が必要です。 [6]

  • 心不全など心臓の問題 高齢者の急性息切れの原因として心不全が非常に一般的です。横になると苦しくなる(起坐呼吸)、夜間の咳、足のむくみなどが伴うことがあります。中等度の運動で息切れが出る場合は心肺疾患を疑います。 [7] [8]

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの肺の病気 長年の喫煙歴がある方に多く、動いたときの息切れや長引く咳・痰が特徴です。悪化時には急に息苦しくなり、受診や入院が必要になることがあります。 [9] [10] [11]


受診の目安(緊急性の判断)

  • 今すぐ救急受診が望ましいサイン

    • 休んでいても息が苦しい、会話が数語で途切れるほど息切れが強い。 [11]
    • 胸の痛みや圧迫感を伴う呼吸困難。 [6]
    • 高熱・悪寒・咳があり、息切れが悪化している。 [12]
    • ぐったりする、意識がもうろう、混乱が強い。 [11]
    • 横になると息苦しく、座位前屈でしか呼吸が楽にならない(心不全の可能性)。 [12]
  • 早めの外来受診が望ましいサイン

    • 階段や平地歩行など以前はできた活動で息切れが増えている。 [8]
    • 咳・痰が増え、回復に時間がかかる、風邪後に息切れが続く。 [9]
    • 夜間のいびき・無呼吸、日中の過度な眠気、朝の頭痛が出てきた。 [4] [11]

家庭でできる初期対応と予防の工夫

  • 誤嚥性肺炎の予防

    • 食事は姿勢を正し、ゆっくり小分けで、むせやすい場合はやわらかい食形態やとろみを検討します。 [1]
    • 飲み込みに不安があれば、嚥下評価(言語聴覚士)や栄養・食形態の見直しを受けましょう。 [13]
  • 呼吸を楽にする工夫

    • 口すぼめ呼吸(鼻からゆっくり吸って、口をすぼめて長く吐く)や背もたれに寄りかかる前屈姿勢は息苦しさの軽減に役立ちます。 [14]
    • 室温・湿度を整え、扇風機や窓からの微風で顔に風を当てると楽になることがあります。 [14]
  • 睡眠の整え方(OSA対策にも有益)

    • 日中の適度な運動、夕方以降のカフェインを控える、寝室を静かにするなどで夜間の安静を保ちます。 [4]
    • 無呼吸が疑われる場合は睡眠検査(ポリソムノグラフィー等)を相談しましょう。 [5]
  • 活動の目安とリハビリ

    • 息切れが出る範囲でこまめに休みながら動き、急な運動負荷や寒冷曝露を避けます。 [10]
    • COPDなどが疑われる場合は呼吸リハビリや吸入治療の適応を確認します。 [9]

医療機関での評価と検査の例

  • 呼吸器評価
    • 胸部X線、血液検査(炎症反応)、肺機能検査、酸素飽和度の測定、必要に応じてCT。 [9]
  • 心臓評価
    • 心電図、心エコー、BNP(心不全の指標)などのバイオマーカー。高齢者の急性息切れでは心不全の頻度が高く、バイオマーカーが診断の助けになります。 [7]
  • 睡眠評価
    • 睡眠時無呼吸が疑われる場合の睡眠検査や簡易モニタリング。併存すると睡眠・認知に悪影響を及ぼすため、見逃さないことが重要です。 [5] [4]
  • 嚥下評価
    • 嚥下造影やベッドサイド嚥下評価、言語聴覚士による機能評価。誤嚥性肺炎の予防・再発防止に有用です。 [1] [13]

まとめ

  • アルツハイマー病の直接の症状というより、進行に伴う嚥下障害による誤嚥性肺炎、睡眠時無呼吸、感染症、心不全、COPDなどの「合併・併存要因」が息切れの主因になりやすいと考えられます。 [1] [2] [4] [3] [6] [9]
  • 息切れが安静時に強い、胸痛を伴う、高熱や咳があり悪化する、会話困難なほど苦しいなどのサインでは、早急な受診(救急含む)が推奨されます。 [11] [6] [12]
  • 家庭では誤嚥予防、口すぼめ呼吸、睡眠環境の調整などが役立ちますが、原因の見極めのための医療機関での評価が重要です。 [14] [4] [1]

参考チェックリスト(受診前に整理すると役立つ項目)

  • 息切れが始まった時期ときっかけ(風邪・食事中のむせ・夜間いびきの悪化など)。
  • 症状の同時出現:発熱、咳・痰、胸痛、足のむくみ、体重増加、夜間の呼吸苦、強いいびきや無呼吸。
  • 既往歴:心不全、COPD、喫煙歴、最近の感染症、誤嚥のエピソード。
  • 服薬状況:利尿薬、降圧薬、睡眠薬など(副作用で呼吸が変わる場合あり)。

息切れの出方や伴う症状には個人差がありますが、最近増えた息切れや安静時の苦しさがある場合は早めに相談してみませんか?

関連する質問

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出典

  1. 1.^abcdeAlzheimer's disease - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  2. 2.^abAlzheimer's disease(stanfordhealthcare.org)
  3. 3.^abAlzheimer's stages: How the disease progresses(mayoclinic.org)
  4. 4.^abcdefManaging Alzheimer's sleep problems(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcSleep-disordered breathing in neurodegenerative diseases.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdRSV in Adults(cdc.gov)
  7. 7.^ab[Diagnosing the cause of acute dyspnea in elderly patients: role of biomarkers in emergencies].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abDyspnea in the elderly: old age or disease?(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcde만성 폐쇄성 폐질환(Chronic obstructive pulmonary disease) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  10. 10.^ab만성폐쇄성폐질환의 진단과 치료 | 건강TV | 건강정보(amc.seoul.kr)
  11. 11.^abcdeChronic obstructive pulmonary disease - adults - discharge: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  12. 12.^abcShortness of breath When to see a doctor(mayoclinic.org)
  13. 13.^abDiagnosing Alzheimer’s Disease(nyulangone.org)
  14. 14.^abcCuidados paliativos para la dificultad respiratoria: MedlinePlus enciclopedia médica(medlineplus.gov)

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