
PubMedの資料に基づく | アルツハイマー病では吐き気はどの程度一般的な症状で、主な原因や対処法は何ですか?
要点:
アルツハイマー病では吐き気は病気自体の中核症状ではなく、主にコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル等)の副作用として一般的にみられます。用量を低く開始し徐々に増量、食後服用、貼付剤への切替、メマンチンの検討、脱水・便秘対策などで軽減でき、持続・重度の場合は医療機関へ相談します。
アルツハイマー病と吐き気の関係
アルツハイマー病そのものの「中核症状」として吐き気(悪心)が頻出するわけではありませんが、治療薬の副作用や合併症、進行に伴う生活機能の変化によって吐き気は比較的よくみられる随伴症状になり得ます。 [1] 吐き気は特にコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)でよくみられる副作用で、用量を上げたときに増えやすい特徴があります。 [2] [3]
吐き気の頻度の目安
- コリンエステラーゼ阻害薬での副作用としての吐き気・嘔吐は一般的です。臨床試験や添付文書の集計では、悪心・嘔吐・下痢などの消化器症状が代表的な副作用として報告されています。 [4]
- ドネペジルでは用量が高いほど吐き気が増えやすいと記載されており、10mg/日より5mg/日で頻度が低く、さらに23mg/日では10mg/日より明らかに悪心が多いというデータがあります。 [5] [3]
- リバスチグミンの経口剤では悪心・嘔吐が比較的多く、貼付剤(パッチ)にすると血中濃度の急上昇が抑えられ、消化器副作用が少なくなる傾向が示されています。 [6] [7]
- 総説でも、コリンエステラーゼ阻害薬の最も一般的な副作用は悪心、下痢、嘔吐、体重減少とまとめられています。 [8]
主な原因
1) 治療薬の副作用
- コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)は、アセチルコリンを増やす作用により消化管の動きが過剰になり、悪心・嘔吐・下痢を引き起こしやすいです。 [2] [1]
- ドネペジルでは「予測できる薬理作用の結果」として悪心・嘔吐・下痢が生じると明記され、高用量で頻度が高いこと、多くは軽度〜一過性で1〜3週間で改善することが示されています。 [9] [5]
- 用量調整や漸増のスピードが速すぎると副作用が出やすい傾向があります。 [8]
2) 合併症・生活要因
- 便秘や下痢、脱水はアルツハイマー病の生活機能低下に伴って起こりやすく、悪心の誘因になります。 [10]
- 食事量の低下や嚥下機能の変化、体重減少も消化器症状の背景になります。 [8]
- 一部の他剤(抗うつ薬など)でも悪心が副作用として起こることがあります。 [11]
対処法(実践的なポイント)
1) 薬剤の調整
- 低用量から開始し、ゆっくり増量することで副作用を軽減しやすいです。 [2]
- 服薬は食後にすることで悪心の軽減が期待できます。 [2]
- ドネペジルで悪心が強い場合、5mg/日に戻す・増量を遅らせる・投与時間を調整する方法があります。 [5]
- リバスチグミンで消化器症状が持続する場合、貼付剤への切り替えで副作用低減が期待できます。 [6]
- メマンチンは一般に消化器副作用が少なく、悪心の代替薬として検討されることがあります(主な副作用はめまい・便秘・頭痛など)。 [8] [4]
2) 生活・栄養ケア
- 水分補給をこまめに行い、脱水を防ぎます。 [10]
- 食事は少量を分けて摂る、脂っこいものを控える、消化にやさしい食品を選ぶなどで悪心が軽減することがあります。 [12]
- 便秘対策として食物繊維や十分な水分、適度な活動を心がけます。 [12]
- 体重・食事量のモニタリングを行い、継続する悪心による栄養低下を早期に察知します。 [8]
3) 追加の医療的対応
- 悪心が強い、長引く、嘔吐を伴う場合は医療機関で評価を受け、薬剤性か合併症(便秘、感染、電解質異常など)かの鑑別が必要です。 用量調整や薬剤切り替えを行うことがあります。 [1] [9]
- リバスチグミンの消化器症状に対して、状況によって制吐薬の併用が検討されることがあります。 [7]
コリンエステラーゼ阻害薬と副作用の比較表
以下は、代表的な抗認知症薬でみられやすい悪心などの消化器症状の特徴を、臨床的に重要なポイントで簡潔に比較した表です。 [8] [2] [1] [6] [7]
| 薬剤 | 作用機序のポイント | 悪心の出やすさ | 増量の影響 | 悪心軽減の工夫 |
|---|---|---|---|---|
| ドネペジル | 中枢コリンエステラーゼ阻害 | あり(用量依存) [5] | 10mg>5mg、23mgでさらに増加 [3] | 低用量開始・食後服用・用量調整 [2] [5] |
| ガランタミン | コリンエステラーゼ阻害+ニコチン性受容体調節 | あり | 漸増でリスク上昇のことあり [8] | 低用量開始・食後服用 [2] |
| リバスチグミン(経口) | コリンエステラーゼ阻害(デュアル) | 比較的あり | 血中濃度ピークで悪心増加 [6] | 貼付剤へ切替で副作用低減 [6] [7] |
| リバスチグミン(貼付) | 同上(貼付でピーク緩和) | 経口より少ない傾向 [6] | ー | パッチで忍容性改善 [6] |
| メマンチン | NMDA受容体拮抗 | 消化器副作用は少なめ | ー | 代替・併用の選択肢 [8] [4] |
受診の目安
- 新規に悪心が出た、増量後に悪化した、嘔吐が続く、体重が減る、脱水の兆候(口渇・尿量低下)がある場合は、早めに主治医へ相談してください。薬剤の見直しや検査(便秘・感染・電解質異常などの確認)が必要になることがあります。 [10] [1]
- 高用量ドネペジル使用中に失神や強い徐脈が疑われる場合は緊急受診が推奨されます(心伝導への影響が指摘されています)。 [9]
まとめ
関連する質問
出典
- 1.^abcdefgDementia - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 2.^abcdefghAlzheimer's: Medicines help manage symptoms and slow decline(mayoclinic.org)
- 3.^abcDONEPEZIL HYDROCHLORIDE- donepezil tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcTreatment of Alzheimer disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdeThese highlights do not include all the information needed to use donepezil hydrochloride safely and effectively. See full prescribing information for donepezil hydrochloride tablets. DONEPEZIL hydrochloride tablets, for oral use Initial U.S. Approval: 1996(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdefgh[A transdermal patch of rivastigmine (Exelon)].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcdeSafety and tolerability of rivastigmine capsule with memantine in patients with probable Alzheimer's disease: a 26-week, open-label, prospective trial (Study ENA713B US32).(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdefghSide effects of approved antidementives.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 9.^abc(dailymed.nlm.nih.gov)
- 10.^abcdAlzheimer's disease - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 11.^↑Medication for Dementia(nyulangone.org)
- 12.^ab알츠하이머식 | 식사요법 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


