
米国NIHの資料に基づく | セルトラリンの副作用として関節痛が生じることはありますか?
要点:
セルトラリンでは、関節痛を含む筋骨格系の副作用がまれながら報告されています。服用開始・増量のタイミングで痛みが出る場合は薬剤性が疑われ、持続・増悪時は医師に相談して用量調整や変更を検討します。自己判断での急な中止は避けましょう。
セルトラリンで関節痛(関節の痛み・こわばり)が起こる可能性は、多くはありませんが報告されています。 臨床試験や承認時資料では「関節痛(アースラルジア)」や「筋骨格痛」「関節炎」「首や背中の痛み」など、筋骨格系の症状が副作用として挙がっています。 [1] セルトラリン全体としての安全性プロファイルは良好とされますが、用量や個人差によって筋骨格症状が出ることがあります。 [2]
セルトラリンで報告される筋骨格系の副作用
- 関節痛(アースラルジア):一部の試験で発生が示されています(例:試験群で約4%などの記載)。 [1]
- 関節炎・関節腫脹:関節の腫れや炎症のような訴えが副作用一覧に含まれます。 [3] [4]
- 筋骨格痛(広い意味の痛み):体の痛み、首・背中の痛みなどが列挙されています。 [3] [5]
これらの項目は、プラセボ(偽薬)と比較した副作用一覧にも含まれ、“痛み”“筋骨格痛”“関節炎・関節痛”として区分されていることが確認できます。 [3] [4] [1]
発生頻度の目安
下表は、公開されている代表的な資料に記載のある筋骨格関連事象の例を、わかりやすく整理したものです(試験や製剤により表現・頻度は異なります)。
| 項目 | 記載の例 | 備考 |
|---|---|---|
| 関節痛(アースラルジア) | 試験群で約4%などの記載 | 試験条件により差があります。 [1] |
| 関節炎 | 3.1%(試験群) vs 2.7%(プラセボ)などの一覧記載 | 列挙形式の副作用一覧に含まれます。 [4] |
| 筋骨格痛(痛み) | 2%以上でプラセボより多い用量がある旨の一覧 | 「痛み」「筋骨格痛」「首の痛み」等が併記。 [3] |
| 関節腫脹 | 副作用一覧に記載あり | 具体頻度は資料により異なる記載形式。 [3] |
ポイント:副作用頻度は試験デザインや用量、母集団で変わるため、利用者個々では出ないことの方が多いものの、生じ得る副作用の一つとして認識されます。 [3] [4] [1]
仕組み(なぜ起こり得る?)
- セルトラリンはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)で、痛みそのものを軽減する薬ではありません。一部の研究では、SSRIは痛みの情動面(不安・苦痛感)に影響しますが、純粋な鎮痛効果は限定的とされています。 [6]
- 慢性痛領域(線維筋痛症など)でも、SSRIの鎮痛効果は小さいか限定的とする系統的レビューがあり、疼痛の感じ方に個人差が大きいことが示唆されます。 [7]
- そのため、体質や併存症状、用量などによって筋骨格系の違和感や痛みが副作用として現れることがあると考えられます。 [3] [1] [2]
似た症状との見分け方
関節痛がセルトラリン由来かどうかは、以下の点を手掛かりにできます。
- 開始時期・用量変更とのタイミング:服用開始後、または増量後に痛みが強まる場合は薬剤関連が疑われます。 [2]
- 他の筋骨格症状の併発:筋肉痛、首・背中の痛み、関節腫れなどが同時に出ていると副作用の可能性が上がります。 [3] [5]
- 基礎疾患や生活要因:関節炎、過度な運動、別の薬剤(例:スタチンなど)との相互作用による筋骨格症状との鑑別が必要です。一般的にSSRI単独では重い筋障害はまれです。 [2]
受診や対応の目安
- 軽度の痛み:一時的で生活に支障が少ない場合は、数日〜1週間様子を見る、負荷を減らす、必要に応じて市販の鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)を短期間使う選択肢があります。医師・薬剤師に相談の上で検討してください。 [2]
- 持続・増悪する痛み:新たな関節腫れ、熱感、赤みがある、または日常生活に支障が出る場合は、主治医に相談して用量調整や薬剤変更を検討するとよいです。 [3] [4]
- 重症のサイン:高熱、著明な関節腫脹、筋力低下、発疹を伴う全身症状などがある場合は、早めに医療機関に連絡してください。副作用の重症例はまれですが、安全確保が最優先です。 [2]
服薬を中止しないでください
セルトラリンは自己判断で急に中止すると離脱症状(不安・気分変調・発汗・吐き気など)を招くことがあります。中止や減量は必ず医師と相談して段階的に行いましょう。 [8]
まとめ
- セルトラリンで関節痛が生じることはあり得ますが、頻度は高くありません。 [1] [3]
- 副作用一覧には、関節痛・関節炎・筋骨格痛・関節腫脹などが含まれます。 [3] [4] [5]
- 痛みが続いたり悪化する場合は、医師に相談して用量調整や薬の切り替えを検討するのが安全です。 [2]
- 自己判断での急な中止は避け、段階的な調整を医師の指示で行ってください。 [8]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefg(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefgToleration and safety of sertraline: experience worldwide.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefghijk(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdef(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abc(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^↑5-HT2CR blockade in the amygdala conveys analgesic efficacy to SSRIs in a rat model of arthritis pain.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^↑Selective serotonin reuptake inhibitors for fibromyalgia syndrome.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abSertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


