
PubMedの資料に基づく | セルトラリンの服用で口渇はどの程度起こりやすい副作用ですか 原因や持続期間 対処法 受診の目安を教えてください
要点:
セルトラリンでは口渇(ドライマウス)は比較的よくある副作用で、開始後の初週〜数週に軽度〜中等度で出やすく、多くは時間とともに軽減します。水分補給やシュガーレスガム、刺激物の回避、加湿、口腔ケアなどのセルフケアが有効で、つらい場合は用量調整を医師に相談しましょう。強い乾燥が2週間以上続く、口腔の痛み・白苔などの感染徴候がある、日常生活に支障がある場合は受診が目安です。
セルトラリンによる口渇(ドライマウス):頻度・原因・期間・対処法・受診の目安
セルトラリン(SSRI)では、口渇は比較的よくみられる副作用のひとつです。 一般的にSSRI全体で「口の乾き」はよくある副作用として挙げられており、日常診療でも珍しくありません。 [1] セルトラリンの副作用プロファイルでも、乾燥感(口渇)は代表的なものの一つとして位置づけられています。 [2] なお、用量を慎重に増量した多施設試験では、個別の副作用が10%を超えない低頻度に抑えられた報告もあり、用量や投与方法で体感頻度は変わりうる点が示されています。 [3]
どのくらい起こりやすい?
- 「よくある副作用」領域に入る可能性があります。 SSRIとしての一般的説明に、乾燥した口(ドライマウス)が並ぶことから、臨床的には一定の頻度で遭遇します。 [1]
- セルトラリンでも代表的副作用の一つと整理されており、吐き気・下痢などと並ぶ「目立つ副作用群」に含まれます。 [2]
- 頻度には個人差や用量依存性があり、増量速度も影響します。 初期50mgから段階的に増量した試験では、各副作用の頻度が10%以下に抑えられたデータがあり、急な増量を避けることで体感副作用を減らせる可能性があります。 [3]
原因(なぜ乾くの?)
- SSRIによるセロトニン再取り込み阻害による自律神経のバランス変化が、唾液分泌の機能に影響して口腔乾燥を自覚させると考えられています。セルトラリン自体は抗コリン作用が最小限ですが、薬理作用全体として「乾燥感」は生じ得ます。 [4] [5]
- 薬剤性唾液腺機能低下(MISGD)の一形態として捉えられ、薬剤数や用量に伴って発現率が上がる傾向が示唆されています。 [6]
- 発症時期は治療開始後の初週〜数週に現れることが多く、軽度〜中等度が主体です。 [6]
どのくらい続く?
- 多くは軽度で一過性で、継続投与とともに「体が慣れる」ことで目立たなくなることがあります。 [4]
- 最初の数週間に出やすいとされ、時間とともに頻度や強度が下がる傾向が報告されています。 [6]
- とはいえ、2週間以上強い乾燥が続く場合は評価が必要です。長期の重い口渇は、う蝕(虫歯)や歯周病、口腔カンジダ症などのリスクを高めるため、歯科・医療機関での確認がすすめられます。 [7] [8]
具体的な対処法
すぐできるセルフケア
- こまめな水分補給や氷片を口に含むなどで乾燥感を和らげます。 [9]
- シュガーレスのガム・キャンディで唾液分泌を促すのがおすすめです。 [9]
- カフェイン・アルコール・タバコは口をさらに乾かすため控えめに。 [10]
- 口呼吸を避け、鼻呼吸を意識することで乾燥を軽減できます。 [10]
- 夜間の加湿(加湿器)も有効です。 [8]
- ドライマウス用洗口液や唾液代替剤の利用を検討しましょう。 [10]
口腔ケアと虫歯予防
薬の調整の相談
- 乾燥が非常に煩わしい場合、主治医に用量の調整や投与時間の工夫を相談する方法があります。副作用の強さは用量と増量速度に関係しうるため、調整で改善することがあります。 [3]
- 勝手な中止は避けてください。 セルトラリンの中止は離脱症状を招くことがあり、医師の指示の下で段階的に減量する必要があります。 [11] [12]
受診の目安(いつ相談すべき?)
- 2週間以上、強い口渇が続く・日常生活や睡眠に支障がある場合は受診をおすすめします。長期の乾燥は口腔疾患のリスクを高めます。 [7] [8]
- 口の痛み、嚥下痛、口内の赤み・腫れ・潰瘍、白苔など感染徴候がある場合は早めに医師・歯科医へ。乾燥が続くと真菌(カンジダ)などの口腔感染が起こりやすくなります。 [7] [8]
- 副作用が強く、セルトラリンの継続が困難に感じる場合は、用量調整や別時間投与、他剤への切替など選択肢を医師と相談してください。 [3]
- 重篤な症状(発熱・発汗・動悸・混乱・筋強直・震え・下痢など)が出た場合は、セロトニン関連の有害事象などの可能性もあるため、速やかに受診が望まれます。 [13] [14]
まとめ
- セルトラリンでは口渇は「よくある」副作用の一つで、開始後の数週間に軽度〜中等度で起こりやすいです。 [1] [2] [6]
- 多くは時間とともに軽くなりますが、強い乾燥が2週間以上続く場合や口腔症状を伴う場合は医療機関で評価を受けましょう。 [7] [8]
- セルフケア(こまめな水分、ガム・キャンディ、刺激物回避、加湿、口腔ケア)が有効で、つらい場合は用量調整などを主治医に相談してください。 [9] [10] [3]
- 自己判断での中止は避け、減量・中止は必ず医師の指示に沿って行いましょう。 [11] [12]
関連する質問
出典
- 1.^abcSelective serotonin reuptake inhibitors (SSRIs)(mayoclinic.org)
- 2.^abcSertraline: a new antidepressant.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdeToleration and safety of sertraline: experience worldwide.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abSertraline. A review of its pharmacodynamic and pharmacokinetic properties, and therapeutic potential in depression and obsessive-compulsive disorder.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^↑The role of sertraline in the management of depression.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdWorld Workshop on Oral Medicine VI: clinical implications of medication-induced salivary gland dysfunction.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcdDry Mouth(medlineplus.gov)
- 8.^abcdefDry Mouth(medlineplus.gov)
- 9.^abcAntidepressants: Get tips to cope with side effects(mayoclinic.org)
- 10.^abcdeAntidepressants: Get tips to cope with side effects(mayoclinic.org)
- 11.^abSertraline (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 12.^abSertraline (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 13.^↑Sertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 14.^↑Sertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


