
米国NIHの資料に基づく | セルトラリンは副作用として勃起不全を引き起こすことがありますか?起こる場合の頻度や対処法を教えてください。
要点:
セルトラリン(SSRI)は副作用として勃起不全を含む性機能障害を起こすことがあり、SSRIの中でも比較的頻度が高い傾向があります。自己中止は避け、症状があれば主治医に相談し、服薬タイミング・用量調整、他剤への切替、ED治療薬併用などで対処を検討します。併用禁忌(MAOI等)やセロトニン症候群リスクにも注意が必要です。
セルトラリン(SSRI)は、副作用として勃起不全(勃起が得られない・維持できない)を含む性機能障害を起こすことがあります。男性では性欲低下、勃起困難、射精遅延や射精不全が報告されています。 [1] 同様に、女性でも性欲低下やオーガズム達成困難がみられることがあります。 [1]
性機能副作用の頻度
- SSRI全般で性機能障害は比較的よくみられ、過少報告になりがちです。 性の話題は本人も医療者も言い出しにくく、添付文書の数字は実際より少なく見積もられている可能性があります。 [2]
- 複数の研究をまとめた分析では、セルトラリンはSSRIの中でも性機能障害の発現率が高いグループに入るとされています(全体として25.8%〜80.3%の範囲で報告)。 [3]
- 実臨床の後方視的検討では、SSRI(フルオキセチン・パロキセチン・セルトラリン)使用中の男性で、性欲低下・勃起困難・遅漏・無オーガズムといった副作用が多数認められ、SSRI間で大きな差はない傾向が示されています。 [4]
なお、一般的な患者向け情報でも、セルトラリンの副作用として「男性の性欲低下、勃起できない/維持できない、射精が遅れる・できない」が明記されています。 [1] 女性でも「性欲低下、オーガズム遅延・不能」が記載されています。 [1]
起こりやすい症状の具体例
- 男性:性欲低下、勃起不全、射精遅延・射精不能がみられることがあります。 [1]
- 女性:性欲低下、オーガズム遅延・不能がみられることがあります。 [1]
- まれに、持続勃起(プリアピズム)の報告がSSRI全般でありますが、極めて稀です。 [2]
いつ相談すべきか
- 性機能の変化に気づいたら、自己判断で中止せず、主治医に早めに相談してください。 [5]
- 症状が重く生活の質を下げている場合や、精神症状(うつ・不安)のコントロールに影響して服薬継続が難しくなりそうなときは優先して相談しましょう。 [6]
対処法・改善策
性機能副作用は、工夫で軽減できる場合があります。以下は一般的に用いられる選択肢で、体調・病状に応じて組み合わせて検討します。
1. 服薬タイミングの工夫
- 1日1回の薬なら、性的活動の前に服用をずらす(または服用直後を避ける)ことで症状が軽くなることがあります。 [7]
- 就寝前の服用で不眠などが悪化する場合、就寝前の服用を避けることが勧められることがあります(一般的副作用対策の一例)。 [8]
2. 用量調整
3. 薬剤の切り替え(スイッチ)
- 性機能副作用が少ない薬への切り替えを検討することがあります。 [4]
- 過去の試験では、セルトラリンによる性機能障害に対し他剤へ切り替えると再発が少ない結果が示されたものがあります(ただし特定薬剤は現行では使用不可のものもあり、現在は副作用の少ない選択肢へ切り替える方針を個別に検討します)。 [6]
4. 追加治療(アドオン療法)
- ED(勃起不全)が主体の場合、シルデナフィルやタダラフィルの併用が有効というエビデンスがあります。 [6]
- 一部ではブプロピオンの追加で性機能スコアの改善が示唆されていますが、用量や個人差によって効果は分かれます。 [6]
5. 待機・経過観察
- 自然寛解を待つアプローチもありますが、症状が続く場合は上記の調整を検討します。 [4]
禁忌・注意すべき併用
- セルトラリンは一部の薬やサプリ(セントジョーンズワートなど)との併用で「セロトニン症候群」リスクが上がるため、自己判断で併用せず必ず医師に相談してください。 [9]
- モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)との併用や近接使用は禁忌です。 [10]
まとめ
- セルトラリンは性機能副作用(勃起不全を含む)を起こすことがあり、SSRIの中でも比較的頻度が高い傾向が示されています。 [1] [3]
- 発現率は研究や評価法で幅がありますが、少なからぬ人に生じうるため、「気づいたら早めに相談」が大切です。 [2]
- 服薬タイミングの調整、用量調整、薬剤切り替え、ED治療薬の併用など複数の対策があり、症状と精神科的安定を両立できるよう個別に最適化します。 [7] [6] [8]
よくある質問に対する簡易Q&A
-
Q: 一時的に薬を休む「ドラッグホリデー」は有効?
A: 休薬は再燃リスクがあるため推奨されません。 まずはタイミング調整や用量調整、追加治療など安全な手段を検討しましょう。 [6] -
Q: どのくらいで改善する?
A: 個人差が大きく、数週間で軽くなる人もいれば継続する人もいます。 その場合は治療計画の見直しで改善が期待できます。 [4] [6]
実践のポイント
関連する質問
出典
- 1.^abcdefgSertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 2.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abTreatment-emergent sexual dysfunction related to antidepressants: a meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdMale sexual side effects associated with antidepressants: a descriptive clinical study of 32 patients.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abSertraline (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 6.^abcdefghStrategies for managing sexual dysfunction induced by antidepressant medication.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abAntidepressants: Get tips to cope with side effects(mayoclinic.org)
- 8.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
- 9.^↑Sertraline (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 10.^↑(dailymed.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


