
PubMedの資料に基づく | セルトラリンの副作用として不眠が生じることはありますか?
要点:
セルトラリンでは不眠(入眠困難・中途覚醒)が副作用として起こることがあります。多くは一過性で軽度ですが、服用時間や用量の調整、睡眠衛生、必要に応じた補助療法で改善が期待できます。重度・持続する場合や不安・焦燥、自傷念慮を伴うときは医療者に相談してください。
セルトラリンで不眠(入眠困難・中途覚醒)が起こることはあります。一般的には一過性で軽度なことが多いですが、持続する場合は用量や内服時間の調整で改善することがあります。 [1] セルトラリンはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)で、覚醒系にも影響しうるため、一部の方で「眠りにくい」「夜中に目が覚める」といった睡眠障害がみられることがあります。 [1] [2]
発現頻度の目安と症状
- 頻度の目安: 公式情報では、セルトラリンで「眠りにつきにくい・眠りを維持しにくい(不眠)」が副作用として報告されており、一般的な副作用リストに含まれます。 [1] 不眠は多くの場合、治療開始初期に出やすく、時間経過とともに軽快することが少なくありません。 [3]
- 併発しやすい症状: 神経過敏感(そわそわする感じ)や落ち着かなさ、心配の増加などが同時に見られることがあり、これらも睡眠の質を下げる要因になりえます。 [2] [1]
なぜ不眠が起こりうるのか
- セロトニン調節の影響: セルトラリンはセロトニンを増やしますが、脳の覚醒・睡眠バランスにも関与するため、体が慣れるまでの間に睡眠のリズムが乱れることがあります。 とくに開始初期や増量時に目立ちやすいと考えられています。 [3]
- 周期性四肢運動との関連: 一部研究では、セルトラリン投与により睡眠中の「脚がぴくつく動き(周期性四肢運動)」が増えることが示され、覚醒(目が覚めやすくなる)を増やしうる可能性が報告されています。 [4] ただし、多くのケースで臨床的に大きな障害には至らないとされています。 [4]
いつ受診・相談すべきか
- 重度・持続する不眠: 日常生活に支障が出る、数週間以上続く、抑うつ・不安の悪化を伴う場合は、医療者に相談が必要です。 不眠が強い焦燥、激しい不安、衝動性の高まりと一緒に出る場合は早めの連絡が望まれます。 [2]
- 自殺念慮などの警戒サイン: 気分の急な悪化、衝動的な行動、強い焦燥や攻撃性などがあれば、至急の対応が必要です。 [2]
対応策と工夫(医療者と相談のうえで)
- 内服時間の見直し: 眠気ではなく不眠が目立つタイプでは、朝~日中の服用が一般的に試されます。就寝前の服用は避けた方がよい場合があります。(個人差があるため、主治医と調整してください。) [3]
- 用量調整・滴定: 不眠が強いときは、増量ペースをゆっくりにする、または一時的に用量を下げることで落ち着くことがあります。 [3]
- 睡眠衛生の徹底: 寝る前のカフェイン・アルコールを避ける、光・画面を減らす、毎日同じ就床起床時刻にする、日中の運動を取り入れるなどは有効です。
- 補助療法の検討: 残存する不眠に対し、短期的な睡眠導入薬や、ガバペンチンやクロナゼパムなどの補助療法が比較検討されることがあります(効果は同程度という報告もありますが、適応や副作用を確認のうえで検討します)。 [5]
- 不眠自体の治療: 認知行動療法(CBT‑I)など非薬物療法は、抗うつ治療と並行して不眠の改善に役立ち、再発予防にもつながります。うつ病治療がうまくいっても、不眠が残ると再発リスクが上がることが報告されています。 [6]
まとめ
- セルトラリンでは、不眠は起こりうる副作用の一つです。多くは軽度かつ一過性ですが、持続・増悪する場合は調整が可能です。 [1] [3]
- 症状がつらい場合は、服用時間の変更、増量ペースの調整、睡眠衛生の徹底、必要に応じた補助療法などで対処できる可能性があります。 [3] [5]
- 強い不安や焦燥、自傷他害念慮などのサインを伴う場合は、早めに医療機関へ相談してください。 [2]
必要であれば、現在の服用量や内服時間、いつから不眠が始まったか(開始・増量直後か、別要因が重なったか)をうかがえれば、より具体的なアドバイスをご提案できます。
関連する質問
出典
- 1.^abcdeSertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 2.^abcdeSertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 3.^abcdefSertraline: a new antidepressant.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abSertraline and periodic limb movements during sleep: an 8-week open-label study in depressed patients with insomnia.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abComparing Gabapentin with Clonazepam for Residual Sleeping Problems following Antidepressant Therapy in Patients with Major Depressive Disorder: A Randomized Clinical Trial.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Impact of sleep complaints and depression outcomes among participants in the standard medical intervention and long-term exercise study of exercise and pharmacotherapy for depression.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


