
米国NIHの資料に基づく | うつ病の治療でセルトラリンを服用する際、よく見られる副作用と受診が必要な重篤な副作用にはどのようなものがありますか?
セルトラリンの一般的な副作用は、吐き気・下痢、眠気または不眠、めまい・頭痛、発汗増加、食欲変化、性機能変化、軽い発疹などで、多くは一過性です。セロトニン症候群、けいれん、異常出血、強い不安や希死念慮、重いアレルギー反応などは重篤で、速やかな受診が必要です。突然の中止は離脱症状を招くため、医師と相談し段階的に調整します。
セルトラリンの副作用:よくあるものと重篤なもの
セルトラリン(SSRI)は、うつ病の治療で広く使われる薬で、多くの方に比較的安全に使われていますが、副作用が出ることがあります。 ここでは、頻度が高い「よく見られる副作用」と、早めの受診が必要な重篤な副作用を整理します。治療開始後は少しずつ用量を増やし、突然中止しないことが一般的に勧められます。これは副作用の出方や離脱症状を減らすためです。 [1]
よく見られる副作用(多くは軽度で一過性)
- 🤢 胃腸症状:吐き気、下痢が出ることがあります。通常は軽度で、服用継続で数週間で落ち着くことが多いです。 [2] [3]
- 😴 眠気・不眠:眠気が出る場合もあれば、逆に不眠が目立つこともあります。用量や服用時間の調整で改善することがあります。 [2]
- 😵 めまい・頭痛:初期にみられ、多くは経過とともに軽くなります。 [2]
- 😓 発汗の増加:寝汗などの形で気づくことがあります。 [4]
- 🍽️ 食欲の変化:子どもでは食欲低下や体重減少が報告されています。成人では個人差があります。 [5]
- ⚧️ 性機能の変化:男性では射精遅延などが出ることがあります。用量調整や他の対策で緩和できることがあります。 [3]
- 🟤 皮膚症状:発疹がまれに出ることがあります。持続する発疹は医師に相談してください。 [6]
これらの副作用は、初期の50mgから2週間ごとに段階的に増量する標準的な方法では、いずれも10%以上になることは少ないとされています。 [6] 8週間程度の長期では、多くの副作用は軽減し、プラセボ(偽薬)と大差がなくなる傾向が示されています。 [6]
受診が必要な重篤な副作用
以下が出たら、すぐに医療機関へ相談・受診してください。家族や周囲の方にもサインを共有しておくと安心です。 [7]
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⚠️ セロトニン症候群(命に関わることも)
兆候:強い落ち着きのなさ(焦燥)、幻覚、発熱、過度の発汗、混乱、動悸(心拍数増加)、震え、重い筋固縮やけいれん様のピクつき、協調運動の低下、強い吐き気・嘔吐・下痢など。他のセロトニン作用薬(トリプタン、MAO阻害薬など)との併用で起こりやすいので、併用薬は必ず医師に伝えましょう。 [5] [8] [9]
これらの症状が出たら直ちに受診してください。 [8] -
🩸 異常な出血・あざ(紫斑):鼻血や歯ぐき出血が止まりにくい、あざが増えるなどは受診のサインです。SSRIは血小板のセロトニン取り込みを抑えるため、出血傾向が出ることがあります。 [5] [3]
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🧍♀️ 強い不安・焦燥や気分の急変、希死念慮(自傷・自殺念慮)
兆候:新たな不安やパニック、攻撃的行動、いらだち、衝動的な行動、強い落ち着きのなさ、異常な興奮など。自分で受診が難しい時は家族が支援してください。 [7] [10] -
🌡️ 重い皮膚反応:広がる発疹、蕁麻疹、顔や喉の腫れ、呼吸困難はアレルギー反応の可能性があり、緊急受診が必要です。 [5]
臨床試験では躁状態の発現は約0.4%と低頻度、発疹は2%未満と報告されていますが、症状が強い場合は用量調整や薬剤変更を検討します。 [6]
中止時の注意(離脱症状)
セルトラリンを突然中止すると、離脱症状(吐き気、発汗、気分の落ち込み、気分の変動、異常な興奮、イライラ、不安、混乱、めまい、頭痛など)が出ることがあります。急にやめずに、医師と相談して段階的に減量するのが一般的です。 [1]
妊娠・授乳と安全性のポイント
- 🤰 妊娠中:全体として重大な奇形リスクの増加は明確ではないとされますが、新生児の適応障害(呼吸が速い・落ち着かないなど)や持続性肺高血圧症(PPHN)のリスクが増える可能性が示唆されています。妊娠を希望・判明した場合は自己判断で中止せず、医師とリスクとベネフィットを相談してください。 [11]
- 🤱 授乳中:母乳を介したセルトラリンの赤ちゃんへの曝露は極めて低いことが多く、第一選択薬のひとつと位置づけられています。定期的な採血は通常不要で、通常の小児フォローで十分とされています。まれに刺激性・授乳不良など軽い症状が出ることがあります。 [12]
よく見られる副作用と重篤な副作用の対比表
| 区分 | 症状の例 | 目安となる対応 |
|---|---|---|
| よく見られる(軽度) | 吐き気・下痢、眠気または不眠、めまい、頭痛、発汗増加、軽い発疹、性機能変化(射精遅延など) | 経過観察、服用時間の調整、食後服用などの工夫、持続・増悪時は主治医に相談 [2] [3] [4] [6] |
| 重篤(受診が必要) | セロトニン症候群の兆候(高熱、混乱、動悸、筋固縮、下痢など)、けいれん、異常出血・あざ、強い不安・希死念慮、重いアレルギー反応(蕁麻疹、顔・喉の腫れ、呼吸困難) | 速やかに受診・緊急対応、併用薬の確認、用量調整・薬剤変更の検討 [5] [8] [9] [7] |
服用のコツとセルフチェック
- ⏱️ 少しずつ増量:一般的には週1回を超えないペースで用量調整を行い、体調に合わせて進めます。 [1]
- 🧾 併用薬の確認:トリプタン、MAO阻害薬、その他のセロトニン作用薬の併用はセロトニン症候群のリスクが上がります。必ず医師・薬剤師に申告しましょう。 [9]
- 🛑 突然の中止は避ける:離脱症状を防ぐため、段階的に減量します。 [1]
- 👪 周囲と共有:気分の急変や希死念慮のサインは周囲が気づくことも多いので、家族と共有しておくと安心です。 [7]
まとめ
セルトラリンはうつ病に効果的で安全性の高い薬ですが、初期に胃腸症状や睡眠の変化、発汗、性機能の変化などの軽い副作用が出ることがあります。多くは一過性で、用量調整や継続で改善することが期待できます。 [2] [3] 一方で、セロトニン症候群、けいれん、異常出血、重いアレルギー反応、希死念慮などは重篤で、速やかな受診が必要です。 [5] [8] [9] [7] 突然の中止は離脱症状の原因になるため、必ず医師と相談して段階的に調整しましょう。 [1]
この中で当てはまりそうな症状や心配な点はありますか?
関連する質問
出典
- 1.^abcdeSertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 2.^abcdeSertraline: a new antidepressant.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdeThe role of sertraline in the management of depression.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abSertralina: MedlinePlus medicinas(medlineplus.gov)
- 5.^abcdefgSertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 6.^abcdeToleration and safety of sertraline: experience worldwide.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcdeSertraline: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 8.^abcdeSertralina: MedlinePlus medicinas(medlineplus.gov)
- 9.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
- 10.^↑Sertralina: MedlinePlus medicinas(medlineplus.gov)
- 11.^↑Risks associated with in utero and lactation exposure to selective serotonin reuptake inhibitors (SSRIs).(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 12.^↑Sertraline and breastfeeding: review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


