
PubMedの資料に基づく | ロサルタンの副作用として下痢はどの程度の頻度で起こり、持続する場合の対処法や受診の目安は何ですか?
要点:
ロサルタンでは下痢が副作用として報告されますが頻度は低く、全体の安全性はプラセボと同程度です。多くは軽度で一過性ですが、数日以上続く、脱水や低血圧の兆候、血便・高熱などがあれば受診してください。自宅では水分・電解質補給、食事調整、市販止瀉薬の短期使用が有効で、自己判断で中止せず医師に相談します。
ロサルタンの副作用「下痢」の頻度・持続時の対処・受診目安
ロサルタンでは下痢が副作用として報告されていますが、一般的には少数で、プラセボ(偽薬)と同程度の安全性プロファイルの中で見られることが多いと理解されます。公式医薬品情報では、消化器系副作用の一つとして「Diarrhea(下痢)」が列挙されており、臨床試験群でも報告対象に含まれています。 [1] [2] 同薬の大規模な臨床試験では、全体として有害事象の発生率はプラセボと同程度と要約されており、特定の消化器症状のみが突出して高頻度という傾向は示されていません。 [3] なお、近縁のARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)であるイルベサルタンのプラセボ対照試験では下痢が約3%(プラセボ2%)と記載されているため、ARBクラスでの下痢頻度の目安として参考になります。 [4]
どのくらいの期間続くのか(持続性の目安)
- 多くの薬剤性下痢は軽度で一過性(自然におさまる)な経過をとることが一般的です。 [5]
- ただし、長く続く下痢や強い下痢は脱水や電解質異常、低血圧のリスクにつながるため注意が必要です。 [6]
- ロサルタンに限らず、ARBの中には極めて稀に腸症(薬剤性腸炎)を起こす薬剤があり、オルメサルタンで重い慢性下痢・体重減少などを伴う腸症の報告が蓄積しています(まれなケース)。 [7]
- そのため、数日で治まらない持続的な下痢や、体重減少・脱水・腎機能悪化が疑われる症状を伴う場合は、薬剤関連の可能性も含め早めの医療機関受診が推奨されます。 [7] [6]
自宅でできる対処法
- 水分と電解質の補給:スポーツドリンク等で水分・塩分・糖分を補い、脱水を予防しましょう。激しい運動や発汗がある日は特に十分な水分補給が大切です。 [8]
- 食事の工夫:脂っこいもの・刺激物・アルコールは避け、消化にやさしい食品(おかゆ、バナナ、リンゴすりおろし、ヨーグルトなど)を少量ずつ。下痢が強い時は乳製品で悪化する場合があるため様子を見ながら調整します。
- 市販薬の活用:急性の軽い下痢で血便や高熱がなく、全身状態が保たれている場合は、ロペラミド(止瀉薬)などの短期的な症状緩和が有効とされています。 [9]
- 服薬の見直しは自己判断で中断しない:降圧治療の継続性が重要なため、医師に相談してから用量調整や薬変更を検討します。 [3]
受診の目安(危険サイン)
次のような場合は早めに受診してください。重症のサインは救急受診も検討します。
- 2〜3日以上、改善しない中等度〜重度の下痢、あるいは頻回の水様便が続く。 [5]
- 口渇、乏尿、立ちくらみ、ふらつき、血圧低下など脱水・低血圧の兆候。こうした状態はロサルタン服用時に危険で、腎機能へ影響する恐れがあります。 [6] [8]
- 血便、黒色便、高熱、激しい腹痛など感染性腸炎や重症疾患を疑うサイン。 [10]
- 顔や喉の腫れ、呼吸困難、声がれなどの重篤なアレルギー反応の兆候が出た場合は直ちに受診してください。 [11]
- 体重減少を伴う慢性下痢や腸症が疑われる症状(特にARB服用が長期にわたる場合)。 [7]
医師に相談するときのポイント
- 開始時期と経過:ロサルタンを開始・増量してからいつ下痢が始まったか、持続期間、1日の回数、夜間の頻度。
- 重症度の指標:発熱、血便、強い腹痛、嘔吐の有無、水分摂取量と尿量、体重変化。 [10]
- 併用薬・サプリ:下痢を悪化させる可能性のある薬(抗菌薬、マグネシウム含有制酸薬、メトホルミンなど)やサプリの有無。 [5]
- 基礎疾患:腎疾患、心不全、糖尿病、高齢など脱水に弱い背景があれば必ず伝える。 [6]
薬の調整や変更について
- ロサルタンは総じて忍容性が高く、プラセボと同程度の安全性が示されているため、多くの場合は継続可能です。 [3]
- とはいえ、症状が持続・再発する場合は、医師の判断で用量調整、他の降圧薬(同じARBや別系統)への切り替えが検討されます。 [3] [4]
- オルメサルタン関連の重い腸症が疑われる状況では、薬剤中止での改善が知られているため、医師の管理下で迅速に評価・対応します(ロサルタンで同様の腸症は非常にまれですが、鑑別として念頭に置かれます)。 [7]
まとめ
- ロサルタンでは下痢が副作用として報告されることがあり、頻度は低めで全体の安全性はプラセボと同程度です。 [1] [2] [3]
- 多くは軽度で一過性ですが、数日以上続く・重症化する・脱水徴候がある場合は医療機関へ相談してください。 [5] [6]
- 水分・電解質補給、食事調整、市販の止瀉薬の短期使用が自宅対処として有効です(重症サインがある時は不可)。 [9]
- アレルギー反応の兆候や体重減少を伴う慢性下痢は早急な受診が必要です。 [11] [7]
関連する質問
出典
- 1.^abCOZAAR- losartan potassium tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abCOZAAR- losartan potassium tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdeSafety and tolerability of losartan potassium, an angiotensin II receptor antagonist, compared with hydrochlorothiazide, atenolol, felodipine ER, and angiotensin-converting enzyme inhibitors for the treatment of systemic hypertension.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abIRBESARTAN(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abcd[Drugs and diarrhea].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdeLosartan (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 7.^abcdeDrug-induced enteropathy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abLosartan (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 9.^ab[Loperamide for acute infectious diarrhoea].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 10.^ab[Acute infectious diarrhea in adults: epidemiology and management].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 11.^abLosartan: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


