
米国NIHの資料に基づく | メラノーマ(悪性黒色腫)の治療(免疫チェックポイント阻害薬やBRAF/MEK阻害薬など)で性欲低下は副作用として報告されていますか?ある場合の頻度やメカニズム、対処法について教えてください。
要点:
メラノーマ治療では、免疫チェックポイント阻害薬やBRAF/MEK阻害薬で性欲低下が起こり得ますが、定量的頻度は多くの資料で未提示です。免疫療法では下垂体炎・甲状腺機能低下などの内分泌障害が二次的原因となり、BRAF/MEKでは体調・気分・自己イメージの変化が関与します。対処は内分泌評価(AMコルチゾール、TSH/FT4、LH/FSH、性ホルモン)と適切な補充療法・支持療法、生活面・心理面の支援です。
性欲低下は起こり得ますが、頻度は明確に集計されていないのが現状です。免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1/PD-L1・抗CTLA-4)では、下垂体炎や甲状腺機能低下などの内分泌障害が生じると二次的に「性欲低下」や倦怠感が出ることがあり、注意が必要です。 [1] [2] 一方、BRAF/MEK阻害薬では患者向け情報として「治療や副作用の影響で性欲が下がることがある」と明記されており、体調・気分・自己イメージの変化が関与する可能性が示唆されています。 [3] [4]
要点まとめ
- 免疫チェックポイント阻害薬では、性欲低下そのものの発現率は添付文書等で系統的に報告されていないものの、内分泌障害(下垂体炎、甲状腺障害、副腎不全、精巣炎など)に伴う二次的な性欲低下が生じ得ます。 [1] [2]
- BRAF/MEK阻害薬(ダブラフェニブ+トラメチニブ、ベムラフェニブ+コビメチニブなど)では、患者向け資料で「性欲の低下が起こり得る」と案内されています(定量的頻度は提示なし)。 [3] [4]
- メカニズムは、ホルモン低下(テストステロン、甲状腺ホルモン、コルチゾールなど)、全身倦怠、食欲低下や体重変動、気分変調、痛み、皮疹などの身体症状が複合して関与すると考えられます。 [1] [2] [3] [4]
頻度について
- 免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ、ペンブロリズマブ等)の公的情報では、食欲低下・倦怠などの一般的副作用は頻度が提示される一方、「性欲低下」を独立項目としての頻度提示は多くの資料で見当たりません。 [5] [6]
- ただし、内分泌関連の免疫関連有害事象(irAE)としての下垂体炎や副腎不全、甲状腺機能異常は既知で、これらが性欲低下の背景になり得ます(症状として「性欲低下」が内分泌評価のトリガーに含まれます)。 [1] [2]
- BRAF/MEK阻害薬では、患者向け文書で「性欲が低下することがある」と周知されていますが、定量的な発現率は提示されていません。 [3] [4]
想定メカニズム
- 免疫チェックポイント阻害薬
- BRAF/MEK阻害薬
どんな時に検査すべきか(チェックリスト)
性欲低下が続く、または以下の症状を伴う場合は、内分泌評価を早めに行うことが望ましいです。 [1] [2]
- 強い倦怠感、持続する頭痛、めまい、体重増減、気分の変化(意欲低下・易怒性) [2]
- 寒がり、便秘、声のかすれなどの甲状腺低下が疑われるサイン [2]
- 低血圧、悪心・嘔吐、朝のだるさが強いなど副腎不全を示唆するサイン [2]
推奨される初期検査の目安(担当医と相談の上で実施):
- 朝のコルチゾール、ACTH、TSH/FT4、ナトリウム・カリウム・血糖などの基本採血 [2]
- 低性欲や気分変化が目立つ場合は、LH、FSH、(男性で)テストステロン、(女性で)エストロゲンの測定も検討されます。 [1]
対処法(ステップ別)
- まずは原因検索
- 内分泌障害が見つかった場合は、適切なホルモン補充やステロイド治療で多くの場合に症状改善が期待できます。 [2]
- 治療の継続可否
- 症状の重症度と内分泌評価の結果に応じて、免疫療法の一時中断や再開の判断が行われます。 [2]
- 生活面での工夫
- パートナー・専門家との相談
- 将来の生殖に関する配慮
BRAF/MEK阻害薬と性に関する患者向け記載の例
- ダブラフェニブ+トラメチニブ(術後補助療法):性欲が治療や副作用の影響で低下することがある旨が記載されています。 [3]
- コビメチニブ+ベムラフェニブ(進行期):同様に性欲低下の可能性について周知があります。 [4]
免疫チェックポイント阻害薬と内分泌モニタリング
- 免疫療法中は、症状に応じてAMコルチゾール、ACTH、TSH/FT4、電解質などの検査が推奨され、低性欲・気分変化などがある場合はLH、FSH、テストステロン/エストロゲンの評価が勧められます。 [1]
- 内分泌障害が疑われる場合は、免疫療法の一時的な中断とともに、迅速なホルモン補充やステロイド投与が検討されます。 [2]
実務的アドバイス
- 性欲低下は「よくあるけれど言い出しにくい症状」です。内分泌障害が背景にあることもあるため、遠慮なく主治医に伝えてください。 [1] [2]
- 体調管理(睡眠・栄養・適度な運動)と、皮疹・発熱などの症状コントロールを並行して行うと、性欲の回復にプラスに働くことがあります。 [3] [4]
参考となる検査・対応早見表
| きっかけ症状 | 想定原因 | 初期検査の例 | 初期対応の例 |
|---|---|---|---|
| 性欲低下+強い倦怠・頭痛 | 下垂体炎/副腎不全 | AMコルチゾール、ACTH、Na/K、血糖 | 免疫療法一時中断+ステロイドやホルモン補充を検討 |
| 性欲低下+寒がり・便秘 | 甲状腺機能低下 | TSH、FT4 | 甲状腺ホルモン補充を検討 |
| 性欲低下+抑うつ・不眠 | 心理社会的要因/全身症状 | 必要に応じ内分泌セット+評価尺度 | 支援的カウンセリング、症状緩和 |
| 性欲低下+睾丸痛・腫脹(男性) | 精巣炎 | LH、FSH、テストステロン+泌尿器評価 | 抗炎症・ホルモン管理、治療調整 |
(検査・治療は担当医の判断で個別化されます) [1] [2] [7] [3] [4]
まとめ
- 性欲低下は、BRAF/MEK阻害薬では患者向け情報として注意喚起があり、免疫チェックポイント阻害薬では内分泌障害に伴って起こり得ます。 [3] [4] [1] [2]
- 定量的な発現頻度は多くの公的資料で明示されていませんが、症状が続く場合は内分泌評価(AMコルチゾール、TSH/FT4、LH/FSH、性ホルモンなど)を検討する価値があります。 [1] [2]
- 早期の原因同定と適切な補充療法・支持療法で、改善が期待できます。 [2]
このテーマについて、今感じている症状(例えば疲れや眠気、体重変化、気分の変化など)はありますか?
関連する質問
出典
- 1.^abcdefghijkl3549-Immunotherapy blood test monitoring recommendations(eviq.org.au)
- 2.^abcdefghijklmnopqrs1993-Management of immune-related adverse events (irAEs)(eviq.org.au)
- 3.^abcdefghijkPatient information - Melanoma adjuvant - Dabrafenib and trametinib(eviq.org.au)
- 4.^abcdefghijkPatient information - Melanoma metastatic - Cobimetinib and vemurafenib(eviq.org.au)
- 5.^↑KEYTRUDA- pembrolizumab injection, powder, lyophilized, for solution KEYTRUDA- pembrolizumab injection, solution(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^↑KEYTRUDA- pembrolizumab injection, powder, lyophilized, for solution KEYTRUDA- pembrolizumab injection, solution(dailymed.nlm.nih.gov)
- 7.^abcd3594-Advanced or metastatic nivolumab (flat dosing)(eviq.org.au)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


