Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | メラノーマ(悪性黒色腫)の治療(免疫チェックポイント阻害薬やBRAF/MEK阻害薬など)で性欲低下は副作用として報告されていますか?ある場合の頻度やメカニズム、対処法について教えてください。 - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月20日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | メラノーマ(悪性黒色腫)の治療(免疫チェックポイント阻害薬やBRAF/MEK阻害薬など)で性欲低下は副作用として報告されていますか?ある場合の頻度やメカニズム、対処法について教えてください。

要点:

メラノーマ治療では、免疫チェックポイント阻害薬やBRAF/MEK阻害薬で性欲低下が起こり得ますが、定量的頻度は多くの資料で未提示です。免疫療法では下垂体炎・甲状腺機能低下などの内分泌障害が二次的原因となり、BRAF/MEKでは体調・気分・自己イメージの変化が関与します。対処は内分泌評価(AMコルチゾール、TSH/FT4、LH/FSH、性ホルモン)と適切な補充療法・支持療法、生活面・心理面の支援です。

性欲低下は起こり得ますが、頻度は明確に集計されていないのが現状です。免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1/PD-L1・抗CTLA-4)では、下垂体炎や甲状腺機能低下などの内分泌障害が生じると二次的に「性欲低下」や倦怠感が出ることがあり、注意が必要です。 [1] [2] 一方、BRAF/MEK阻害薬では患者向け情報として「治療や副作用の影響で性欲が下がることがある」と明記されており、体調・気分・自己イメージの変化が関与する可能性が示唆されています。 [3] [4]

要点まとめ

  • 免疫チェックポイント阻害薬では、性欲低下そのものの発現率は添付文書等で系統的に報告されていないものの、内分泌障害(下垂体炎、甲状腺障害、副腎不全、精巣炎など)に伴う二次的な性欲低下が生じ得ます。 [1] [2]
  • BRAF/MEK阻害薬(ダブラフェニブ+トラメチニブ、ベムラフェニブ+コビメチニブなど)では、患者向け資料で「性欲の低下が起こり得る」と案内されています(定量的頻度は提示なし)。 [3] [4]
  • メカニズムは、ホルモン低下(テストステロン、甲状腺ホルモン、コルチゾールなど)、全身倦怠、食欲低下や体重変動、気分変調、痛み、皮疹などの身体症状が複合して関与すると考えられます。 [1] [2] [3] [4]

頻度について

  • 免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ、ペンブロリズマブ等)の公的情報では、食欲低下・倦怠などの一般的副作用は頻度が提示される一方、「性欲低下」を独立項目としての頻度提示は多くの資料で見当たりません。 [5] [6]
  • ただし、内分泌関連の免疫関連有害事象(irAE)としての下垂体炎や副腎不全、甲状腺機能異常は既知で、これらが性欲低下の背景になり得ます(症状として「性欲低下」が内分泌評価のトリガーに含まれます)。 [1] [2]
  • BRAF/MEK阻害薬では、患者向け文書で「性欲が低下することがある」と周知されていますが、定量的な発現率は提示されていません。 [3] [4]

想定メカニズム

  • 免疫チェックポイント阻害薬
    • 下垂体炎(視床下部 下垂体系の炎症)により性腺刺激ホルモン(LH/FSH)が低下し、二次的にテストステロン低下やエストロゲン低下を招き、性欲が下がる場合があります。 [1] [2]
    • 甲状腺機能低下症や副腎不全(コルチゾール低下)でも、倦怠や抑うつ、代謝低下を介して性欲が落ちやすくなります。 [2]
    • まれに精巣炎(睾丸の炎症)による低ゴナド症が示唆され、性機能や生殖能力に影響する可能性があります。 [7]
  • BRAF/MEK阻害薬
    • 直接の性腺毒性は明示されていませんが、発熱、皮膚症状、倦怠、気分変調などの全身症状や外見変化が心理面に影響し、性欲低下につながることがあります。 [3] [4]

どんな時に検査すべきか(チェックリスト)

性欲低下が続く、または以下の症状を伴う場合は、内分泌評価を早めに行うことが望ましいです。 [1] [2]

  • 強い倦怠感、持続する頭痛、めまい、体重増減、気分の変化(意欲低下・易怒性) [2]
  • 寒がり、便秘、声のかすれなどの甲状腺低下が疑われるサイン [2]
  • 低血圧、悪心・嘔吐、朝のだるさが強いなど副腎不全を示唆するサイン [2]

推奨される初期検査の目安(担当医と相談の上で実施):

  • 朝のコルチゾール、ACTH、TSH/FT4、ナトリウム・カリウム・血糖などの基本採血 [2]
  • 低性欲や気分変化が目立つ場合は、LH、FSH、(男性で)テストステロン、(女性で)エストロゲンの測定も検討されます。 [1]

対処法(ステップ別)

  • まずは原因検索
    • 内分泌障害が見つかった場合は、適切なホルモン補充やステロイド治療で多くの場合に症状改善が期待できます。 [2]
  • 治療の継続可否
    • 症状の重症度と内分泌評価の結果に応じて、免疫療法の一時中断や再開の判断が行われます。 [2]
  • 生活面での工夫
    • 疲労・睡眠・痛みのコントロール、発熱や皮膚症状の早期対処、コミュニケーション支援など、全身状態と心理面のサポートが有効です。 [3] [4]
  • パートナー・専門家との相談
    • 性に関する悩みは心理的要因も重なるため、主治医・看護師・必要に応じて精神腫瘍科やセクシャルヘルスの専門家に相談するのがおすすめです。 [3] [4]
  • 将来の生殖に関する配慮
    • 免疫療法の生殖機能への影響は不明な点がありますが、精巣炎・下垂体炎に伴う低ゴナド症の可能性は示唆されます。 [7]
    • 治療前後の生殖に関する計画(妊娠・父親計画など)は、早めに担当医と相談すると安心です。 [7]

BRAF/MEK阻害薬と性に関する患者向け記載の例

  • ダブラフェニブ+トラメチニブ(術後補助療法):性欲が治療や副作用の影響で低下することがある旨が記載されています。 [3]
  • コビメチニブ+ベムラフェニブ(進行期):同様に性欲低下の可能性について周知があります。 [4]

免疫チェックポイント阻害薬と内分泌モニタリング

  • 免疫療法中は、症状に応じてAMコルチゾール、ACTH、TSH/FT4、電解質などの検査が推奨され、低性欲・気分変化などがある場合はLH、FSH、テストステロン/エストロゲンの評価が勧められます。 [1]
  • 内分泌障害が疑われる場合は、免疫療法の一時的な中断とともに、迅速なホルモン補充やステロイド投与が検討されます。 [2]

実務的アドバイス

  • 性欲低下は「よくあるけれど言い出しにくい症状」です。内分泌障害が背景にあることもあるため、遠慮なく主治医に伝えてください。 [1] [2]
  • 体調管理(睡眠・栄養・適度な運動)と、皮疹・発熱などの症状コントロールを並行して行うと、性欲の回復にプラスに働くことがあります。 [3] [4]

参考となる検査・対応早見表

きっかけ症状想定原因初期検査の例初期対応の例
性欲低下+強い倦怠・頭痛下垂体炎/副腎不全AMコルチゾール、ACTH、Na/K、血糖免疫療法一時中断+ステロイドやホルモン補充を検討
性欲低下+寒がり・便秘甲状腺機能低下TSH、FT4甲状腺ホルモン補充を検討
性欲低下+抑うつ・不眠心理社会的要因/全身症状必要に応じ内分泌セット+評価尺度支援的カウンセリング、症状緩和
性欲低下+睾丸痛・腫脹(男性)精巣炎LH、FSH、テストステロン+泌尿器評価抗炎症・ホルモン管理、治療調整

(検査・治療は担当医の判断で個別化されます) [1] [2] [7] [3] [4]


まとめ

  • 性欲低下は、BRAF/MEK阻害薬では患者向け情報として注意喚起があり、免疫チェックポイント阻害薬では内分泌障害に伴って起こり得ます。 [3] [4] [1] [2]
  • 定量的な発現頻度は多くの公的資料で明示されていませんが、症状が続く場合は内分泌評価(AMコルチゾール、TSH/FT4、LH/FSH、性ホルモンなど)を検討する価値があります。 [1] [2]
  • 早期の原因同定と適切な補充療法・支持療法で、改善が期待できます。 [2]

このテーマについて、今感じている症状(例えば疲れや眠気、体重変化、気分の変化など)はありますか?

関連する質問

関連記事

PubMedの資料に基づく | 悪性黒色腫(メラノーマ)の治療に伴う副作用としての筋力低下はどの程度みられ、主な原因薬剤や発症の仕組み、受診の目安と一般的な対処法は何ですか?

PubMedの資料に基づく | 悪性黒色腫(メラノーマ)の治療に伴う副作用としての筋力低下はどの程度みられ、主な原因薬剤や発症の仕組み、受診の目安と一般的な対処法は何ですか?

メラノーマ治療の筋力低下は薬剤により頻度と機序が異なり、免疫チェックポイント阻害薬では免疫関連有害事象(筋炎・重症筋無力症・内分泌障害など)が原因となりやすく、BRAF/MEK阻害薬では筋痛主体でまれ...

PubMedの資料に基づく | 悪性黒色腫の治療(免疫チェックポイント阻害薬やBRAF/MEK阻害薬、化学療法など)で記憶障害や物忘れが副作用として起こることはありますか?起こる場合、どの治療でどの程度みられ、予防や対処法はありますか?

PubMedの資料に基づく | 悪性黒色腫の治療(免疫チェックポイント阻害薬やBRAF/MEK阻害薬、化学療法など)で記憶障害や物忘れが副作用として起こることはありますか?起こる場合、どの治療でどの程度みられ、予防や対処法はありますか?

悪性黒色腫の治療では、物忘れ・記憶障害が起こることがあります。免疫チェックポイント阻害薬では稀な脳炎に伴う混乱・記憶障害、化学療法ではケモブレインが比較的よくみられ、BRAF/MEK阻害薬は報告が限定...

PubMedの資料に基づく | メラノーマの治療薬の副作用として下痢が起こることはありますか?起きた場合の原因と対処法、受診すべき目安を教えてください。

PubMedの資料に基づく | メラノーマの治療薬の副作用として下痢が起こることはありますか?起きた場合の原因と対処法、受診すべき目安を教えてください。

メラノーマ治療薬では分子標的薬・免疫療法の双方で下痢が起こり得ます。分子標的薬は機能性の下痢が多く、免疫療法は免疫性大腸炎による重症化の恐れがあり早期連絡が重要です。水分・電解質補給、食事調整、止瀉薬...

出典

  1. 1.^abcdefghijkl3549-Immunotherapy blood test monitoring recommendations(eviq.org.au)
  2. 2.^abcdefghijklmnopqrs1993-Management of immune-related adverse events (irAEs)(eviq.org.au)
  3. 3.^abcdefghijkPatient information - Melanoma adjuvant - Dabrafenib and trametinib(eviq.org.au)
  4. 4.^abcdefghijkPatient information - Melanoma metastatic - Cobimetinib and vemurafenib(eviq.org.au)
  5. 5.^KEYTRUDA- pembrolizumab injection, powder, lyophilized, for solution KEYTRUDA- pembrolizumab injection, solution(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^KEYTRUDA- pembrolizumab injection, powder, lyophilized, for solution KEYTRUDA- pembrolizumab injection, solution(dailymed.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcd3594-Advanced or metastatic nivolumab (flat dosing)(eviq.org.au)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。