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2026年2月20日5分で読める

PubMedの資料に基づく | メラノーマの治療に伴う副作用として脱毛はどの程度発生し、どの治療(免疫チェックポイント阻害薬、BRAF/MEK阻害薬、化学療法など)で頻度が高いですか?また、脱毛は治療終了後に回復しますか?

要点:

メラノーマの脱毛は治療法によって異なり、化学療法が最も頻度・重症度が高く、BRAF/MEK阻害薬は薄毛や部分的な脱毛など軽〜中等度が中心、免疫チェックポイント阻害薬は相対的に少ない傾向です。分子標的・免疫関連薬全体では全グレード約15%という報告もあります。多くは治療終了後に数週間〜数カ月で再生しますが、回復速度には個人差があります。

メラノーマ治療での脱毛は、治療の種類によって頻度や出方がかなり異なります。一般的には、従来型の化学療法で最も起こりやすく、分子標的薬(BRAF/MEK阻害薬)は「部分的な脱毛(薄毛や一部の抜け)」が見られることがあり、免疫チェックポイント阻害薬では相対的に少ない傾向があります。治療が終わると多くの方で時間とともに毛髪は再生しやすいのですが、回復の速さや程度は個人差があり、使った薬剤や期間によっても変わります。 [1]


治療別の頻度の目安

  • 化学療法

    • 抜け毛はしばしば顕著で、治療中に急速に進むことがあります。化学療法と比較すると、分子標的薬の脱毛リスクは低いという報告があり、相対危険度では分子標的薬の方が化学療法より低いとされています。 [1]
    • そのため、全体としては化学療法が最も脱毛頻度が高い治療群と考えられます。 [1]
  • BRAF/MEK阻害薬(ダブラフェニブ+トラメチニブ、ベムラフェニブ、エンコラフェニブ+ビニメチニブ、コビメチニブ併用など)

    • 「部分的な脱毛(髪が薄くなる、部分的に抜ける)」がみられることがあります。 [2]
    • ベムラフェニブなどのBRAF阻害薬では、髪が乾く・切れやすくなる・一部抜けるといった「髪の変化」が案内されています。 [3]
    • ダブラフェニブ+トラメチニブ(BRAF/MEK併用)では、髪が濃く太くなる、乾燥・縮れる、折れやすい・抜けるといった多様な変化が報告されています。 [4]
    • BRAF/MEKクラス全体として、皮膚有害事象の一つに軽度の脱毛や毛髪変化が含まれます。 [5]
    • これらは多くが軽〜中等度で、全頭性の完全脱毛よりも「薄毛・部分的脱毛」「質感変化」が中心です。 [5] [2]
  • 免疫チェックポイント阻害薬(PD-1/PD-L1、CTLA-4)

    • 大規模メタ解析では、広義の分子標的・免疫関連薬に伴う全グレード脱毛の発生率は約15%とされますが、個々の薬剤でばらつきがあります。 [1]
    • 免疫療法単独では重い脱毛は比較的少ない印象で、一部で斑状の脱毛(円形脱毛症様)や毛質変化が報告されることがありますが、頻度はBRAF/MEKより低いか同程度、化学療法よりは低いと解釈されます。 [1]

代表的な薬剤ごとの記載例

  • エンコラフェニブ+ビニメチニブ
    • 「部分的な脱毛(髪の薄毛や斑状の抜け)」が起こりうるとされています。 [6]
  • コビメチニブ+ベムラフェニブ
    • 「部分的な脱毛(薄毛・斑状脱毛)」が記載されています。 [2]
  • ベムラフェニブ(単剤の患者向け資料)
    • 髪が乾燥し、折れやすくなり、一部脱毛することがあるとされています。 [3]
  • ダブラフェニブ+トラメチニブ(術後補助療法の患者向け資料)
    • 髪が濃く太くなる、乾燥・縮れ、折れやすい・抜けるなど、毛髪の質や量の変化が幅広く記載されています。 [4]
  • BRAF/MEKクラス全体の皮膚毒性レビュー
    • 有害事象の一つとして軽度の脱毛やその他の毛髪変化が挙げられています。 [5]

どの治療で頻度が高いか

  • 総論では、化学療法が最も脱毛頻度・重症度が高いことが多いです。 [1]
  • BRAF/MEK阻害薬は「軽度〜中等度の部分的脱毛や毛髪変化」が一定の頻度で起こりますが、化学療法と比べると重さは低い傾向です。 [5] [2] [1]
  • 免疫チェックポイント阻害薬単独の脱毛は相対的にまれ〜軽度で、薬剤間ばらつきはあるものの、全体として化学療法より低頻度です。 [1]

回復するか(再生の見込み)

  • 多くのケースで、治療終了後に数週間〜数カ月かけて発毛が再開し、時間とともにボリュームや質感が戻っていくことが期待できます。 [1]
  • 分子標的薬の「部分的脱毛」は、薬剤調整や治療完了後に改善していくことが一般的です。 [2]
  • ただし、回復速度には個人差があり、治療期間が長い場合や他の治療を併用した場合は回復に時間がかかることがあります。 [1]

日常ケアと対処のヒント

  • 髪と頭皮をやさしく扱う(低刺激シャンプー、柔らかいブラシ、熱スタイリング最小化)。 [3]
  • 染毛・ブリーチ・パーマは控えめにし、必要時は主治医に相談。 [3] [4]
  • 乾燥対策(保湿、UV対策の帽子や日焼け止め)で頭皮を守る。 [3]
  • 必要に応じてヘアカットやウィッグ・帽子の活用も検討すると、見た目のストレスを軽減できます。 [3]
  • 抜け毛が目立つ、痛みや赤みを伴う、円形脱毛症のような斑状が拡大するなどの時は、皮膚科・腫瘍内科に相談し、用量調整や支持療法の選択肢を検討します。 [2] [5]

参考のまとめ表

治療カテゴリー脱毛の起こりやすさ脱毛の特徴回復の見込み
化学療法高い全頭性・急速なことが多い多くは治療終了後に再生、期間は個人差大 [1]
BRAF/MEK阻害薬中等度(軽〜中等度が多い)薄毛・部分的脱毛、質感変化(乾燥・縮れる・折れやすい) [5] [2] [3] [4]多くは治療調整・終了後に改善 [2]
免疫チェックポイント阻害薬低〜中(薬剤により差)まれに斑状脱毛など、重症は少ない傾向 [1]多くは時間とともに改善 [1]

よくある不安への回答

  • どのくらいの割合で起こるのか?
    • 分子標的薬や免疫関連薬をまとめた解析では、全体の脱毛(全グレード)発生率は約15%という報告があります(薬剤により大きな幅があります)。 [1]
  • 化学療法と比べてどうか?
    • 分子標的薬はプラセボよりは脱毛リスクが高い一方、化学療法よりは低いと報告されています。 [1]
  • 元に戻るのか?
    • 多くの人で治療終了後に発毛が再開し、数カ月かけて改善していきます。完全な元通りまでの期間は個人差があります。 [1] [2]

必要に応じて、現在受けている具体的な薬の名前を教えていただければ、より詳しい脱毛リスクやケア方法をお伝えできます。

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出典

  1. 1.^abcdefghijklmnopAlopecia in patients treated with molecularly targeted anticancer therapies.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefghi2037-Melanoma metastatic cOBIMEtinib and vemurafenib(eviq.org.au)
  3. 3.^abcdefgPatient information - Melanoma metastatic - Vemurafenib(eviq.org.au)
  4. 4.^abcdPatient information - Melanoma adjuvant - Dabrafenib and trametinib(eviq.org.au)
  5. 5.^abcdef1426-Skin toxicities associated with BRAF and MEK inhibitors(eviq.org.au)
  6. 6.^3600-Melanoma metastatic biNIMEtinib and encorafenib(eviq.org.au)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。