肺がん治療でのしびれはよくある副作用?管理法まとめ
要点:
肺がん治療による「しびれ」は一般的?管理方法は?
肺がんの治療(抗がん剤や免疫療法)では、手足のしびれ・ピリピリ感・痛み・感覚低下などの「末梢神経障害」が比較的よく見られます。これは多くの抗がん剤が末梢神経に炎症・障害を起こすためで、治療中から出ることも、治療後に数か月遅れて出ることもあります。 [1] [2] 一部の免疫療法でも末梢神経のしびれが起こりうち、期間は短期でおさまる場合もあれば、長く続くこともあります。 [3]
何が原因になるのか
- 化学療法(抗がん剤)
代表的にはプラチナ系やタキサン系などが関与し、指先・足先から始まる左右対称の感覚異常が徐々に「手袋・靴下」型に広がることがあります。 [4] しびれは治療中または治療後に出現しうるため「遅発性」に注意が必要です。 [1] [2] - 免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬など)
まれですが、末梢神経の炎症によるしびれや痛み、歩行の不安定などが起こることがあります。 [3] 症状が強い場合は治療の中断やステロイドなどの免疫抑制治療が検討されます。 [PM26]
症状の特徴
- 感覚の異常:しびれ、ピリピリ、焼けるような痛み、触覚低下。 [5] [6]
- 運動の影響:細かい物がつかみにくい、ボタンが留めにくい、歩行時に足裏の感覚が鈍い。 [6] [3]
- 経過:短期間で軽快することもありますが、長期的に残る場合もあります。 [6] [3]
重症度の目安(CTCAEグレード)
- グレード1:無症状または軽度、日常生活への影響はほぼなし。 [7]
- グレード2:中等度で家事など「道具を使う活動」に制限。 [7]
- グレード3:重度で身の回りの基本動作にも制限。 [7]
- グレード4:生命を脅かす状態、緊急対応が必要。 [7]
重症度が上がるほど、抗がん剤の減量・休薬・中止が検討されます。 [4]
診療で行われる評価
- 症状の部位・左右差・広がり方(指先・足先から始まるか)を確認。 [4]
- 生活への影響(転倒リスク、ボタン掛け、筆記、台所作業など)。 [7]
- 併用薬(糖尿病薬など)・基礎疾患(糖尿病、ビタミン不足)も評価します。一般的な指針として、原因の重なりを見極めることが大切です。 [4]
管理の基本方針
薬剤調整
- 症状が進行・持続する場合は、抗がん剤の用量調整や休薬が選択されることがあります。 [4]
- 免疫療法で神経障害が強い場合は一時中断とステロイド等の免疫抑制が検討されます。 [PM26]
薬物療法(症状緩和)
- 痛みやしびれの不快感に対しては、神経痛の薬(例:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬など)が用いられることがあります。医療者が症状に合わせて処方します。 [8]
- 症状が強い場合は、専門外来(疼痛・リハビリ)で薬物とニューロモジュレーションなどを組み合わせることもあります。 [9]
非薬物療法(生活・リハビリ)
- 運動療法:バランス訓練、筋力強化、有酸素運動は、しびれの症状や転倒リスクの改善に役立つことがあります。安全で実践しやすい介入です。 [PM19]
- 理学療法・作業療法:歩行訓練、感覚再教育、道具の使い方の工夫で日常生活の不便を減らします。 [8]
- 皮膚・安全対策:
- 生活習慣:禁煙、過度の飲酒を避けることは神経の健康を保つうえで有益です。 [6] [3]
- 補助療法:一部で鍼(はり)などの補完療法が症状緩和に役立つ場合があります。 [6]
受診の目安(すぐ相談したい症状)
これらがある場合、主治医に早めに相談してください。早期の対応(用量調整・休薬・支持療法)で重症化を防げることがあります。 [4] [6]
よくある質問への短答
- 治療後にしびれが遅れて出ることはある?
はい、化学療法の終了後数か月してしびれが始まることがあります。 [1] [2] - いつまで続く?
個人差があります。短期間で軽快することもありますが、長く残る場合もあります。 [6] [3] - 運動しても大丈夫?
一般的には安全な範囲での運動は推奨され、バランスや筋力の改善に役立ちます。 [PM19] - 免疫療法中のしびれは危険?
まれですが、重い神経障害のことがあり、早期に医療者へ連絡し評価を受けることが大切です。 [PM26] [3]
まとめ
- 肺がん治療では、しびれ(末梢神経障害)は比較的よく起こる副作用です。 [1] [5]
- 薬剤調整・薬物療法・運動や理学療法・安全対策を組み合わせることで、症状の緩和や生活の質の維持が期待できます。 [4] [8] [PM19] [6]
- 症状が強い、進行している、生活に支障が出ている場合は、早めに主治医へ相談してください。 [3] [4]
参考のポイント(患者さん向けセルフチェック)
- しびれの場所(指先・足先)、左右差、痛みの有無をメモする。 [5]
- 日常動作で困る場面(ボタン掛け、ペンを持つ、階段、夜間の歩行など)を書き出す。 [3]
- 寒冷や温熱で悪化しないか、靴や床材の工夫で改善しないか試す。 [6]
管理法の早見表
| 項目 | 具体策 | ねらい |
|---|---|---|
| 用量調整・休薬 | 抗がん剤の減量・一時休薬・変更 | 症状進行の抑制 [4] |
| 薬物療法 | 神経痛薬の処方、疼痛専門外来連携 | 痛み・しびれ緩和 [8] [9] |
| 運動療法 | バランス・筋力・有酸素運動 | 転倒予防・機能改善 [PM19] |
| 理学・作業療法 | 歩行訓練、道具の使い方指導 | 生活の不便軽減 [8] |
| 安全対策 | 保温、やけど・転倒予防、靴の見直し | 合併症予防 [6] [3] |
| 免疫療法時対応 | 早期報告、必要に応じステロイド | 重症化予防 [PM26] |
注意喚起
- 突然の筋力低下、呼吸筋の障害、重度の歩行障害などが出た場合は緊急受診が必要です。免疫療法ではまれに重い神経筋合併症が起こることがあります。 [PM26]
追加で知りたいことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。
関連する質問
出典
- 1.^abcdLung Cancer Chemotherapy, Immunotherapy & Other Systemic Therapies(mskcc.org)
- 2.^abcQuimioterapia, inmunoterapia y otras terapias sistémicas para el cáncer pulmonar(mskcc.org)
- 3.^abcdefghijklmManaging Your Immunotherapy Side Effects(mskcc.org)
- 4.^abcdefghi1743-Anti-cancer drug induced peripheral neuropathy(eviq.org.au)
- 5.^abc국가암정보센터(cancer.go.kr)
- 6.^abcdefghijklmn화학 요법 부작용 관리(mskcc.org)
- 7.^abcdePeripheral neuropathy | eviQ(eviq.org.au)
- 8.^abcdeSupport for Non-Small Cell Lung Cancer(nyulangone.org)
- 9.^abCómo superar el cáncer pulmonar: rehabilitación, seguimiento médico y apoyo(mskcc.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。