白血病治療で発熱はよくある?安全な対処法と受診目安
要点:
白血病治療中の発熱はよくある?安全な対処法と受診目安
白血病の化学療法や造血幹細胞移植の前後では、発熱はよくみられる副作用の一つであり、特に好中球(白血球の一種)が減る時期には感染症のサインとして重要視されます。 [PM22] 好中球減少(好中球数が低い状態)では炎症反応が弱く、発熱だけが唯一のサインとなることが多いため、医療的には「緊急対応」が推奨されます。 [PM20] [PM8]
なぜ発熱が起こりやすいのか
- 感染リスクの上昇:化学療法は好中球を減らし、重症な好中球減少(ANC<0.5×10⁹/L)では重い細菌感染の危険が高まります。 [1]
- 腫瘍関連・治療関連:がんそのものが発熱物質を産生することや、粘膜障害(口内炎・腸炎)からの二次感染も熱の原因になります。 [2]
- カテーテルなど医療器具:中心静脈カテーテル部位の感染が熱の原因になることがあります。 [2]
何度から「受診すべき熱」か
- 好中球減少時の「発熱」の目安:口腔温で38.3℃以上が1回、または38.0℃以上が1時間以上持続すると、好中球減少患者では発熱と定義され、早期の治療が推奨されます。 [1]
- 一般的な基準としても、38.0℃以上は要注意と考えられています。 [1]
すぐに医療機関へ相談すべきサイン
- 38.0–38.3℃以上の発熱が出たとき(好中球減少が予想される時期を含む) [1]
- 悪寒・震え、急な息切れ、ぐったり感、血圧低下が疑われるとき(敗血症の可能性) [PM8]
- カテーテル部位や皮膚の赤み・腫れ・膿、強い咽頭痛や排尿時痛など局所感染の徴候 [2]
初期対応:自宅でできることと医療機関での流れ
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自宅での初動
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医療機関での標準的な評価
- 血液培養などの検査を行い、広域抗菌薬を速やかに開始するのが一般的です(多くの場合1時間以内に初回投与)。 [PM9]
- 低リスクと判定された場合は外来(在宅)での経口抗菌薬治療が検討されます。 [PM9]
- 高リスク(重度好中球減少、全身状態不良、合併症あり)は入院で静注抗菌薬が推奨されます。 [PM8]
抗菌薬治療の考え方(概要)
- 初期治療は「早く広く」:細菌の耐性や重症度を考慮して、広域抗菌薬の早期開始が重要です。 [PM8]
- 外来での低リスク例:経口ニューキノロン(例:レボフロキサシン)+アモキシシリン・クラブラン酸などの組み合わせが用いられることがあります(ペニシリンアレルギーがある場合はクリンダマイシンに置き換え)。 [PM9]
- 入院が望ましい例:静注の広域βラクタム単剤(例:ピペラシリン/タゾバクタム、セフェピム、カルバペネム等)が一般的で、患者の状態や施設の方針で調整します。 [PM21]
- 2–3日で解熱しない場合:抗菌薬の再評価や入院への切り替え、抗真菌薬の検討が必要になります。 [PM9] [PM10]
在宅管理が可能なケースと注意点
- 低リスク群(MASCCスコアなどで評価)では、外来・在宅での経口抗菌薬治療が安全に行える場合があります。 [PM9]
- その際は、毎日のフォロー、明確な受診目安、服薬アドヒアランスの確認が重要です。 [PM29]
- 一部の乳がん外来化学療法の研究では、指示に基づく経口レボフロキサシン先行が高い解熱率を示し、安全に運用できたと報告がありますが、白血病では好中球減少の程度や持続が強く、より慎重な評価が必要です。 [PM31] [PM32]
抗真菌治療・予防のポイント
- 広域抗菌薬で解熱しない持続熱では、経験的抗真菌薬やプレエンプティブ(検査に基づく)抗真菌戦略が検討されます。 [PM10]
- 長期の好中球減少や粘膜障害が予想される場合、抗真菌予防が選択されることがあります(施設・患者リスクに応じて)。 [PM20]
予防策:感染を避けるために
- 手洗いと口腔ケア、皮膚の清潔を心がける。カテーテル部位は毎日観察します。 [2]
- 人混みや感染症流行時の密接接触を避け、マスク・うがいなど基本的な予防を徹底します。 [PM21]
- 発熱のサインを見逃さないよう、体温計を手元に置き、38.0℃以上で連絡する習慣をつけます。 [1]
受診目安のまとめ(チェックリスト)
- 38.0–38.3℃以上の発熱がある。 [1]
- 悪寒・震え、息切れ、ぐったり、意識がぼんやりする。 [PM8]
- カテーテル部位・皮膚・口腔・尿路などに感染の徴候(赤み、腫れ、膿、強い痛み)。 [2]
- 2–3日で解熱しない、または症状が悪化する。 [PM9]
よくある質問
解熱剤は飲んでもいい?
自己判断での解熱剤使用は、感染評価を遅らせる可能性があるため避ける方が安全です。まずは医療機関へ連絡し、指示に従ってください。 [PM8]
何度まで様子見していい?
好中球減少が予想される治療周期では、38.0℃台でも様子見は推奨されません。早めに連絡し評価を受ける方が安全です。 [1]
まとめ
- 白血病治療中の発熱はよく起こりますが、特に好中球減少期は「緊急性のあるサイン」になりやすいです。 [PM22] [PM8]
- 38.0–38.3℃以上の発熱が出たら、速やかに医療機関へ連絡し、検査と広域抗菌薬の早期開始が一般的です。 [1] [PM9]
- 低リスクでは外来経口治療も可能ですが、重症度や合併症の有無で方針が変わるため、担当医の指示に従いましょう。 [PM9] [PM21]
- 解熱しない持続熱では抗真菌治療の検討が必要で、予防策(手洗い・衛生・カテーテル管理)も重要です。 [PM10] [2]
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出典
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。