大腸がん治療で皮膚発疹は一般的?対処法まとめ
大腸がん治療で皮膚発疹は一般的?対処法まとめ
大腸がんの治療では、薬剤の種類によって皮膚発疹(皮疹)が比較的よく見られます。特にEGFR阻害薬(セツキシマブ、パニツムマブ)ではニキビ様の発疹が高頻度で起こり、レゴラフェニブやカペシタビン/5-FUでは「手足症候群」などの皮膚毒性が生じることがあります。これらの副作用は多くの場合、適切なスキンケアや外用薬、内服薬で管理できます。 [1] [2]
皮膚発疹が起こる主な治療薬と特徴
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EGFR阻害薬(セツキシマブ、パニツムマブ)
ニキビ様(ざ瘡様)発疹がよくみられ、治療反応と相関することも報告があります。発疹は顔面・胸部・背部に出やすく、乾燥(皮膚のかさつき)、爪周囲の炎症(爪囲炎)を伴うことがあります。 [1] [PM29] -
レゴラフェニブ(分子標的薬)
手足皮膚反応(Hand-Foot Skin Reaction:手掌・足底の紅斑、痛み、角化)や皮疹が比較的早期(数日〜数週)に生じやすい薬剤です。 [PM7] [3] -
フッ化ピリミジン系(5-FU/カペシタビン)
手足症候群(掌蹠の赤み・痛み・皮むけ)が知られています。 [2] -
オキサリプラチン併用レジメン
皮疹・かゆみ・乾燥肌などの皮膚症状が一定の割合で見られます。重症例は多くないものの注意が必要です。 [4] [5] -
免疫療法(チェックポイント阻害薬)
免疫関連副作用として皮疹やそう痒が起こることがあります。発熱・下痢など他臓器炎症を伴う場合は速やかな評価が必要です。 [6]
症状の見分け方
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ざ瘡様発疹(EGFR阻害薬に多い)
赤いぶつぶつや膿疱が顔・胸・背に出現しやすいタイプで、乾燥やかゆみを伴います。適切な保湿と抗菌外用薬・抗生物質の内服が有効なことがあります。 [PM29] -
手足皮膚反応/手足症候群(レゴラフェニブ、5-FU/カペシタビン)
手のひら・足裏の赤み、痛み、ひりつき、皮むけ。保護・保湿、摩擦の軽減、場合により用量調整が必要です。 [PM7] [2] -
薬剤性蕁麻疹・過敏反応(オキサリプラチン等)
全身性の発疹、呼吸困難、背部痛などを伴うことがあり、点滴時の急性反応として注意します。症状が強い場合は医療機関での緊急対応が必要です。 [7]
重症度別の基本対処
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軽度(生活に支障が少ない)
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中等度(痛み・広い範囲・見た目の負担)
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重度(潰瘍、広範囲のびらん、激しい痛み、発熱や呼吸困難を伴う)
予防のポイント(始める前から)
- 保湿・日光対策のルーティン化:アルコールフリーの保湿剤を毎日、日焼け止めはSPF50+でこまめに再塗布。これだけでも発疹の程度が軽くなることがあります。 [8]
- EGFR阻害薬の予防的スキンケア:モイスチャライザー、低〜中等度外用ステロイド、ドキシサイクリンの予防投与の組み合わせで皮膚毒性とQOL低下を減らせます。 [PM22] [9]
- 刺激の少ない洗浄:弱酸性の洗浄剤、熱い湯や強い擦り洗いは避ける、髭剃りは電気シェーバーに。これは乾燥・刺激悪化の予防になります。 [PM29]
日常生活でできる工夫
- 服は通気性が良く、擦れにくい素材を選ぶ。 [PM29]
- 顔や体は短時間でぬるま湯、入浴後はすぐ保湿。 [PM29]
- 屋外活動は帽子・長袖、汗をかいたらこまめに洗浄→再保湿。 [8]
- 手足症候群がある時は、長時間の歩行や硬い靴底を避ける、インソールやクッションで圧を分散。 [2]
医療機関に相談すべきサイン
- 発疹が急速に広がる、膿・痛みや発熱を伴う。これは二次感染や重度皮膚毒性の可能性があります。 [PM29]
- 水疱・壊死・紫斑などの特殊所見が出る。皮膚科紹介が推奨されます。 [11]
- 点滴中や直後の呼吸困難、めまい、背部痛、蕁麻疹。アレルギー反応の可能性があり、すぐ対応が必要です。 [7]
表:薬剤別に起こりやすい皮膚症状のまとめ
| 薬剤カテゴリ | 主な皮膚症状 | 典型的部位/時期 | 主な対処 |
|---|---|---|---|
| EGFR阻害薬(セツキシマブ、パニツムマブ) | ざ瘡様発疹、乾燥、爪囲炎 | 顔・胸・背/投与後1〜3週 | 保湿、外用ステロイド、外用抗菌薬、ドキシサイクリン予防・治療、日光対策 [1] [PM22] |
| レゴラフェニブ | 手足皮膚反応、皮疹 | 手掌・足底/早期(数日〜数週) | 摩擦/圧迫回避、保湿、鎮痛、必要時の用量調整 [PM7] [3] |
| 5-FU/カペシタビン | 手足症候群 | 手掌・足底/治療中 | 圧・摩擦回避、保湿、症状に応じて用量調整 [2] |
| オキサリプラチン併用 | 皮疹、そう痒、乾燥、まれに過敏反応 | 全身/投与中〜投与後 | 保湿、外用薬、急性反応時は医療機関で対応 [4] [7] |
まとめ
- 皮膚発疹は大腸がん治療で比較的よく起こる副作用で、薬剤により特徴が異なります。早めのケアと適切な薬物療法で多くはコントロール可能です。 [1] [2]
- 予防的スキンケアと抗生物質(ドキシサイクリン)併用はEGFR阻害薬に伴う発疹の重症化を抑える助けになります。 [PM22] [9]
- 症状が強い/急速に悪化する/全身症状を伴う場合は、休薬・減量も含め医療者へ早急に相談してください。 [10] [7]
追加で気になる症状やお薬の名前があれば、詳しく対処法を一緒に整理します。
関連する質問
出典
- 1.^abcdChemotherapy and Other Systemic Therapies for Colon Cancer(mskcc.org)
- 2.^abcdefChemotherapy for colon cancer - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 3.^abcPatient information - Bowel cancer metastatic - Regorafenib(eviq.org.au)
- 4.^abDailyMed - OXALIPLATIN injection, solution(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^↑OXALIPLATIN injection, powder, lyophilized, for solution(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Chemotherapy and Other Systemic Therapies for Colon Cancer(mskcc.org)
- 7.^abcdeChemotherapy for colon cancer - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 8.^abcd1241-Acneiform rash associated with EGFR inhibitors(eviq.org.au)
- 9.^abc1241-Acneiform rash associated with EGFR inhibitors(eviq.org.au)
- 10.^ab2037-Melanoma metastatic cOBIMEtinib and vemurafenib(eviq.org.au)
- 11.^↑1241-Acneiform rash associated with EGFR inhibitors(eviq.org.au)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。