がん治療で皮疹はよくある副作用?対処法まとめ
要点:
がん治療の副作用としての皮疹と管理法
がん治療では、皮疹(発疹)は比較的よくみられる副作用です。 化学療法、分子標的薬、免疫療法、放射線治療など多くの治療が皮膚に影響し、赤いぶつぶつ(丘疹・小斑状)、にきび様の発疹、かゆみ、乾燥、感染などが起こりやすくなります。 [1] [2] 治療薬によって現れ方は異なりますが、抗がん薬全般で最も一般的なのは「紅斑性丘疹性(マクロプルプラ)皮疹」です。 [3]
皮疹が起こるしくみと特徴
- 皮膚は常に新しく入れ替わる「増殖の速い細胞」のため、化学療法や放射線の影響を受けやすく、乾燥・かゆみ・発疹・感染が起こりやすくなります。 [1] [2]
- 分子標的薬(例:EGFR阻害薬など)では「にきび様皮疹」「乾燥」「爪周囲炎」が頻繁にみられ、生活の質に影響することがあります。 [PM10]
- 免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)では、紅斑性丘疹性皮疹や乾癬様・扁平苔癬様発疹、そう痒が比較的多いとされ、初回投与後6週間以内の早期に出ることが少なくありません。 [PM11]
- 放射線治療中は、乾燥・かゆみ・落屑、時に水疱・皮むけや発疹が生じることがあり、既往の強い日焼け部位などで目立つことがあります。 [4]
重症サインと受診の目安
- 皮膚が広範囲に赤く腫れる、強い痛み、びらん・水疱・皮むけがある、発熱を伴うなどは重症の可能性があり、早急に医療者へ連絡してください。 [5]
- まれですが、重篤な皮膚反応(スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症)が起こることがあり、原因薬の再投与は避ける必要があります。 [3]
- 発疹は感染のサインのこともあるため、治療中に新たな発疹を認めたら必ず担当者へ相談しましょう。 [4]
日常ケア(予防と軽症への対応)
- 保湿を徹底:無香料の保湿クリームや軟膏(例:Eucerin、CeraVe、Aquaphorなど)を入浴後すぐにたっぷり塗る。 [6]
- 紫外線対策:SPF30以上の日焼け止め、広いつばの帽子・長袖・長ズボンで肌を保護。 [6] [7]
- 刺激を避ける:強い洗浄剤・熱いシャワー・きつい衣服・摩擦を減らす。肌はやさしく洗い、こすらず押し拭き。
- 爪・手足のケア:爪は短く丸く整え、指先・足裏の保湿を強化。ガーデニング・家事は手袋で保護。 [6]
- かゆみ対策:保湿+冷却、必要に応じて抗ヒスタミン薬の併用を医療者に相談。
医療的な対処(症状の重さに応じて)
- 軽度(グレード1〜2)
- 低〜中等度のステロイド外用薬(例:ヒドロコルチゾン、トリアムシノロン)で炎症とかゆみを抑える。 [PM11]
- にきび様皮疹には、抗菌外用(例:クロラムフェニコールやミノサイクリン系の外用)、低用量の外用ステロイドの併用が検討されます。 [PM24] [PM10]
- 中等度〜重度(グレード2〜3)
- ステロイド外用の強度・塗布範囲を調整し、必要に応じて短期間の内服ステロイドを追加します。 [PM11]
- 二次感染が疑われる場合は、抗生剤の外用・内服を検討します。 [PM24]
- 分子標的薬や免疫療法では、皮膚科と連携した早期介入で治療継続率・生活の質を高められます。 [PM9]
- 重度(グレード4)や重篤皮膚反応の疑い
- 免疫療法は一時中止・入院管理が必要になることがあります。皮膚科へ緊急コンサルトし、全身ステロイドなどの集中的治療を行います。 [PM11]
- SJS/TENの疑いでは、原因薬の再投与は避けるのが原則です。 [3]
治療薬ごとの傾向とポイント
- 化学療法:乾燥・かゆみ・皮膚や爪の脆弱化、発疹が起こりやすいので、保湿と紫外線対策が基本です。 [6] [8]
- 分子標的薬(EGFR阻害薬など):にきび様皮疹・乾燥・爪周囲炎が代表的。予防的スキンケアと早期の外用治療が有効で、治療継続に役立ちます。 [PM10] [PM24]
- 免疫療法:紅斑性丘疹性皮疹・そう痒が多く、軽症は外用ステロイド、重症は内服ステロイド+休薬が一般的です。 [PM11]
- 放射線治療:乾燥・かゆみ・落屑・発疹が出やすく、時に水疱や皮むけも。保湿・ドレッシング・一時的な治療休止が必要なことがあります。 [4]
いつ相談すべきか(チェックリスト)
- 発疹が急速に拡大する、強い痛みや発熱を伴う。 [5]
- 水疱・広範な皮むけ、粘膜(口・目・陰部)まで症状が及ぶ。 [3]
- 黄色い滲出液や悪臭など、感染が疑われるサインがある。 [4]
- 手足や爪周囲の強い炎症・膿、歩行や家事に支障が出る。 [9]
生活の質を保つために
- 早めの相談がいちばんの近道です。皮疹は治療の中断につながることがありますが、適切なスキンケアと早期の薬物治療で多くはコントロール可能です。 [PM9]
- 多職種連携(腫瘍内科・皮膚科・看護)により、中等度以上の皮疹の重症化を防ぎ、治療継続を支えることができます。 [PM9]
- 教育と予防ケアを徹底すると、中等度以上の皮疹の頻度を減らし、重症化を抑えられると報告されています。 [PM10]
まとめ
関連する質問
出典
- 1.^abcSide Effects of Cancer Treatment(mskcc.org)
- 2.^abDermatologic Health(mskcc.org)
- 3.^abcdef1853-Skin rash | eviQ(eviq.org.au)
- 4.^abcdImage-Guided Radiation Therapy(mskcc.org)
- 5.^abcNivolumab(mskcc.org)
- 6.^abcdManaging Your Chemotherapy Side Effects(mskcc.org)
- 7.^↑Side Effects of Cancer Treatment(mskcc.org)
- 8.^↑Treatment for Advanced Breast Cancer(mskcc.org)
- 9.^↑Cómo hacer frente a los efectos secundarios de la quimioterapia(mskcc.org)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。