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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | パーキンソン病で動悸が起こるのはどのくらいの頻度で、原因や受診の目安・対処法は何ですか?

要点:

パーキンソン病では心血管の自律神経障害が一般的で、起立性低血圧が代表的、心拍変動の低下や動悸も起こりえます。薬剤(レボドパ/ドパミン作動薬)の副作用や併存症も原因となるため、検査(起立試験・心電図)と薬剤調整、体位・水分塩分管理、弾性ストッキングなどで対処します。胸痛や息切れ、失神を伴う動悸は救急受診が目安です。

概要

パーキンソン病では、心拍の異常や動悸(心臓がドキドキする感じ)が起こることがあり、背景には自律神経の不調や薬の副作用など複数の原因が関わります。 最も一般的な心血管の自律神経症状は起立性低血圧(立ちくらみ)ですが、心拍の変動や動悸もみられることがあります。 [1] 頻度は症状の定義や検査方法によって幅がありますが、自律神経の心血管症状はパーキンソン病で「よくある」領域と理解され、起立性低血圧は約3割程度で見つかる報告もあります。 [2]


どのくらいの頻度か

  • 自律神経の心血管症状は一般的です。心血管の自律神経障害(起立性低血圧、心拍変動低下など)はパーキンソン病でしばしば認められます。 [1]
  • 起立性低血圧(立位での血圧低下)は代表的で、約3割前後にみられる報告があります(検査や基準により差あり)。 [2]
  • 心拍数の変化(心拍の自律調節の低下)は病初期から関与しうる心臓交感神経の変性と関連しています。 [3]
  • 動悸そのものの「厳密な発生率」を直接示す大規模推定値は限られますが、心血管自律神経障害が一般的であること、薬剤の副作用としての動悸が知られていることから、臨床現場では一定頻度で遭遇します。 [1] [4]

主な原因

自律神経障害(心臓の交感・副交感神経の低下)

  • 心臓交感神経の脱神経(交感神経の機能低下)が病初期から起きうるため、心拍調節が乱れ、動悸や不整脈様の自覚につながることがあります。 [3]
  • 起立性低血圧は最も障害度が高い症状で、立位移行時の血圧と心拍調節の不全が背景です。 [1]

薬剤の影響(レボドパ/カルビドパ、ドパミン作動薬など)

  • レボドパ/カルビドパで「動悸(palpitation)」や血圧変動(低血圧・起立性低血圧・高血圧)などの心血管副作用が報告されています。 [4] [5] [6]
  • ドパミン作動薬でも眠気、めまい、幻覚などに加え、心血管系への影響が出ることがあり、用量や併用薬で増幅しえます。 [7]

併存症や他疾患

  • 動悸が目立ち、早期から強い自律神経障害がある場合は、多系統萎縮症(MSA)など別疾患の可能性を検討することがあります。 [1]
  • 甲状腺機能異常、貧血、電解質異常、心疾患など一般的な原因も鑑別に含まれます。 [8]

誤認しやすい要素

  • 強い手の振戦(ふるえ)の筋電位が心電図で心拍に見える「疑似不整脈」を作ることがあり、真の不整脈との見分けが必要です。 [9]

受診の目安(緊急性)

  • 以下があれば救急受診を検討してください。
    • 胸痛・胸部不快感。 [8] [10]
    • 息切れ・呼吸困難。 [8] [11]
    • 失神・意識消失、強いめまい。 [8] [11]
    • 冷汗や極端な虚弱感を伴う動悸。 [8] [11]
  • 上記ほどは緊急でないが早めの受診が望まれるケース:
    • 動悸が頻繁に起こる、数分以上続く、群発する。 [11] [10]
    • 心疾患の既往やリスク(高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴)があり、動悸が悪化・増加。 [10]
    • 立ち上がり時のめまい・ふらつきが増え、転倒のリスクが高い。 [1]

対処法(セルフケアと医療)

まずできるセルフケア

  • 起立性低血圧が疑わしい場合
    • 立ち上がる動作をゆっくり、段階的に行う。 [1]
    • 水分と塩分を適切に確保(医師の指示範囲で)。 [1]
    • 弾性ストッキングや腹帯で静脈還流を補助。 [1]
    • 就寝時は上半身をやや高くして夜間の血圧上昇(仰臥位高血圧)を抑える工夫。 [1]
  • 動悸時の基本対応
    • 深呼吸、座位や臥位で安静、脱水やカフェイン・アルコールの過量を避ける。 [1]

医療的評価

  • 血圧・心拍の24時間評価や起立試験で自律神経機能を確認します。 [1]
  • 心臓交感神経の評価(心臓イメージングや自律機能検査)により病態把握が可能です。 [3] [1]
  • 心電図やホルター心電図で不整脈の有無を確認し、振戦による擬似信号との区別をつけます。 [9]

薬剤調整と治療

  • レボドパ/カルビドパやドパミン作動薬で動悸や血圧変動が出る場合、用量調整や投与タイミングの見直しが検討されます。 [4] [6] [7]
  • 起立性低血圧が強い場合は、食事・体位など非薬物療法に加えてフルドロコルチゾンやミドドリン、ピリドスチグミン等の薬物療法が用いられることがあります(医師判断)。 [12]
  • 治療中の仰臥位高血圧の併発に注意し、夜間の体位調整などでバランスを取ることが重要です。 [12] [1]

よくある誤解と注意点

  • 「動悸=危険な不整脈」とは限りませんが、胸痛・息切れ・失神を伴えば緊急評価が必要です。 [8] [10]
  • 振戦の影響で心電図が不整脈に見えることがあるため、専門的な読影が重要です。 [9]
  • 自律神経障害は病初期から現れることがあり、運動症状より先行するケースもあるため、「年齢やストレスのせい」と決めつけず評価を受けることが望ましいです。 [3]

まとめ

パーキンソン病では、心血管の自律神経障害が一般的で、起立性低血圧が代表的、心拍変動の低下や動悸も起こりえます。 [1] [3] 薬剤(レボドパ/カルビドパ、ドパミン作動薬)の副作用で動悸や血圧変動が出ることもあり、用量や併用の見直しが役立つ場合があります。 [4] [6] [7] 胸痛・息切れ・失神を伴う動悸は救急受診の目安で、起立性低血圧が疑われる場合は体位や水分塩分管理、弾性ストッキングなどの対策が有効です。 [8] [10] [1] 必要に応じて自律機能検査・心電図(ホルター)・心臓交感神経の評価を行い、治療で生活の質を高めることが期待できます。 [1] [3]


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出典

  1. 1.^abcdefghijklmnopqCardiovascular autonomic dysfunction in Parkinson's disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abAutonomic dysfunctions in parkinsonian disorders.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefAutonomic dysfunction in Parkinson disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^Carbidopa and Levodopa Tablets, USP(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcCARBIDOPA AND LEVODOPA tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcParkinson's disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  8. 8.^abcdefgHeart arrhythmia - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  9. 9.^abcPalpitations and narrow-complex tachycardia.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcdeHeart palpitations-Heart palpitations - Symptoms & causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  11. 11.^abcdHeart palpitations: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  12. 12.^ab[Cardiovascular disorders in Parkinson's disease].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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