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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | パーキンソン病では頭痛はどの程度みられる症状で、起こりやすい頭痛のタイプや原因、受診の目安は何ですか?

要点:

パーキンソン病では頭痛は主症状ではなく全体頻度は一般より低めですが、みられる場合は片頭痛の比率が相対的に高いとされます。原因として一次性頭痛の併存、治療薬(MAO-B阻害薬・ドーパミン作動薬・レボドパなど)の副作用、姿勢や頸部筋緊張、睡眠・脱水などが考えられます。突然の激しい頭痛や神経症状・高熱・外傷後は救急受診を、増悪や市販薬で改善しない、薬の変更後の新規頭痛は早めの受診を推奨します。

パーキンソン病と頭痛:頻度・タイプ・原因・受診の目安

パーキンソン病での頭痛は「よくある主症状」ではないものの、一部の方にみられ、薬の副作用や併存する一次性頭痛(偏頭痛・緊張型頭痛など)が関与することがあります。 [1] パーキンソン病の方は過去1年の頭痛頻度が一般の方より低い傾向が報告されていますが、実際に頭痛がある場合は偏頭痛の割合が相対的に高いことが示されています。 [1]


頻度の目安

  • 全体としては頭痛の頻度は一般人口より低めとする研究があります(過去1年の頭痛あり:PD 40.8%、対照 69.4%)。 [1]
  • 一方で、頭痛を経験しているパーキンソン病の方では、緊張型頭痛よりも偏頭痛の比率が高い傾向が示されています。 [1]
  • 以前の調査では、男性のパーキンソン病患者で中等度~重度の偏頭痛が多いという報告もあります。 [2]

これらは集団データの傾向であり、個人差が大きい点に留意が必要です。 [1]


起こりやすい頭痛のタイプ

  • 偏頭痛(片頭痛):拍動性の痛み、吐き気、光・音過敏を伴いやすいタイプで、PDの方で相対的に多いとされています。 [1]
  • 緊張型頭痛:頭全体の締め付け感・肩や首のこりに伴うことが多い、一般的な頭痛タイプです。 [3]
  • 群発頭痛:目の周囲が極めて強く痛み、涙や鼻水など自律神経症状を伴う発作性頭痛で頻度は低いですが重症です。 [3]

原因として考えられること

一次性頭痛(偏頭痛・緊張型など)

  • PDそのものとは独立した、一般的な頭痛疾患が併存している場合があります。 [3]
  • 一部では、偏頭痛を中年期に持つ方が後年にパーキンソン症状を持つ関連が示唆されており、両者に共通の脆弱性がある可能性が指摘されています。 [4] [5] [6]

薬剤による影響(副作用)

  • MAO-B阻害薬(例:セレギリン、ラサギリン)では、頭痛や吐き気、不眠、混乱などが副作用としてみられることがあります。 [7]
  • ドーパミン作動薬(例:プラミペキソール、ロチゴチン、アポモルヒネ)では、めまい、吐き気、傾眠、幻覚などの副作用があり、頭痛を訴える方もいます。 [8] [9]
  • レボドパ/カルビドパ製剤でも、臨床試験で頭痛が少数ながら報告されています(約2%前後)。 [10] [11]
  • ロピニロールでは、頭痛の報告率がプラセボより高い試験データがあります(PD試験:ロピニロール17%、プラセボ12%)。 [12] [13]

その他の要因

  • 睡眠障害・ストレス・脱水など一般的な誘因。
  • 頸部筋緊張や姿勢変化(PDによる姿勢前傾や筋剛性)に伴う筋緊張型の痛み。 [3]
  • 検査後の一過性頭痛(髄液検査など)もあります。 [14]

頭痛と左右差の特徴(参考)

  • PDの運動症状が最初に出た側と同側に頭痛が出やすい傾向を示した報告があります(頭痛側がPD初発側と同側:84%)。 [1]
  • これは一部の方にみられる特徴で、すべての方に当てはまるわけではありません。 [1]

受診の目安(緊急性のサイン)

以下のサインがある場合は救急受診を検討してください。命に関わる原因の可能性があるため迅速な評価が必要です。 [15] [16]

  • 突然発症で非常に強い頭痛(“人生最悪”の頭痛)。 [15] [16]
  • 高熱(39–40℃台)、意識混乱・理解困難、失神。 [15] [16]
  • 片側のしびれ・脱力、言葉が出にくい、視覚障害、歩行困難、項部硬直(首の強いこわばり)。 [15] [16]
  • 頭部外傷後に続く頭痛。 [17]

次のような場合は早めに医療機関へ相談しましょう。 [18] [19]

  • 頭痛が以前より頻回・強度が増している。 [18] [19]
  • 通常の市販薬で改善しない、長引く。 [18] [19]
  • 薬の変更後に新たな頭痛が出現した、他の副作用(吐き気、幻覚、不眠など)を伴う。 [7] [8] [9]

実践的な対処法

  • 薬手帳の確認と主治医への共有:新規薬剤開始や用量変更の後に頭痛が増えた場合、薬剤性の可能性を検討します。 [7] [8] [9]
  • 生活習慣の調整:十分な水分、規則的な睡眠、カフェインの過剰摂取を避ける、肩・首のストレッチで筋緊張を軽減。 [3]
  • 市販薬の活用:アセトアミノフェンなどは短期的な鎮痛に一般的ですが、併用禁忌(特にMAO-B阻害薬と一部薬剤の併用)があり得るため、自己判断の長期連用は避け、必ず主治医・薬剤師に確認してください。 [7]
  • 偏頭痛の予兆管理:光・音・匂い・睡眠不足など誘因を把握し、発作早期に適切な薬を使用できるよう計画を立てる。 [3]

データ比較:薬剤と頭痛の報告

下表は、パーキンソン病治療薬における「頭痛」関連の報告の一例です。個々の製品・用量・試験条件で異なるため、目安として参照してください。 [10] [11] [12] [13] [7] [8] [9]

薬剤カテゴリ臨床試験・情報における頭痛の記載
レボドパ/カルビドパ即放性・徐放性製剤頭痛の報告は約2%前後(試験による)。 [10] [11]
ドーパミン作動薬ロピニロールPD試験で頭痛:ロピニロール17%、プラセボ12%。 [12] [13]
ドーパミン作動薬プラミペキソール・ロチゴチン・アポモルヒネ副作用としてめまい、吐き気、傾眠、幻覚等があり、頭痛を訴えることも。 [8] [9]
MAO-B阻害薬セレギリン・ラサギリン副作用として頭痛、吐き気、不眠、混乱などの可能性。 [7]

まとめ

  • パーキンソン病では頭痛の全体頻度は一般より低い傾向がある一方、頭痛がある場合は偏頭痛が目立つことがあります。 [1]
  • 薬剤の副作用としての頭痛や、姿勢・筋緊張・睡眠の問題などが関与しうるため、発症時期・誘因・薬の変更歴を整理して主治医へ相談することが大切です。 [7] [8] [9] [10] [11]
  • “突然・非常に強い頭痛”や神経症状を伴う頭痛は救急受診を考慮してください。 [15] [16] [17]

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdefghiPrevalence of headache in patients with Parkinson's disease and its association with the side of motor symptom onset.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^A survey of headache in Parkinson's disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdefDiagnosing and understanding adult headache.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^Midlife migraine and late-life parkinsonism: AGES-Reykjavik study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^Midlife migraine and late-life parkinsonism: AGES-Reykjavik study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^Midlife migraine and late-life parkinsonism: AGES-Reykjavik study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcdefgParkinson's disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  8. 8.^abcdefParkinson's disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  9. 9.^abcdefParkinson's disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  10. 10.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
  11. 11.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
  12. 12.^abcROPINIROLE HYDROCHLORIDE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  13. 13.^abcROPINIROLE HYDROCHLORIDE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  14. 14.^Parkinson's test (a-Synuclein seed amplification assay)(mayoclinic.org)
  15. 15.^abcdeHeadache When to see a doctor(mayoclinic.org)
  16. 16.^abcdeHeadache When to see a doctor(mayoclinic.org)
  17. 17.^abHeadaches in adults(mayoclinic.org)
  18. 18.^abcHeadache When to see a doctor(mayoclinic.org)
  19. 19.^abcHeadache When to see a doctor(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。