
PubMedの資料に基づく | パーキンソン病ではめまいはどのように起こりやすく、考えられる原因や受診の目安、日常でできる対処法は何ですか?
パーキンソン病のめまいは、起立性低血圧、薬の副作用、バランス低下が主因で、頭位で悪化する場合はBPPVも考えられます。突然の激しい頭痛や麻痺、失神などがあれば救急受診を、繰り返す・長引く場合は早めに神経内科や耳鼻科で評価を。日常ではゆっくり立つ、水分・塩分(医師の指示で)、弾性ストッキング、頭側挙上、誘因回避、薬の見直し、リハでの転倒予防が有効です。
パーキンソン病の「めまい」:起こりやすい場面、主な原因、受診の目安、日常でできる対処法
パーキンソン病では、めまい(ふらつき・立ちくらみ・回転性のめまいなど)が比較的よく見られます。特に立ち上がった直後の血圧低下(起立性低血圧)による「立ちくらみ」や、バランス機能の低下によるふらつきが起こりやすく、薬の副作用が重なることもあります。これらは病気そのものの自律神経機能の障害や薬剤の影響などが関与します。 [1] [2]
よく起こる状況と特徴
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立ち上がり直後の立ちくらみ(起立性低血圧)
パーキンソン病では、自律神経の障害で姿勢変化に伴う血圧調整がうまくいかず、立位で血圧が急に下がることがあります。これにより、立ち上がり直後に目の前が暗くなる、ふらつく、失神しそうになるといった症状が出やすいです。 [1]
同時に、長時間横になった後に急に立つなども誘因になります。 [1] -
バランス機能の低下によるふらつき
神経系(脳・脊髄・末梢神経)の病気は、時間とともに悪化するバランス障害を引き起こし、歩行時の不安定さや転倒のリスクを高めます。パーキンソン病もこのグループに含まれます。 [2] -
薬の影響によるめまい
一部の抗パーキンソン薬(ドパミンアゴニストなど)では「めまい・立ちくらみ」が副作用として比較的よく見られ、用量調整期や増量時に目立ちます。 [3]
例えばロピニロールでは、めまいがプラセボより有意に多く報告されており、起立性低血圧と関連することがあります。 [4] [5] -
耳石の問題(良性発作性頭位めまい症:BPPV)
パーキンソン病の方でも回転性のめまい(頭位変換で悪化)が一定割合で見られ、BPPVが隠れている場合があります。頭の位置を変えた時にグルグル回る感じが典型的で、治療用の頭位変換法で改善が期待できます。 [6]
主な原因(複数の可能性)
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起立性低血圧(自律神経障害・神経原性起立性低血圧)
パーキンソン病では自律神経の障害により立位で血圧を維持するノルアドレナリン反応が不十分となり、めまい・ふらつき・失神傾向が生じます。病期を通じて頻度は高く、症状が出る方も少なくありません。診察では臥位・坐位・立位での血圧測定が重要です。 [7] -
薬剤性のめまい
ドパミンアゴニストや他の抗パーキンソン薬で「めまい」「立ちくらみ」「眠気」「幻覚」などの副作用が出ることがあり、用量調整や併用薬の見直しが必要になる場合があります。 [3]
ロピニロールなどのドパミンアゴニストではめまいの発現率が高めで、起立性低血圧と関連することがあります。 [4] [5] -
バランス障害(神経系の要因)
パーキンソン病そのものが体幹の安定性を損ない、歩行時のふらつきや転倒につながることがあります。 [2] -
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
頭位で誘発される回転性めまいがある場合は、耳石の病気が潜んでいる可能性があり、適切な検査(Dix-Hallpike)と頭位治療で改善することがあります。 [6]
受診の目安(緊急性と一般受診)
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すぐ受診が必要なサイン(救急受診を検討)
次のような症状を伴うめまいは、重大な病気の可能性があり、至急受診が望ましいです。 -
一般的な受診のタイミング
繰り返す、急に強く出る、長く続く、原因がはっきりしないめまいは、早めに神経内科や耳鼻科での評価を受けましょう。 [9]
パーキンソン病ではめまいが新たに増えた場合、薬の副作用や起立性低血圧の悪化が考えられるため、薬の見直しと血圧チェックが重要です。 [3] [7]
日常でできる対処法(セルフケアと生活の工夫)
起立性低血圧対策
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ゆっくり動く・段階的に立ち上がる
座位→足踏み→ゆっくり立位の順で急な姿勢変化を避けると、立ちくらみを減らしやすいです。 [1] -
水分と塩分の確保(医師の許可の範囲で)
十分な水分摂取を心がけ、医師の指示があれば適度な塩分補給も検討されます。起立性低血圧の非薬物療法として一般的です。 [7] -
弾性ストッキング・腹帯の利用
下肢に血液が溜まるのを防ぐ圧迫衣類(弾性ストッキング、腹帯)は、立位の血圧維持に役立つことがあります。 [7] -
就寝時の頭側挙上
ベッドの頭側を少し高くすることで、夜間の血圧変動(仰臥位高血圧)と日中の起立性低血圧の両方に配慮できます。 [7] -
誘因の回避
長時間の起立、熱いシャワーや浴槽、脱水、過度の飲酒は悪化要因になり得ます。過度のアルコールはめまい・立ちくらみを強めるため控えめにしましょう。 [10]
薬の見直し
- 副作用のチェックと用量調整
めまい・立ちくらみ・眠気・幻覚などが出た場合は、自己判断で中止せず、処方医と相談して用量調整や薬の切り替えを検討します。 [3]
ドパミンアゴニストでめまいが多いため、増量期は慎重なモニタリングが必要です。 [4] [5]
バランス・転倒予防
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歩行環境の整備
段差・滑りやすい床・暗所を避け、手すりの設置・杖の活用などで安全性を高めましょう。バランス低下は転倒の主因になります。 [2] -
理学療法・リハビリ
体幹・下肢の筋力とバランス訓練は、ふらつき改善や転倒予防に役立ちます。症状に合わせた運動プログラムを専門家と相談しましょう。 [2]
耳石性めまい(BPPV)への対応
- 頭位で回転性めまいが誘発される場合
耳鼻科・神経内科での評価(Dix-Hallpike)を受け、頭位治療(リポジショニング法)を行うと高率に改善が期待できます。 [6]
医療機関での評価・治療のポイント
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血圧評価(臥位・坐位・立位、3分立位)
起立性低血圧の有無を見るため、姿勢ごとの血圧測定を行い、必要に応じて24時間血圧モニタリングをします。 [7] -
非薬物療法の指導
教育、体位工夫、十分な水分摂取などを組み合わせることで、症状軽減が期待できます。 [7] -
薬物療法(専門医の管理下)
症状が強い場合、塩補充、フルドロコルチゾン、ミドドリン、ピリドスチグミンなどが選択肢になります。ドロキシドパは立位血圧・日常活動・転倒の改善が示され、短期的な有効性と忍容性が確認されています。長期効果は今後の検証が続いています。 [7] -
非運動症状の包括的管理
パーキンソン病では自律神経・睡眠・精神・消化器などの非運動症状がQOLに大きな影響を与えるため、多職種での包括的な見直しが推奨されます。めまいも、薬の調整で改善することが多いです。 [11] [12]
まとめ
- パーキンソン病のめまいは、起立性低血圧・薬剤の副作用・バランス障害が主な原因で、耳石性めまい(BPPV)が隠れているケースもあります。 [7] [3] [2] [6]
- 突然の強い症状や神経症状を伴うめまいは救急受診を検討し、繰り返す・長引く・原因不明のめまいは早めに受診して評価を受けましょう。 [8] [9]
- ゆっくり立つ、水分・塩分(指示範囲で)、弾性ストッキング、頭側挙上、誘因回避、薬の見直し、リハビリなど、日常の工夫で症状を軽減できる可能性があります。 [7] [3] [10] [2]
よくある質問への簡潔回答
関連する質問
出典
- 1.^abcdParkinson's disease - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 2.^abcdefgSymptoms and causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 3.^abcdefghParkinson's disease - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 4.^abcROPINIROLE HYDROCHLORIDE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abcROPINIROLE HYDROCHLORIDE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdeBenign paroxysmal positional vertigo in Parkinson's disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcdefghijklNeurogenic orthostatic hypotension in Parkinson's disease: evaluation, management, and emerging role of droxidopa.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^abcdefDizziness When to see a doctor(mayoclinic.org)
- 9.^abcSymptoms and causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
- 10.^ab(dailymed.nlm.nih.gov)
- 11.^↑Clinical review of treatment options for select nonmotor symptoms of Parkinson's disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 12.^↑[Detection and management of non-motor symptoms in Parkinson's disease: impact on their prevalence].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


