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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 多発性硬化症では、しびれはどの部位に出やすく、発症の仕方(突然か徐々か)、持続期間、再発の傾向などにどのような特徴がありますか?

要点:

多発性硬化症のしびれは手足・顔・体幹などに出やすく、脳・脊髄の病変部位により分布が決まります。典型的には24~48時間で徐々に出現・悪化し、数日~数週間続いて回復し、再発寛解を繰り返します。進行型では症状が持続・固定化しやすく、熱や疲労で一時的に増悪しても24時間未満は再発とはみなしません。

多発性硬化症の「しびれ」の特徴:部位・発症様式・持続期間・再発の傾向

多発性硬化症(MS)の「しびれ(感覚異常・しびれ感/異常知覚)」はとても一般的な症状で、手足や顔などの末梢側、体幹、脊髄や脳幹に対応する部位に出やすく、病変の場所により分布が変わります。MSの症状は“炎症による発作(再発)”として数日~数週間で新規に出現し、その後部分的~完全に回復する経過をたどることが典型的です。 [1] [2]


出やすい部位(分布)

  • 四肢(腕・脚)に出ることが多く、左右どちらか一側だけ、あるいは両側に出ることがあります。これは脊髄や大脳の感覚路が障害されるためです。 [1]
  • 顔面や口周囲のしびれもありえます。脳幹・三叉神経路などの病変で説明できます。 [1]
  • 体幹(胸~腹部)に帯状の感覚異常を訴えることもあり、脊髄の病変による感覚レベル(ある高さから下がしびれる)として自覚される場合があります。 [1]
  • 項部前屈で背中~体幹へ電撃様の感覚(ルルミット徴候)が走ることがあり、頸髄後索の病変に伴う特徴的な感覚症状です。 [3]

こうした分布は、中枢神経(脳・脊髄)のどの部位に脱髄炎症が起きたかにより決まります。 [1]


発症の仕方(突然か徐々か)

  • 典型的なMSの再発による感覚症状は、24~48時間かけて“徐々に悪化しながら新たに出現”し、数日~数週間持続するのが一般的です。急激な数分~数時間での完全発症よりも、「数日で立ち上がり、ピークに達し、その後回復へ向かう」という炎症性の時間経過を示します。 [4] [5]
  • 初発のエピソード(臨床的孤発症候群)でも同様に、数日で悪化→1~2週間程度で底(ピーク)→数週間で回復という経過が参考になります。 [5]

つまり、“突然数秒・数分で始まりすぐ消える”タイプのしびれはMSの再発としては非典型的で、別の原因(末梢神経障害、一過性脳虚血など)も考慮されます。 [1]


持続期間と回復

  • 持続期間は数日~数週間が多く、多くのケースで部分的~完全に改善します。 [2] [4]
  • ただし、回復が不完全で“残存症状(後遺症)”が残ることもあるため、再発を重ねるほど慢性的な感覚低下や異常感覚が固定化する可能性があります。 [5] [1]

再発の傾向(再発寛解型・進行型)

  • 最も一般的な病型は再発寛解型(RRMS)で、新しい症状(再発)が数日~数週間で出現し、その後寛解(症状の軽減・消失)を挟みながら繰り返すのが特徴です。しびれもこの再発の一要素として現れます。 [2] [6]
  • 二次進行型(SPMS)では、再発を経験した後に徐々に症状が進行し、しびれや感覚低下が徐々に固定化・悪化していくことがあります。 [7] [6]
  • 原発進行型(PPMS)でははっきりした再発・寛解を示さず、緩徐に悪化し、感覚症状も持続的に進む傾向があります。 [7] [1]

しびれと併発しやすい感覚症状

  • しびれ(異常知覚)と感覚低下(触覚・痛覚・振動覚の低下)が同じ領域で併存することがよくあります。これはMSの病変が複数の感覚線維を同時に障害するためです。 [8]
  • 疼痛や電撃様感覚、ぴりぴり・チクチク感など、しびれの質は多様です。 [3]
  • 温度・疲労・発熱・ストレスで一時的に症状が強まることがありますが、24時間未満の一過性増悪は“再発”とはみなされません。 [9]

臨床での見分け方のポイント

  • MSらしい時間経過:数日で出現・悪化→数週間で改善というパターン。 [4] [5]
  • 分布の特徴:末梢神経の支配域と異なり、「レベル感」(ある高さより下がしびれる)や多巣性(複数部位)の出方をすることがある。 [1]
  • 他症状の合併:視力低下(視神経炎)、筋力低下、歩行バランス障害、膀胱症状などが同時期・過去に見られる場合、MSをより示唆します。 [1]
  • 寛解と再発の繰り返し:同様のパターンが月~年単位で反復する。 [2] [6]

まとめ

  • しびれは、手足・顔・体幹などに出やすく、病変の部位に応じて分布が変わります。 [1]
  • 発症は「突然数分」ではなく、ふつうは24~48時間で徐々に悪化して数日~数週間持続し、その後回復に向かうことが多いです。 [4] [5]
  • 再発寛解型が最も多く、しびれは再発の一症状として繰り返され、病型が進むと持続・固定化しやすくなります。 [2] [7]
  • 一過性の増悪(24時間未満)は再発とはみなされず、熱や疲労で悪化しやすい一時的な“擬似再発”のことがあります。 [9]

もし現在のしびれが「数日かけて悪化し、1~2週間でピーク、その後徐々に改善」している、または過去に同様のエピソードを繰り返している場合、MSの活動性(再発)を疑う手がかりになりえます。 [4] [2]

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出典

  1. 1.^abcdefghijkMultiple sclerosis: diagnosis, differential diagnosis, and clinical presentation.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefSymptoms and causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  3. 3.^abMultiple sclerosis - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  4. 4.^abcdeMultiple sclerosis - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcdeDiagnosing and managing multiple sclerosis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcMultiple sclerosis update.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcMultiple Sclerosis(mayoclinic.org)
  8. 8.^Paraesthesiae in multiple sclerosis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abTypes of Multiple Sclerosis(nyulangone.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。