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2026年2月15日5分で読める

WHOの資料に基づく | 中皮腫の症状として皮疹(発疹)は見られますか?見られる場合、その特徴(見た目・分布・かゆみの有無)や頻度、他の原因や治療副作用との鑑別点は何ですか?

要点:

中皮腫で皮疹は典型的ではありませんが、まれに皮膚転移や傍腫瘍性血管炎が生じ、治療(化学療法・免疫療法・放射線)による発疹は比較的よく見られます。転移は硬い結節として、血管炎は四肢の紫斑・紅斑と掻痒として、薬剤性は広範な紅斑・丘疹や乾燥として現れます。治療開始時期や分布、病変形態で鑑別し、結節は生検で確認します。

中皮腫と皮疹(発疹):起こりうる皮膚症状、頻度、見た目、鑑別のポイント

中皮腫そのものによる皮疹は一般的ではありませんが、いくつかの形で皮膚症状が現れることがあります。主に「皮膚転移(がん細胞の皮膚への浸潤)」や「傍腫瘍性(パラネオプラスティック)皮膚病変」、そして「治療(化学療法・免疫療法・放射線)に伴う副作用の皮疹」が想定されます。中皮腫の“典型症状”は胸痛・呼吸困難・体重減少などであり、皮疹は主要症状ではない点は押さえておくとよいでしょう。 [1] [2]


起こりうる皮疹のタイプ

1) 皮膚転移(cutaneous metastasis)

  • 見た目・分布:新たに出現する硬い結節や腫瘤として現れ、顔面や体幹、四肢などに多発することがあります。まれですが、既知の中皮腫患者に新規皮膚病変が出た場合は転移の可能性を念頭に置きます。 [3]
  • 経過:原発(胸膜)から離れた遠隔皮膚転移として報告があり、数年後に出現することもあります。 [4]
  • 重要ポイント:中皮腫患者に新しい皮膚結節が出たら、組織検査(生検)で確定する必要があります。 [5]

2) 傍腫瘍性(パラネオプラスティック)皮膚病変

  • 代表例:白血球破砕性血管炎(leukocytoclastic vasculitis)による紅斑・紫斑・かゆみのある発疹が、まれに中皮腫の初発所見として報告されています。 [6]
  • 症状の特徴:四肢の紅斑・紫斑(点状出血のような見た目)、しばしば掻痒(かゆみ)を伴います。 [7]
  • 鑑別のコツ:生検で血管炎の所見を確認し、慢性・再発性なら悪性腫瘍の検索を行うことが推奨されます。 [8] [9]

3) 治療に伴う皮疹(化学療法・免疫療法・放射線)

  • 化学療法(例:シスプラチン+ペメトレキセド、ベバシズマブ併用など)では、赤くてブツブツした発疹(丘疹性)、皮膚の乾燥、かゆみが比較的よく見られます。保湿や日光防御が推奨されます。 [10] [11]
  • 同様に、カルボプラチン+ペメトレキセドでも乾燥・発疹・掻痒が出ることがあり、保湿・遮光・掻破回避が基本ケアです。 [12]
  • 免疫療法でも発疹やかゆみは代表的な副作用で、早期介入で安全に管理できることが多いです。 [13]
  • 化学療法全般では、発赤、掻痒、乾燥、表皮剥離、光過敏、手足の紅斑(手足症候群)や爪の変化など多彩な皮膚変化が生じえます。 [14]
  • 放射線治療部位では紅斑・乾燥・皮膚炎が出ることがあり、鎮痒・鎮痛薬や外用で軽減し、照射終了後は回復が見込めます。 [15]

頻度について

  • 中皮腫全体の症状として皮疹は「稀」です。主症状は呼吸器症状(胸痛・呼吸困難)や全身症状(体重減少・疲労感)であり、皮膚症状は主要項目ではありません。 [1] [2]
  • 皮膚転移は中皮腫でも「まれ」とされますが、文献報告は存在し、皮膚や軟部組織への遠隔転移が起こりうることが示されています。 [3] [4]
  • 傍腫瘍性皮膚病変(血管炎など)も「稀」ですが、初発や再発のシグナルになることがあり注意が必要です。 [6] [8]
  • 一方、治療関連の皮疹は比較的よく見られるため、治療中の発疹はまず薬剤性や放射線性を疑うのが一般的です。 [10] [11] [12] [15] [14] [13]

見た目・分布・かゆみの有無:まとめ表

下表は、臨床でよく遭遇するパターンの「全体像」を比較したものです。

区分見た目分布かゆみ補足
皮膚転移硬い結節・腫瘤、時に紅色〜皮膚色、増大傾向顔面・体幹・四肢など多発もまちまち(強い痛みは少ないことも)新規結節は生検で確認が必要。 [3] [4] [5]
傍腫瘍性血管炎紅斑・紫斑(点状〜斑状)、時に疼痛・掻痒四肢優位、左右対称もあり得る(掻痒を伴う例あり)生検で血管炎所見、慢性・再発なら悪性腫瘍検索。 [6] [8]
化学療法性発疹赤いブツブツ(丘疹性)、乾燥、軽度落屑顔・体幹・四肢など広範よくある(乾燥に伴う)保湿・遮光・掻破回避、必要時ステロイド外用。 [10] [11] [12] [14]
免疫療法性発疹紅斑~丘疹、時に蕁麻疹様びまん性に出ることもあり得る早期介入で安全管理、重症時は休薬・ステロイド。 [13]
放射線皮膚炎照射野の紅斑・乾燥・皮膚炎照射部位に限定あり得る照射終了後に改善傾向。 [15]

鑑別のポイント(「中皮腫そのもの」か「治療副作用」か)

  • 時期・関連性

    • 治療開始後に発疹が出た場合は、まず薬剤性(化学療法・免疫療法)や放射線皮膚炎を考えます。保湿や遮光などのスキンケアで軽快することが多く、必要に応じて外用ステロイドや抗ヒスタミン薬が用いられます。 [10] [11] [12] [15] [14] [13]
    • 治療と無関係な時期に新たな硬い皮膚結節が出現した場合は皮膚転移の可能性があり、画像評価や生検による確定診断が推奨されます。 [3] [5]
  • 形態・分布

    • 結節・腫瘤が単発または多発し増大傾向なら転移を疑います。 [3] [4]
    • びまん性の紅斑・丘疹、乾燥、掻痒で広範囲なら薬剤性の皮疹が考えやすいです。 [10] [11] [12] [14]
    • 紫斑性(点状出血様)で四肢優位なら血管炎を想起し、生検での確認を検討します。 [6]
  • 伴随症状

    • 発熱・悪寒・息苦しさ・めまいなどを伴う急性発疹はアレルギー反応の可能性があり、早めの医療相談が必要です。 [16]
  • 組織学的鑑別

    • 薬疹は多様な炎症パターンをとりうるため、投薬歴との時間的関連が最重要です(好酸球の関与はヒントになりますが特異的ではありません)。 [17] [18]
    • 傍腫瘍性皮膚病変は皮膚だけではなく悪性腫瘍の検索・再評価を促すサインとなり得ます。 [8] [9]

実務的な対応

  • 新規の皮膚結節・腫瘤が出たら、早めに皮膚科・腫瘍内科で相談し、生検を含む評価を検討します。皮膚転移は稀ですが、中皮腫で報告があります。 [3] [4] [5]
  • 治療中の広範な紅斑や掻痒は、保湿(無香料)、日光防御(SPF50)、掻かないなどセルフケアが基本で、必要に応じて外用ステロイド・抗ヒスタミン薬が考慮されます。 [10] [11] [12]
  • 放射線部位の皮膚炎は、照射野限定で出現するため区別しやすく、照射終了後は改善傾向です。 [15]
  • 免疫療法中の発疹は早期介入で安全管理可能ですが、重症化リスクもあるため、悪化や広がりがある場合は早めの受診が安心です。 [13]

まとめ

  • 中皮腫の“典型症状”として皮疹は一般的ではありませんが、皮膚転移・傍腫瘍性病変・治療関連の皮疹は起こりえます。 [1] [2]
  • 頻度は全体として稀ですが、治療関連の皮疹は比較的よくみられます。 [10] [11] [12] [15] [14] [13]
  • 新規の結節性皮膚病変は転移の可能性があるため、生検での確認が重要です。 [3] [5]
  • 広範な紅斑・掻痒・乾燥は薬剤性を第一に考え、保湿・遮光・掻破回避を基本に管理します。 [10] [11] [12] [14]

ご自身では、最近の治療内容や発疹の出現時期・見た目(結節か紅斑か)、分布(照射部位限定か全身か)、かゆみの程度をメモしておくと、医療機関での鑑別にとても役立ちます。

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出典

  1. 1.^abcMalignant mesothelioma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abc악성 중피종(Malignant mesothelioma) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  3. 3.^abcdefgLate cutaneous metastases to the face from malignant pleural mesothelioma: a case report and review of the literature.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdeDistant cutaneous metastasis of pleural malignant mesothelioma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcdeMalignant mesothelioma: diagnosis by skin biopsy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcdParaneoplastic leukocytoclastic vasculitis as an initial presentation of malignant pleural mesothelioma: a case report.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Paraneoplastic leukocytoclastic vasculitis as an initial presentation of malignant pleural mesothelioma: a case report.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcdCutaneous paraneoplastic syndromes.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^ab[Paraneoplastic dermatoses].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcdefghPatient information - Mesothelioma - Cisplatin and pemetrexed(eviq.org.au)
  11. 11.^abcdefghPatient information - Mesothelioma - Cisplatin, pemetrexed and bevacizumab(eviq.org.au)
  12. 12.^abcdefghPatient information - Mesothelioma - Carboplatin and pemetrexed(eviq.org.au)
  13. 13.^abcdefTratamiento contra el cáncer con inmunoterapia(mskcc.org)
  14. 14.^abcdefg항암치료 · 항암화학요법 부작용 | 의학정보 | 가톨릭대학교 가톨릭혈액병원(hematology.kr)
  15. 15.^abcdef국가암정보센터(cancer.go.kr)
  16. 16.^Patient information - Mesothelioma - Carboplatin, pemetrexed and bevacizumab(eviq.org.au)
  17. 17.^Drug-induced cutaneous pathology.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  18. 18.^Drug-induced exanthemata: a source of clinical and intellectual confusion.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。