
PubMedの資料に基づく | 中皮腫では発熱はどのくらいの頻度でみられ、どのような特徴がありますか?
要点:
中皮腫では発熱が胸膜型・腹膜型のいずれでも一定頻度でみられ、胸膜中皮腫では初診時約10%が発熱で受診、腹膜中皮腫でも有意症状として報告されています。特徴は38℃以上の発熱に悪寒・発汗を伴うほか、FUOとして持続することがあり、IL-6など炎症性サイトカインの関与が示唆されます。治療中の発熱は好中球減少性発熱など重篤な感染の可能性があるため、速やかな連絡・受診が推奨されます。
中皮腫における発熱の頻度と特徴
中皮腫では、発熱は主症状の一部としてみられることがあり、胸膜中皮腫でも腹膜中皮腫でも報告されています。特に腹膜中皮腫の臨床シリーズでは、発熱が初診時の有意な症状として挙げられています。 [1] 胸膜中皮腫の大規模臨床解析でも、初診時に発熱で受診した例が一定割合存在します。 [2] なお、患者向けの治療情報では、治療中の発熱(38℃以上)に注意が必要とされ、感染・好中球減少など治療関連要因も加わるため、症状の背景を慎重に見極める必要があります。 [3] [4]
発熱の頻度
- 胸膜中皮腫の臨床シリーズ(310例)では、初診時の臨床所見として「発熱で受診」が約10%にみられたと報告されています。 [2]
- 腹膜中皮腫の多施設研究(81例)では、初診時症状群の中に発熱が含まれ、統計学的に「有意な変数」として挙げられています(多変量では嘔吐のみが独立有意だが、発熱は単変量で有意)。 [1]
- 個別症例報告でも「原因不明の発熱(FUO)」が中皮腫の臨床的マスクとなることがあり、診断に難渋する一因となるとされています。 [5] [6]
これらから、発熱は中皮腫の初期・進行期いずれでも一定頻度で認められうる症状といえます。 [2] [1]
発熱の特徴(パターンと随伴症状)
- 患者教育資料や臨床現場では、38℃以上の発熱、悪寒・戦慄・発汗を伴うケースに注意喚起がなされます。 [3] [4]
- 腹膜中皮腫では、長く続く微熱〜高熱の持続がみられ、FUOとして感染症や膠原病の精査に進むことがあるため、腫瘍随伴熱の可能性も考慮されます。 [5] [6]
- 胸膜中皮腫の患者向け治療資料では、咳、息切れ、速い心拍、胸痛など呼吸器症状と併存することがあり、発熱出現時は重篤な合併症(感染・好中球減少など)を見逃さない姿勢が強調されています。 [7] [3] [4]
病態生理(なぜ発熱するのか)
- 中皮腫では、腫瘍細胞からのIL-6(インターロイキン-6)産生が報告されており、体重減少・血小板増加・発熱などの全身症状に関与すると示唆されています。 [8]
- 動物モデルでは、腫瘍増大に先行して血中IL-6上昇が検出され、抗IL-6抗体投与やインターフェロンα投与で臨床症状(含む全身炎症反応)が軽減することが示されています。 [8]
- こうした知見から、炎症性サイトカイン(特にIL-6)による腫瘍随伴熱が中皮腫の発熱機序の一端を担う可能性があります。 [8]
治療中の発熱(注意点)
- 化学療法(カルボプラチン/シスプラチン+ペメトレキセド、ベバシズマブ併用など)では、38℃以上の発熱や悪寒があれば速やかな連絡・受診が推奨されます。これは好中球減少性発熱(重篤な感染リスク)の早期検出が目的です。 [3] [4]
- 発熱は腫瘍随伴だけでなく、薬剤性、感染症、胸水関連合併症でも生じうるため、背景の鑑別(採血、血液像、感染評価、画像)が重要です。 [3] [4]
併存症状と経過の目安
- 胸膜中皮腫では、呼吸困難や胸痛、乾性咳嗽の増悪に伴って全身症状(発熱、発汗、倦怠感)がみられることがあります。 [9]
- 腹膜中皮腫では、腹痛、腹囲増大、体重減少、食欲低下、腹水と併発する形で発熱が出現することがあり、診断は画像・腹水細胞診・腹腔鏡/生検で確定します。 [1]
まとめ
- 中皮腫における発熱は、胸膜型でも腹膜型でも一定頻度で認められる症状で、胸膜中皮腫の臨床シリーズでは初診時約1割が発熱で受診しています。 [2]
- 特徴として、38℃以上の発熱と悪寒・発汗がみられうるほか、FUO(原因不明の発熱)として長期に持続する場合もあります。 [3] [4] [5]
- 機序にはIL-6などの炎症性サイトカインが関与しうることが示唆されています。 [8]
- 化学療法中の発熱は、好中球減少性発熱を含む重篤な感染のサインになり得るため、38℃以上なら即連絡・受診が望まれます。 [3] [4]
参考データ一覧(構造化情報)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 胸膜中皮腫の初診時「発熱で受診」頻度 | 約10.2%(310例解析) [2] |
| 腹膜中皮腫の初診時症状としての発熱 | 有意症状群に含まれる(単変量で有意) [1] |
| FUOとしての発熱報告 | 症例報告で記載(診断困難の一因) [5] [6] |
| 治療中の注意すべき発熱 | 38℃以上、悪寒・発汗、息切れ等で速やかに連絡・受診推奨 [3] [4] |
| 発熱の病態生理 | IL-6産生が全身症状(発熱等)に関与する可能性 [8] |
中皮腫に関連する発熱のことで、最近体温や症状に変化はありましたか?
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出典
- 1.^abcdeMalignant peritoneal mesothelioma: a multicenter study on 81 cases.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcde[An analysis of 310 cases of pleural mesothelioma].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdefghPatient information - Mesothelioma - Carboplatin and pemetrexed(eviq.org.au)
- 4.^abcdefghPatient information - Mesothelioma - Cisplatin, pemetrexed and bevacizumab(eviq.org.au)
- 5.^abcdFever of unknown origin: a clinical mask of malignant peritoneal mesothelioma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abc[Diagnosis and therapy of malignant peritoneal mesothelioma].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^↑Patient information - Mesothelioma - Cisplatin, pemetrexed and bevacizumab(eviq.org.au)
- 8.^abcdeInterleukin-6 involvement in mesothelioma pathobiology: inhibition by interferon alpha immunotherapy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 9.^↑국가암정보센터(cancer.go.kr)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


