
WHOの資料に基づく | 悪性黒色腫(メラノーマ)では、しびれが症状として現れることはありますか?
要点:
皮膚に発生した早期のメラノーマ自体が、しびれを直接引き起こすことは一般的ではありません。しびれは、病勢進行による脳・脊髄・末梢神経への転移や、化学療法・免疫療法など治療の副作用で生じることがあります。新たな神経症状があれば早めに受診し、皮膚病変のABCDEサインにも注意してください。
悪性黒色腫(メラノーマ)で「しびれ」は起こるのか
結論として、皮膚に発生した早期のメラノーマそのものが、直接「しびれ(しびれ感・感覚低下)」を引き起こすことは一般的ではありません。 メラノーマの典型的な初期サインは、ほくろや黒い斑の形・色・境界・大きさ・変化(ABCDE)であり、多くの場合かゆみや痛みなどの自覚症状は目立たないのが特徴です。 [1] [2] ただし、病勢が進み、脳・脊髄・神経に転移した場合には、神経症状として「しびれ」や感覚障害、筋力低下が現れることがあります。 [3] [4]
メラノーマの典型症状(皮膚病変の段階)
この段階では、しびれは典型的症状ではありません。 [1] [2]
しびれが生じ得る状況:転移や神経浸潤
- 脳転移によるしびれ・麻痺
メラノーマは進行すると、リンパ節・肝臓・肺・骨・脳などに転移しやすく、脳機能に影響すると、体の一部の「しびれ」や筋力低下、言語・視覚などの障害が生じることがあります。 [3] [4] - 脊椎・脊髄への転移や原発まれな脊髄メラノーマ
脊椎・脊髄に病変が及ぶと、背部痛に加え、下肢の感覚障害(しびれ)、筋力低下などの神経症状が出ることがあります。 [5] まれな例ですが、脊髄内原発メラノーマでも感覚障害が報告されています。 [6] - 末梢神経への浸潤(ペリニュラルスプレッド)
稀ですが、腫瘍が神経を伝って広がることで、顔面や四肢に「しびれ」や痛みが出ることがあり、三叉神経への浸潤による顔面の感覚異常の症例も報告されています。 [7]
こうした神経系の巻き込みは進行例に多く、予後不良のサインとなることがあります。 [8]
治療に関連する「しびれ」:薬剤性末梢神経障害
メラノーマそのものではなく、治療(抗がん剤・免疫療法)によって「しびれ」が起こるケースがあります。
- 化学療法による末梢神経障害
多くの抗がん剤で、手足のしびれ(ピリピリ)、感覚低下、細かい作業のしづらさなどの症状が出ることがあります。 [9] 累積用量や既存の神経障害、糖尿病などがリスクを高めます。 [10] - 免疫チェックポイント阻害薬・分子標的薬に伴う神経毒性
稀ではありますが、免疫療法(例:イピリムマブ)で、ギラン・バレー様症状や感覚運動ニューロパチー、脊髄炎などの神経系有害事象が起こることがあり、重症例では治療中止やステロイド、血漿交換などの対応が必要になります。 [11]
また、抗PD-1治療後のBRAF阻害薬(ベムラフェニブ)で、急性脱髄性多発根ニューロパチー(AIDP)が出現した報告もあり、しびれ・筋力低下に注意が必要です。 [12]
まとめ:しびれの意味合い
- 早期の皮膚メラノーマでは、しびれは“典型症状”ではないと考えられます。 [1] [2]
- しびれがある場合は、
- 新たな神経症状(片側のしびれ、進行する感覚低下・筋力低下、歩行障害、顔面の感覚異常など)が出た場合は、早めの評価が大切です。画像検査(頭部・脊椎MRI)、神経診察、必要に応じて電気生理検査などが検討されます。 [4] [5]
皮膚病変の自己チェックと受診の目安
- ほくろ・斑の変化(ABCDE)がある、もしくは新しく黒い斑点ができて形や色が変わる場合は、皮膚科・がん専門医での評価や生検(組織検査)を検討しましょう。 [1] [2]
- 神経症状(しびれ)の併発があるときは、転移評価を含む全身チェックが望ましいです。 [3] [4]
補足:日本人で多い発生部位と注意点
日本人では、足の裏や爪(手足の末端部)に生じるタイプが比較的多く、紫外線との関連が薄いことが知られています。 [13] 背中・胸・脚など全身どこにでも発生しうるため、部位に関わらずABCDEサインに注意することが重要です。 [13]
しびれがあるときのセルフケアのヒント
- 経過を記録(発症時期、左右差、広がり、痛みの有無、筋力低下の有無)をメモする。
- 安全対策(ボタン掛けや小物の扱いが難しい場合は道具を活用、熱湯・鋭利物の扱いに注意)。 [9]
- 治療中は主治医に早めに相談(用量調整や支持療法で軽減できる場合があります)。 [10] [9]
よくある誤解への短い回答
- 「しびれがある=必ずメラノーマの症状」ではありません。皮膚のメラノーマ自体の初期症状としては非典型です。 [1] [2]
- ただし、転移や治療の影響ではしびれが起こりうるため、無視せず相談することが大切です。 [3] [4] [9]
参考ポイント(要旨)
- 皮膚メラノーマの初期サイン:ABCDE、かゆみ・痛みなどの自覚症状は乏しいことが多い。 [1] [2]
- しびれは、転移(脳・脊椎・末梢神経)や薬剤性末梢神経障害で出現しうる。 [3] [4] [5] [7] [9] [10] [11] [12]
- 日本人では足裏・爪など末端部の発生が比較的多い。 [13]
しびれの部位や、併発する症状(力が入りにくい、言葉が出にくい、視野の欠けなど)について教えていただければ、受診の優先度や検査の方向性をもう少し具体的にお伝えできますか?
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出典
- 1.^abcdefghijkl국가암정보센터(cancer.go.kr)
- 2.^abcdefg국가암정보센터(cancer.go.kr)
- 3.^abcdefMelanoma(mskcc.org)
- 4.^abcdefgSigns & Symptoms of Brain Metastases(mskcc.org)
- 5.^abcdSymptomatic metastatic malignant melanoma to the spine.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^↑Primary spinal cord melanoma - a case report.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcTrigeminal melanoma metastasis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^↑Neurologic complications of cancer and its treatment.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 9.^abcdef1743-Anti-cancer drug induced peripheral neuropathy(eviq.org.au)
- 10.^abcd1743-Anti-cancer drug induced peripheral neuropathy(eviq.org.au)
- 11.^abcAtypical neurological complications of ipilimumab therapy in patients with metastatic melanoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 12.^abcSevere cutaneous and neurologic toxicity in melanoma patients during vemurafenib administration following anti-PD-1 therapy.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 13.^abc악성 흑색종(Malignant melanoma) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


