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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 肝硬変で体重減少はよく見られる症状ですか?

要点:

肝硬変では栄養不良や代謝異常、食欲低下により体重減少がしばしば起こり、サルコペニアを伴いやすく予後にも悪影響を及ぼします。近況の体重・筋量の客観的評価を行い、十分なカロリーと高タンパク、夜間の軽食、必要に応じたBCAA補助と安全な運動で早期に介入することが推奨されます。

肝硬変では体重減少(やせ)は「よく見られる」傾向があります。多くの方で栄養不良(タンパク質・エネルギーの不足)や筋肉量の低下(サルコペニア)が進み、結果として体重が落ちやすくなります。これは生存率や合併症のリスクにも影響する重要な所見と解釈されます。 [1] 体重減少は脂肪だけでなく筋肉の減少を伴うことが多く、見逃されやすい一方で予後に強く関係します。 [2]

なぜ体重が減りやすいのか

  • 代謝の変化と栄養不足: 肝硬変ではエネルギーとタンパク質の代謝が乱れ、十分に食べても体がうまく栄養を使えず、飢餓に近い状態(タンパク質・エネルギー栄養不良)になりやすいです。 [1] この状態は筋肉分解を促し、サルコペニア(筋肉量低下)につながります。 [3]
  • 食欲低下・吸収障害: 食欲の低下、腹水や消化不良などによって食事量が減り、栄養の吸収も落ちるため、エネルギー不足が進みます。 [4] 腹水やむくみがある場合は食事の制限(塩分制限など)が必要になり、結果的に摂取量がさらに減ることもあります。 [5]
  • 運動量の低下: 倦怠感や合併症により身体活動が減り、筋力低下が進みやすくなります。 [3]

サルコペニアと予後

サルコペニア(骨格筋の量と力の低下)は肝硬変では非常に頻度が高い「見えにくい合併症」で、死亡率、生活の質(QOL)、感染や手術などのストレスへの抵抗性、肝移植後の成績に不利に働きます。 [2] 体重減少が続くとサルコペニアの進行を示唆することがあり、早期の評価と対策が重要です。 [1]

まず行うべき評価

  • 栄養評価: 近頃の体重変化、BMI、筋肉量(可能ならCTやMRIでの筋面積測定)などを総合的にチェックします。 [2] 主観的な栄養評価だけでは不十分なことが多く、客観的な評価法の導入が勧められます。 [2]
  • 合併症の確認: 腹水、肝性脳症(意識障害の一種)、静脈瘤出血などの有無は食事・運動の方針に影響します。 [1]

栄養療法の基本

  • 十分なカロリー: 炭水化物を主にしてエネルギーを確保し、必要に応じて脂質も適度に摂ります(過度な脂質制限は避ける)。 [6] 小分けにして回数を増やす、夜食(遅い時間の軽食)を取り入れることが推奨され、夜間の筋分解を抑える助けになります。 [1]
  • 高タンパク食: 多くの方では1.2~1.5 g/kg/日のタンパク質を目安にします(肉、魚、卵、豆腐など)。 [6] ただし肝性脳症がある場合は一時的にタンパク質の種類や量を調整することがあります。 [4]
  • ビタミン・ミネラル: 野菜・果物を十分に摂り、必要に応じて補助食品を併用します。 [4] 肝機能障害では微量栄養素不足が起きやすいので意識的な補充が大切です。 [5]
  • 塩分管理: 腹水やむくみがある場合は減塩(目安として食塩5g/日以下)で水分貯留を抑えます。 [5]
  • 分岐鎖アミノ酸(BCAA): BCAAは肝硬変で低下しやすいアミノ酸で、維持療法として栄養状態や合併症リスクの改善に役立つ可能性が示されています。 [7] 一部の研究で抗分解(筋分解抑制)効果が示唆され、長期的な栄養補助として検討されますが、個別調整が必要です。 [8]

運動療法のポイント

適切な栄養を前提に、軽~中等度の運動で筋量と筋力の維持・改善を目指します。 [3] ただし門脈圧亢進(静脈瘤など)がある場合、過度な負荷は出血リスクを高める可能性があり、医療者と相談しながら安全な範囲で行うことが重要です。 [1]

体重減少に気づいたら

  • 2~3週間で体重の継続的な低下や、服のサイズが緩くなる、握力低下、階段が辛くなるなどの兆候が続く場合、早めに栄養評価と治療計画の見直しを受けましょう。 [2] 早期介入が予後改善につながります。 [1]
  • 食事回数を増やす、消化しやすい食品を選ぶ、夜食を取り入れる、BCAA補助食品の検討など、生活に組み込みやすい方法から始めるのも有効です。 [1] [7]

まとめ

  • 肝硬変では体重減少は珍しくなく、栄養不良とサルコペニアが背景にあることが多いです。 [1] 体重減少は予後に関わる重要サインなので、見過ごさず評価・対策を進めることが大切です。 [2]
  • 栄養の最適化(十分なカロリー、適切なタンパク質、夜食、ビタミン・ミネラルの補充、必要に応じたBCAA)と安全な運動の組み合わせが推奨されます。 [6] [7] [3]
  • 腹水や肝性脳症などの合併症がある場合は、食事内容・運動の強度を医療者と相談しながら調整しましょう。 [4] [5]

参考の食事ポイント(例)

  • 炭水化物中心にエネルギー確保(ご飯、パン、麺、いも類など)+適度な脂質。 [6]
  • 1日複数回の小分け食と遅い時間の軽食(夜食)。 [1]
  • 良質のタンパク源(魚、肉、卵、豆腐、乳製品)をこまめに。 [4] [6]
  • 野菜・果物でビタミン・ミネラルを補う。 [4]
  • 腹水・むくみがあれば減塩。 [5]
  • 必要に応じてBCAA補助食品の利用を検討。 [7]

このように、肝硬変では体重減少はしばしば見られ、放置せず計画的な栄養・運動介入で対処することが勧められます。 [1] [2]

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出典

  1. 1.^abcdefghijkMalnutrition in cirrhosis: contribution and consequences of sarcopenia on metabolic and clinical responses.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdefgClinical relevance of sarcopenia in patients with cirrhosis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdNutrition and exercise in the management of liver cirrhosis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdef간경화식 | 식사요법 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  5. 5.^abcde영양정보 : 화순전남대학교병원(cnuhh.com)
  6. 6.^abcdeDiet - liver disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  7. 7.^abcdRole of branched-chain amino acids in management of cirrhosis and hepatocellular carcinoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^Branched chain amino acid therapy in liver disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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