Medical illustration for PubMedの資料に基づく | 肝硬変に伴って視力低下やかすみ目などの視覚障害が起こることはありますか? - Persly Health Information
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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 肝硬変に伴って視力低下やかすみ目などの視覚障害が起こることはありますか?

要点:

肝硬変自体が直接視力低下やかすみ目を起こすことは一般的ではありませんが、ビタミンA不足、栄養不良、肝性脳症、黄疸などを介して間接的に視覚症状が出ることがあります。夜盲や乾燥性角結膜炎、稀な色覚異常が報告されており、眼科受診と主治医による栄養評価(特にビタミンA・亜鉛)が有用です。ビタミンAの自己補充は肝毒性の恐れがあるため医療者の管理下で行いましょう。

肝硬変と視覚障害の関係:起こりうるメカニズムと注意点

肝硬変そのものが直接「視力低下」や「かすみ目」を引き起こす典型的疾患ではありませんが、肝硬変に伴う栄養不良や代謝異常、合併症を通じて、間接的に視覚症状が現れることがあります。特に、ビタミンA不足(低ビタミンA血症)による夜盲(暗い場所で見えにくい)や角膜・結膜の乾燥障害、稀には色覚異常などが報告されています。 [1] [2] さらに、肝機能低下や黄疸による全身状態の悪化、脳機能障害(肝性脳症)などは混乱・認知機能低下をきっかけに視覚的不快感として自覚される場合があります。 [3] [4]


よくある間接的な原因

  • ビタミンA不足(夜盲・角膜障害)
    肝臓はビタミンAを貯蔵・代謝する重要な臓器で、肝硬変では貯蔵能力の低下や吸収不良、食事摂取不足が重なりビタミンA不足を来しやすくなります。 [5] その結果、夜盲や結膜・角膜の乾燥(乾燥性角結膜炎:キセロフタルミア)、表層点状角膜炎などが生じ、かすみ目・見えにくさの自覚につながることがあります。 [2] 実際、肝硬変患者を前向きに調べた研究では、約半数近くに眼科的所見がみられ、血中レチノール結合タンパク(RBP)低値は低ビタミンAによる眼症状と有意に関連していました。 [1]

  • 色覚異常(稀)
    小規模研究ですが、肝硬変で後天性の色覚異常が増える可能性が示唆されています。視力・視野や眼圧などは正常でも、色の識別に障害が出る例が報告されています。 [6] [7]

  • 肝性脳症による視覚関連の自覚
    肝性脳症は肝病変に伴う脳機能障害で、意識混濁・思考低下・異常行動などがみられますが、見え方の違和感や集中困難として自覚されることがあります。急な混乱や反応低下は救急受診が勧められます。 [3]

  • 黄疸や全身症状による間接的影響
    黄疸は白目の黄染や体調悪化を伴い、眼の不快感や見え方の変化を訴えることがあります。黄疸は肝硬変の代表的な徴候のひとつです。 [8] [9]


注意したいポイント

  • サプリの自己使用は慎重に
    ビタミンAは視覚に重要ですが、過剰摂取は肝毒性や頭痛・視界のぼやけ(霧視)を招くことがあり、肝疾患では特にリスクが高まります。補充は医療者の監督下で、血液検査(ビタミンAやRBP)や栄養評価に基づき行うのが安全です。 [10] [11]

  • 眼症状が持続・悪化する場合
    夜間の見えにくさ、かすみ目、充血や痛み、視力の急な低下などが続く場合は、眼科受診と肝疾患の主治医への相談を併行することが望ましいです。栄養状態(ビタミンA・亜鉛・蛋白)評価や、眼表面の検査(角膜・結膜)で原因が絞れます。 [5] [1]


肝硬変の代表的合併症と視覚との関連の整理

肝硬変の主な合併症は消化管静脈瘤出血、腹水、黄疸、肝性脳症、腎障害、肝細胞癌などで、直接の眼科合併症は一般的ではありません。ただし、これらの全身状態悪化に伴い、眼の乾燥、かすみ、色覚異常、夜盲などの間接的な視覚影響が生じうる、という理解が適切です。 [4] [8]


実用的な対策

  • 栄養評価と是正
    肝硬変では栄養不良が多く、ビタミンA・亜鉛の不足が視覚機能に影響します。主治医のもとで栄養評価と必要な補充を検討しましょう。過量のビタミンAは禁物です。 [5] [10]

  • 眼科的チェック
    夜間視力低下、かすみ目、目の乾き・痛みがある場合は、角膜・結膜の評価や必要に応じた色覚検査を受けると原因が見つかりやすいです。 [6] [2]

  • 肝性脳症の兆候に注意
    急な混乱、異常行動、強い眠気、呼びかけに反応しにくいなどがあれば、緊急の医療機関受診が推奨されます。 [3]


まとめ

  • 肝硬変で視力低下やかすみ目が「直接」起こるのは一般的ではありませんが、ビタミンA不足や全身状態の変化を通じて間接的な視覚障害が生じることはあります。 [1] [2]
  • 特に夜盲、角膜・結膜の乾燥障害、稀な色覚異常が報告されており、栄養評価と眼科受診が有用です。 [6] [5]
  • 自己判断でのビタミンAサプリの大量摂取は肝毒性と視覚症状悪化のリスクがあり、医療者の管理下での補充が安全です。 [10] [11]

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出典

  1. 1.^abcdSerum retinol binding protein as an indicator of vitamin A status in cirrhotic patients with night blindness.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcd[Xerophthalmia in liver cirrhosis. Correct diagnosis after 15 years].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcHepatic encephalopathy - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  4. 4.^abCirrhosis: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  5. 5.^abcdVitamin A and zinc metabolism in alcoholism.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcOcular function in cirrhosis of the liver.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^Ocular function in cirrhosis of the liver.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abCirrhosis - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  9. 9.^Cirrhosis(medlineplus.gov)
  10. 10.^abcVitamin A(mskcc.org)
  11. 11.^abVitamin A(mskcc.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。