
PubMedの資料に基づく | 肝硬変で動悸が起こる原因と、受診の目安は何ですか?
肝硬変では門脈圧亢進による血管拡張で心拍数・心拍出量が増える過動的循環、肝硬変性心筋症、そして自律神経障害が重なり動悸を引き起こします。胸痛・息切れ・失神などを伴う動悸や処置後の強い動悸は救急受診の目安で、反復・持続する場合は肝臓と循環器の評価を早めに受けましょう。
肝硬変で動悸が起こる理由と受診の目安
肝硬変では、循環(血のめぐり)や心臓の働きに複数の変化が起こりやすく、これらが重なって動悸(心拍の速さ・乱れを自覚する症状)につながることがあります。肝硬変は門脈圧(肝臓へ向かう静脈の圧)が高くなることで全身の血管が拡張し、心拍数や心拍出量が増える「過動的循環(ハイパーダイナミックサーキュレーション)」を呈しやすく、これが動悸の一因になります。 [1] また、肝硬変では「肝硬変性心筋症(cirrhotic cardiomyopathy)」と呼ばれる、ストレス時に顕在化する心収縮・拡張機能の低下やQT延長など電気的異常がみられ、これも不整脈や動悸につながります。 [2] さらに、自律神経の不調(自律神経障害)が進行とともに増え、循環の反応性が落ちるため、心拍の調整がうまくいかず動悸が出やすくなります。 [3] つまり、肝硬変の動悸は「血管の拡張による心拍数上昇」「心筋機能・電気的異常」「自律神経の不調」といった複数要因が重なることで起こりやすいと理解できます。 [4] [5]
動悸の主なメカニズム
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過動的循環(ハイパーダイナミック)
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肝硬変性心筋症(心機能・電気伝導の異常)
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自律神経障害
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体液バランス・合併症の影響
よくある誘因・悪化要因
- 発熱や感染(腹膜炎、肺炎など)で心拍数が上がる。 [5]
- 大量腹水穿刺やTIPS、手術といった「循環に負荷のかかる処置」。 [4]
- 低血圧・脱水、電解質異常(特に低カリウム、低マグネシウム)は不整脈の誘因。 [4]
- 過度の運動やストレスで潜在的な心機能低下が顕在化。 [4]
- 一部薬剤(例:ACE阻害薬・ARB)は循環に影響しうるため、肝硬変では慎重投与が必要。 [4]
受診の目安(どんなときに受診・救急が必要?)
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次のような「危険サイン」がある場合は、速やかな救急受診を検討してください。
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上記ほど緊急性が高くない場合でも、肝硬変があり動悸が続く・繰り返すときは、早めに消化器(肝臓)専門医と循環器の両方で評価を受けることをおすすめします。 [4] ストレス心エコーや心電図、電解質チェック、利尿薬やβ遮断薬の見直しなどが検討されます。 [2] [4]
診断・チェック項目(医療機関で行われること)
- 心電図(不整脈、QT延長の確認)。 [2]
- 心エコー(収縮・拡張機能、潜在的な心筋症の評価)。 [4]
- 採血(電解質、腎機能、炎症反応)と体液バランス評価。 [4]
- 必要に応じて負荷試験(ストレスで心機能が隠れ異常を示すことがある)。 [4] 肝硬変性心筋症は安静時に正常でも、負荷で機能低下が明らかになります。 [4]
日常でできる対策・予防のヒント
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体調管理
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誘因を減らす
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服薬の見直し
まとめ
肝硬変の動悸は、門脈圧亢進に伴う過動的循環、肝硬変性心筋症(心機能・電気的異常)、自律神経障害などが複合的に関与して起こりやすい症状です。 [1] [2] [3] 胸痛・息切れ・失神などの危険サインを伴う動悸は救急受診の目安であり、緊急性が低くても反復・持続する場合は肝臓と心臓の両面からの評価が望まれます。 [4] [5] 適切な検査と体液管理・薬剤調整により、動悸の原因特定と安全な対処が期待できます。 [4] [2] [5]
関連する質問
出典
- 1.^abcd[Hyperdynamic circulation in patients with liver cirrhosis and portal hypertension].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 2.^abcdefghiThe heart and the liver.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdAutonomic dysfunction in cirrhosis and portal hypertension.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefghijklmnopqrstuvCardiovascular complications of cirrhosis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcdefghiCardiovascular changes in cirrhosis: pathogenesis and clinical implications.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


