Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | 肝硬変の症状として背中の痛みは起こりますか?起こる場合の特徴や受診の目安を教えてください。 - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月16日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | 肝硬変の症状として背中の痛みは起こりますか?起こる場合の特徴や受診の目安を教えてください。

要点:

肝硬変の典型症状に背中の痛みは含まれませんが、腹水の増加、肝被膜下病変、筋肉内血腫、肝細胞癌の脊椎転移などで生じることがあります。発熱、腹部膨満の急変、消化管出血、しびれや筋力低下などの神経症状があれば早急に受診してください。鎮痛薬は主治医と相談し、アセトアミノフェンの用量管理とNSAIDs回避が推奨されます。

肝硬変で背中の痛みは起こるのか:特徴と受診の目安

肝硬変そのものでは、典型的な初期症状に「背中の痛み」は含まれないことが多いです。肝硬変は長期の肝障害で進む病気で、主な症状は黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、腹水(お腹に水がたまる)、むくみ、かゆみ、極度の疲れ、食欲低下、消化不良、出血しやすさなどが中心です。 [1] [2] ただし、合併症や関連疾患がある場合には背中や腰に痛みが現れることがあり、その際は注意が必要です。 [1] [3]


肝硬変の一般的な症状

  • 黄疸、強いかゆみ、皮膚の小さな血管が広がって見える(蜘蛛状血管腫)、手のひらの赤み(手掌紅斑)、筋肉のやせ、腹水、足のむくみ、出血傾向などがみられます。 [1] [4]
  • 進行すると、食道・胃の静脈瘤からの消化管出血、肝性脳症(意識混濁や錯乱)、腎機能低下などの重い合併症を起こすことがあります。 [1] [3]

これらは背中の痛みよりも頻度が高い「肝硬変らしい」症状です。 背中の痛みのみが単独で肝硬変のサインになることは一般的ではありません。 [1] [2]


背中・腰の痛みが起こりうるケース(肝硬変関連)

肝硬変に伴って、次のような状況で背中や腰の痛みが出ることがあります。いずれも早めの評価が推奨されます。

1) 腹水や肝腫大による牽引痛・放散痛

腹水が増えると腹圧が高まり、体幹の姿勢が変わったり、胸・腹・背部に不快感や痛みが放散することがあります。 [5] 腹水が新たに出現、あるいは急に増えたときは受診の目安になります。 腹水の増加に発熱や腹痛を伴う場合は、自然発生性腹膜炎の可能性があり緊急対応が必要です。 [5] [6]

2) 肝被膜下の液体貯留(血腫・膿瘍・胆汁漏)

肝の表面(被膜下)に血や膿、胆汁がたまる稀な状態では、右上腹部の痛みが背部に放散することがあります。 [7] 急な痛み増悪や発熱、圧痛を伴う場合は重症感染や出血のサインになりえます。 [7]

3) 筋肉内血腫(腸腰筋血腫)

肝硬変では凝固異常(出血しやすい状態)があり、転倒や軽微な外傷を契機に腸腰筋などに血腫が生じて、強い腰痛・背部痛・股関節痛を来すことがあります。 [8] 腸腰筋血腫は稀ですが重症化しうるため、持続する腰痛や可動痛、貧血の進行、足のしびれがあれば早急に評価が必要です。 [9] [8]

4) 肝細胞癌(HCC)の骨・脊椎転移

肝硬変の一部で肝細胞癌が合併し、稀に脊椎や硬膜外腔へ転移して新規の頸・背部痛、しびれ、歩行障害などの神経症状が出ることがあります。 [1] [10] 新たな背部痛に神経症状(感覚異常、筋力低下、排尿排便障害)が伴えば、速やかな画像検査が望まれます。 [10]


受診の目安(赤旗サイン)

次の状況があれば、一般的に早急な受診が勧められます。救急受診が望ましいケースも含みます。

  • 背中・腰の痛みに加えて、発熱(38.0–38.3℃以上)や寒気がある。 [5] [11] [12]
  • 腹部の膨満や圧痛が新たに出現、または急に悪化した。腹水の急増を疑います。 [5] [11]
  • 吐血、黒色便、血便などの消化管出血のサイン。 [11] [12]
  • 意識がぼんやりする、混乱、昼間眠いなど肝性脳症を疑う変化。 [11] [12]
  • 呼吸困難や胸痛を伴う。 [13] [11]
  • 新規の強い背部痛に、しびれ・筋力低下・排尿排便障害などの神経症状がある(脊椎転移や脊髄圧迫の可能性)。 [10]
  • 転倒・外傷後から続く腰背部痛、皮下出血が増えた、貧血の進行がある(筋肉内血腫の可能性)。 [9] [8]

これらは肝硬変の合併症や関連病態を示すことがあり、早期の診断・治療が予後に直結します。 [11] [12]


痛みの特徴の目安

  • 腹水関連:体位で増悪、腹部膨満感と同時に背中・腰へ鈍い痛みや重さが出ることがある。 [5]
  • 肝被膜下病変:右季肋部(みぞおち右側)を中心に、刺すような痛みが背部に放散することがあり、発熱や炎症の所見を伴うことがある。 [7]
  • 腸腰筋血腫:股関節の曲げ伸ばしで強く痛む腰痛、安静でも持続、片側性が多い、貧血や圧痛を伴うことがある。 [9]
  • 脊椎転移・硬膜外病変:新規の持続的な背部痛で、夜間増悪や神経症状(しびれ、筋力低下、歩行障害)を伴う。 [10]

自宅でできる対処と注意点

  • 背中の痛みが軽度で赤旗がない場合、安静、体位調整、腹圧を上げすぎないことを意識しましょう。
  • 薬の自己調整は避け、鎮痛薬は主治医に相談のうえ使用するのが安全です。アセトアミノフェン(パラセタモール)は通常2–3g/日までが安全とされますが、肝機能や併用薬により判断が変わります。 [8]
  • NSAIDs(イブプロフェン等)は腎不全や消化管出血のリスクがあるため、肝硬変では一般に推奨されません。 [8]
  • 中等度以上の痛みには、医師管理下でトラマドールや適切なオピオイド(フェンタニル、ヒドロモルフォンなど)を選ぶ場合がありますが、便秘や傾眠は肝性脳症悪化につながるため厳重なモニタリングが必要です。 [8]

まとめ

  • 肝硬変の典型症状に背中の痛みは含まれないことが多い一方で、腹水の増加、肝被膜下の血腫・膿瘍、筋肉内血腫、肝細胞癌の脊椎転移など、合併症により背中・腰の痛みが生じることがあります。 [1] [5] [7] [9] [10]
  • 発熱、腹部膨満の急変、出血、意識の変化、呼吸困難、神経症状などの赤旗サインがあれば早急に受診してください。 [11] [12] [5] [10]
  • 鎮痛薬の選択は主治医と相談し、アセトアミノフェンの用量管理やNSAIDs回避など、肝硬変に適した安全性の配慮が必要です。 [8]

関連する質問

関連記事

出典

  1. 1.^abcdefgCirrhosis(medlineplus.gov)
  2. 2.^ab간경화(Liver cirrhosis) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  3. 3.^ab간경화(Liver cirrhosis) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  4. 4.^Symptoms(stanfordhealthcare.org)
  5. 5.^abcdefgAscites: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  6. 6.^Cirrosis hepática - American College of Gastroenterology(gi.org)
  7. 7.^abcdClinical presentation and outcome of hepatic subcapsular fluid collections.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcdefg[Pain management in patients with liver cirrhosis].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcdIliopsoas muscle hematoma secondary to alcoholic liver cirrhosis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  10. 10.^abcdefHepatocellular carcinoma metastases to the epidural space.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  11. 11.^abcdefgCirrhosis: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  12. 12.^abcdeCirrhosis - discharge: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  13. 13.^Alcoholic liver disease: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。