Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | 胆嚢がんの症状として動悸が起こることはありますか?起こる場合、どのような原因が考えられますか? - Persly Health Information
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2026年2月15日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | 胆嚢がんの症状として動悸が起こることはありますか?起こる場合、どのような原因が考えられますか?

要点:

動悸は胆嚢がんの典型症状ではありませんが、貧血、感染・発熱や脱水、黄疸や肝機能障害、抗がん薬の心毒性、不整脈などの二次的要因で生じることがあります。症状の同時併発や治療薬の履歴、採血や心電図で原因を切り分け、胸痛や失神を伴う強い動悸は緊急受診を検討します。

胆嚢がんで「動悸」は起こるのか?考えられる原因と見極めポイント

胆嚢がんの典型的な症状は、右上腹部の痛み・膨満、吐き気・嘔吐、食欲低下、体重減少、発熱、倦怠感、黄疸などで、心臓がドキドキする「動悸」は一般的な主症状としては挙げられていません。 [1] 多くの資料でも、胆嚢がんは進行するまで症状が乏しく、現れる場合も腹部症状や黄疸が中心とされています。 [2] [3] つまり、動悸そのものは胆嚢がんの「直接的な症状」とは言い切れないことが多いと考えられます。 [4]

ただし、胆嚢がんやその治療・合併症に関連して、二次的に動悸が生じうる状況はいくつかあります。以下に医学的に考えられるメカニズムを整理します。


動悸の「間接的」な原因候補

  1. 貧血による心拍数増加
  • がん患者では、慢性炎症や栄養低下、出血、骨髄抑制(抗がん薬の影響)などで貧血が起こりやすく、酸素不足を補うために心拍が増え動悸として自覚されることがあります。 [5] 貧血の典型症状には、だるさ、息切れ、めまい、動悸などが含まれます。 [6]
  • 胆嚢がんの診療の過程でも、進行による全身状態の悪化で貧血が目立つことがあり、古典的報告でも「貧血や体重減少」が臨床所見として言及されています。 [7]
  1. 感染・炎症に伴う発熱や脱水
  • 胆道の閉塞や胆嚢炎の併発で発熱が続くと、体温上昇・脱水により心拍数が上がり動悸を感じやすくなります。胆嚢がんは胆道閉塞や胆嚢炎を合併しやすく、黄疸・発熱・右上腹部痛を呈することがあります。 [4]
  1. 黄疸・肝機能障害に伴う全身負担
  • 胆道閉塞で黄疸が起きると、全身倦怠感や食欲低下などが強まり、軽い動作でも息切れ・心拍増加を自覚しやすくなります。胆嚢がんでは黄疸が比較的頻繁にみられます。 [1] [4]
  1. 抗がん薬による心毒性・不整脈
  • がん治療薬の一部は心筋障害や血圧上昇、不整脈を引き起こすことがあり、動悸の自覚症状につながる場合があります。代表的にはフッ化ピリミジン系(5-FU/カペシタビン)や一部の分子標的薬・チロシンキナーゼ阻害薬などで不整脈・心機能低下の報告があります。 [8] 治療中に突然の動悸・胸痛・息切れが出た場合は、治療薬との関連評価が重要です。 [9] [10]
  1. 内分泌異常(極めて稀)
  • 稀ですが、胆嚢の神経内分泌腫瘍がホルモンを過剰産生し、全身症状(たとえばクッシング症候群に伴う高血圧・頻脈など)を引き起こすことがあります。こうしたケースは非常に少ないものの、ホルモン過剰による頻脈・動悸につながる可能性があります。 [11]

胆嚢がんで典型的に見られる症状との違い

胆嚢がんでは、初期症状が乏しいことが多く、現れる場合も腹部痛・膨満、吐き気、食欲低下、体重減少、発熱、疲労感、黄疸などが中心です。 [1] [2] Medlineの要約でも、黄疸、上腹部痛、発熱、吐き気・嘔吐、膨満、腹部腫瘤が「よくみられる」症状として列挙されています。 [3] 動悸はこれらの「主要症状」一覧には含まれていないため、見つかった場合は別の原因(貧血・感染・脱水・薬剤・心疾患など)を並行して考えるのが妥当です。 [4]


動悸があるときに確認したいチェックポイント

  • 同時に起きている症状:息切れ、めまい、倦怠感、胸痛、発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色)、濃い茶色の尿・灰白色の便など。これらは胆道閉塞や感染、貧血のヒントになります。 [1] [4]
  • 治療薬の履歴:化学療法・分子標的薬の使用有無と開始時期、用量変更、併用薬。心毒性や不整脈の既知リスク薬の使用がないかを専門医と確認します。 [8] [9] [10]
  • 採血・検査:血算(Hb・赤血球)、鉄・B12・葉酸、炎症反応、肝胆道系(ビリルビン、AST/ALT、ALP、γ-GTP)、電解質、甲状腺機能、心電図(不整脈評価)など。貧血や不整脈、電解質異常の有無は動悸の鑑別に有用です。 [5] [6]
  • 心血管リスク:既往の心疾患、高血圧、糖尿病、甲状腺疾患、喫煙歴など。がんと併存する心疾患が動悸の主因である可能性もあります。 [9] [10]

動悸に対する実務的な対応の考え方

  • 緊急性の評価:胸痛、失神、冷汗、安静でも続く強い動悸、息ができないほどの息切れがあれば、救急受診を検討します。こうした症状は不整脈や心筋虚血の可能性があり、がん治療中はリスクが上がる場合があります。 [9] [10]
  • 原因の層別化:胆嚢がん固有の症状(黄疸・右上腹部痛・発熱など)が同時にあるか、治療薬の心毒性が疑われないか、貧血の有無をまず確認するのが合理的です。 [1] [4] [5] [6]
  • 治療薬の調整:薬剤性が疑われる場合、主治医と相談して用量調整・休薬・薬剤変更、あるいは心臓専門医(カードオンコロジー)への紹介を検討します。 [9] [10] [8]
  • 支持療法:貧血が原因なら、鉄・ビタミン補充、原因対策、必要に応じて輸血などが選択肢になります。感染・脱水なら適切な抗菌薬や補液、胆道ドレナージなど胆道閉塞の解除が重要です。 [5] [4]

まとめ

  • 動悸は胆嚢がんの「典型症状」ではありませんが、胆嚢がんの進行や合併症(黄疸・感染・炎症)、貧血、抗がん薬の心毒性、不整脈などの「二次的要因」により起こることがあります。 [1] [2] [3] [4]
  • まずは原因の切り分け(貧血・感染・薬剤・心疾患)を行い、必要な検査と治療調整を進めることが大切です。 [5] [6] [9] [10] [8]

よくある症状との比較表

項目胆嚢がんで比較的多い動悸との関係
右上腹部痛・膨満よくみられる直接は関連しないが、痛み・不安で一時的な心拍増加あり得る。 [1] [4]
吐き気・嘔吐みられることがある脱水で心拍増加・動悸を助長する場合あり。 [1]
黄疸比較的頻繁全身倦怠・活動量低下に伴う息切れ・動悸の自覚を助長。 [1] [4]
発熱あり得る発熱・感染で頻脈→動悸。 [1] [4]
体重減少・食欲低下よくみられる栄養不良・貧血の背景となりうる。 [1]
貧血がん患者では起こりやすい酸素不足補償で心拍増加→動悸。 [5] [6] [7]
抗がん薬の心毒性薬剤による不整脈・心機能低下→動悸。 [9] [10] [8]

次の一歩

  • 最近動悸が増えている場合は、血液検査(血算・肝胆道系)、心電図、必要なら心エコーを主治医と相談して受けることをおすすめします。 [5] [6]
  • 抗がん薬を使用中なら、薬剤名と開始時期を医療者に伝え、心血管副作用の可能性を評価してもらいましょう。 [9] [10] [8]
  • 黄疸や右上腹部痛・発熱がある場合は、胆道閉塞や感染の管理が優先です。 [1] [4]

軽い動悸なのか、息切れや胸痛を伴う強い動悸なのかで判断が変わるので、今感じている動悸の程度やいつ起こるか(安静時・活動時)を教えていただけますか?

関連する質問

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出典

  1. 1.^abcdefghijklGallbladder Cancer(mskcc.org)
  2. 2.^abcGallbladder Cancer Signs & Symptoms(mskcc.org)
  3. 3.^abcGallbladder Cancer(medlineplus.gov)
  4. 4.^abcdefghijkl담낭암(GB cancer) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
  5. 5.^abcdefg국가암정보센터(cancer.go.kr)
  6. 6.^abcdefAnemia and Cancer(mskcc.org)
  7. 7.^abCarcinoma of the gallbladder.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abcdef1851-Cardiac toxicity associated with antineoplastic agents(eviq.org.au)
  9. 9.^abcdefghCardiotoxicity from Cancer Treatments(nyulangone.org)
  10. 10.^abcdefghCardiotoxicity from Cancer Treatments(nyulangone.org)
  11. 11.^Cushing's syndrome caused by an ACTH-producing large cell neuroendocrine carcinoma of the gallbladder.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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