
WHOの資料に基づく | 子宮体がんで吐き気はどの程度みられる症状ですか?原因や危険なサイン、受診の目安、対処法を教えてください。
要点:
子宮体がんの吐き気は、がんそのものより化学療法・放射線治療・一部のホルモン療法などの副作用として起こることが多い。止まらない嘔吐や水分摂取不能、黒色便・吐血などは緊急受診のサインで、2週間以上続く異常な症状も受診の目安。予防的な制吐薬の併用、食事・生活の工夫、薬剤の見直しで多くは改善し、原因に応じた治療調整が重要。
子宮体がんの吐き気:頻度、原因、危険サイン、受診の目安、対処法
子宮体がんでみられる吐き気は、がんそのものよりも治療(化学療法・放射線治療・一部のホルモン療法)に伴う副作用として起こることが多いと考えられます。化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル、シスプラチン併用など)では吐き気・嘔吐が比較的よくみられ、予防薬を併用しても追加の薬が必要となるケースがあります。 [1] [2] [3] そのため、吐き気は治療コースや個人差で頻度が変わり、一律には言えませんが「起こり得る症状」と理解しておくことが大切です。 [1] [4]
吐き気の原因
- 化学療法による刺激
カルボプラチンやパクリタキセル、シスプラチンなどは嘔吐リスクのある薬剤で、治療当日〜数日後に吐き気が出ることがあります。 [1] [2] [4] - 放射線治療の影響
骨盤放射線と週1回のシスプラチンを併用するレジメンでは、標準的な予防薬のみでは吐き気・嘔吐を十分に抑えきれないことがあり、追加薬が必要になる場合があります。 [3] - ホルモン療法やその他薬剤
一部のホルモン療法(例:メドロキシプロゲステロン)でも人によっては吐き気が出ることがあり、軽度でも注意が必要です。 [5] [6] - がんに伴う体調変化
腸閉塞(腸の詰まり)、胃の動き低下(胃無力・胃排出遅延)、代謝異常、痛み止めなど他薬剤の影響など、がんの進行や合併症でも吐き気は生じます。こうした場合は原因に合わせた治療選択が重要です。 [7] [8]
危険なサイン
- 止まらない嘔吐や水分がとれない
嘔吐が止まらない、めまい・ふらつきがある場合は、すぐに医療機関へ連絡または受診が推奨されます。 [9] [2] - 2週間以上続く異常な症状
「自分にとって普段と違う症状」が2週間以上続く場合、がんに限らず何らかの疾患サインの可能性があるため受診の目安になります。 [10] [11] - 下血(黒色便)・吐血、激しい腹痛、発熱、意識障害
これらは緊急性が高いサインで、救急受診を含む迅速な対応が必要となることがあります。 [12]
受診の目安
- 軽度の吐き気が時々ある
手持ちの制吐薬(吐き気止め)が処方されている場合は指示通りに継続服用し、改善が乏しいときは主治医へ相談してください。 [1] [13] - 嘔吐が続く、水分・食事がとれない、体重が落ちる
脱水や栄養低下のリスクがあるため、早めの外来受診をおすすめします。 [12] - コース開始直後の強い吐き気
化学療法や放射線の開始後に強い吐き気が出た場合、予防薬の強化(5-HT3拮抗薬、ステロイド、NK1拮抗薬などの組み合わせ)を検討します。 [4] [3]
実践的な対処法
- 薬の使い方
- 食事・生活の工夫
- 環境・セルフケア
- いつもの薬の見直し
予防・治療の考え方(専門的ポイント)
- 原因に合わせた薬選択
吐き気は複数の経路(セロトニン、ドーパミン、ニューロキニンなど)が関与するため、単剤で不十分なときは多剤併用が有効です。 [16] [17]
化学療法誘発性の吐き気には5-HT3拮抗薬が有効で、必要に応じてステロイド、NK1拮抗薬を追加します。 [4] [3] - 難治性の場合の対応
薬剤のクラス変更・追加、複数受容体に作用する「広域」制吐薬への切り替えなどを段階的に検討します。 [7] [18]
腸閉塞が疑われるときは外科的・緩和的処置(減圧など)やオクトレオチド・ステロイドの併用が選択肢になります。 [7]
受診前に整理しておくと良いこと
- 吐き気・嘔吐の頻度や時間帯、持続時間、食事との関係をメモすると、原因推定と薬調整に役立ちます。 [12]
- 服用中のすべての薬(処方薬・市販薬・サプリ)、水分量・体重の変化、便通や腹痛の有無も記録しましょう。 [12]
まとめ
- 子宮体がんの吐き気は治療に伴う副作用として出現することが多く、化学療法や放射線併用時に注意が必要です。 [1] [2] [3]
- 止まらない嘔吐、めまい・ふらつき、水分摂取困難は早急な受診の目安で、2週間以上続く異常な症状も受診の対象になります。 [9] [10]
- 制吐薬の予防的内服、食事・生活の工夫、薬剤の見直しで多くは改善が期待できますが、難治性の場合は薬の併用・切替や原因別の対策が必要です。 [13] [4] [7]
関連する質問
出典
- 1.^abcdefgPatient information - Endometrial cancer recurrent or metastatic - Carboplatin and paclitaxel(eviq.org.au)
- 2.^abcdPatient information - Endometrial cancer recurrent or metastatic - AP (doxorubicin and cisplatin)(eviq.org.au)
- 3.^abcdefPalonosetron and prednisolone for the prevention of nausea and emesis during fractionated radiotherapy and 5 cycles of concomitant weekly cisplatin-a phase II study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abcdefExperience with ondansetron in chemotherapy- and radiotherapy-induced emesis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^abcPatient information - Endometrial cancer recurrent - Medroxyprogesterone(eviq.org.au)
- 6.^↑Patient information - Endometrial cancer recurrent - Medroxyprogesterone(eviq.org.au)
- 7.^abcdeNausea and vomiting in advanced cancer.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^↑Nausea and vomiting in advanced cancer.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 9.^abPatient information - Endometrial cancer recurrent or metastatic - Carboplatin, paclitaxel and dostarlimab(eviq.org.au)
- 10.^abGynecologic Cancer Awareness(cdc.gov)
- 11.^↑Symptoms of Gynecologic Cancers(cdc.gov)
- 12.^abcde7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 13.^abcd7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 14.^abcHow to prevent nausea during cancer treatment(mayoclinic.org)
- 15.^↑7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 16.^↑Cancer therapy, vomiting, and antiemetics.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 17.^↑Cancer therapy, vomiting, and antiemetics.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 18.^↑Nausea and vomiting in advanced cancer.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


