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2026年2月16日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | COPDの症状として体重増加はありますか?

要点:

COPDの典型症状として体重増加は一般的ではなく、むしろ体重減少・栄養不良が問題になりやすいです。活動量低下やステロイドの副作用などで体重が増えることはあり、過体重・低体重の双方が呼吸や予後に悪影響を及ぼします。適正体重の維持に向けて、小分けの高栄養な食事と軽い運動・呼吸リハビリが推奨されます。

COPDの症状として体重増加は起こるのか

結論として、COPD(慢性閉塞性肺疾患)そのものの典型的な症状として「体重増加」が直接現れることは一般的ではありません。 多くの場合、COPDでは呼吸に多くのエネルギーを使うため、体重が減りやすい・痩せやすい(低体重・栄養不良)ほうが問題になりやすいです。 [1] ただし、体重の変化はCOPDの経過や生活の質に強く影響し、過体重・肥満と低体重の双方がそれぞれ異なるリスクを伴います。 [2] [1]


体重とCOPDの関係

  • 呼吸はカロリーを消費します
    COPDでは空気の出し入れ自体により多くの筋力・エネルギーが必要になり、基礎的な消費カロリーが増えがちです。 そのため、食事量が不足すると体重が落ちやすい傾向があります。 [2]

  • 過体重・肥満は呼吸を重くします
    体重が増えすぎると胸郭の動きが制限され、息切れや運動時の呼吸困難が悪化しやすくなります。 また、睡眠時無呼吸など合併症のリスクも上がります。 [3]

  • 低体重も危険です
    逆に痩せすぎると、感染症への抵抗力が落ち、回復力が低下し、長期予後が悪くなる可能性があります。 [2] 急性増悪で入院するCOPDでは、低BMI(特にBMI<21)が頻繁に見られ、死亡リスクが高いことが示されています。 [4]


体重増加はCOPDの「症状」なのか

  • 典型症状ではない
    COPDの代表的な症状は、労作時の息切れ、喘鳴、慢性咳嗽と痰、胸の圧迫感、易疲労、頻繁な肺感染、体重減少などであり、体重増加は一般的な症状リストには含まれません。 [1]

  • 間接的に体重が増えることはあり得ます
    一部の状況では、COPDと関連して体重増加が起こり得ます。例えば、

    • 活動量の低下による消費カロリー減で体重が増えることがあります。これは病気の直接症状ではなく、生活の変化による二次的影響です。 [3]
    • ステロイド薬の長期使用により食欲増加やむくみ(浮腫)を伴い、体重が増えることがあります。これは薬剤の副作用に関連した変化です(一般的知見)。
    • 塩分過多や心機能低下があると体液貯留で体重が増えることがあり、呼吸困難を悪化させます(合併症としての可能性)。
  • 体重増加の影響は体型によって異なる
    喫煙者集団の解析では、肥満の人がさらに体重を増やすと肺機能(FEV1)や健康状態が悪化しやすく、一方で標準体重の人が適度に体重を増やすと指標が改善するという非線形の関係が報告されています。 [5]


体重管理の目標

  • 「痩せすぎず、太りすぎず」のバランス
    COPDでは適正体重の維持が重要です。痩せすぎは感染リスク・回復力低下につながり、過体重は呼吸の負担増・合併症リスク増につながります。 [2] [3]

  • 低体重の方
    小分けの高エネルギー食、たんぱく質の十分な摂取、食べやすいタイミングの工夫などで栄養状態の改善を図ることが推奨されます。 [2] [6] [7]

  • 過体重・肥満の方
    緩やかな減量(急激なダイエットは避ける)、小分けの食事、運動耐容能に合わせた軽い有酸素運動やリハビリを組み合わせると呼吸が楽になることがあります。 [8] [3] また、適正体重の範囲では長期予後が良い傾向があることが示されています。 [4]


日常でできる栄養と運動の工夫

  • 食事のポイント

    • 大きな食事は横隔膜を圧迫して呼吸が苦しくなるため、小分けに取りましょう。 [2]
    • 炭酸飲料や豆類・キャベツなどでお腹が張る場合は量やタイミングを工夫しましょう。 [2]
    • 体重を増やしたい場合は、栄養価の高い軽食(ナッツ、ヨーグルト、卵、魚、鶏肉、オリーブオイルなど)を追加し、たんぱく質とカロリーを確保します。 [6] [7]
  • 運動・生活のポイント

    • 医療者と相談のうえ、呼吸リハビリや軽い運動を取り入れると、呼吸効率や体力が上がり、体重管理がしやすくなります。 [8]
    • 空気の質に注意し、喫煙・受動喫煙や大気汚染の曝露を避けることが、症状悪化の予防と活動量維持につながります。 [9]

まとめ

  • COPDの直接的な症状として体重増加は一般的ではありません。 典型的には体重減少が問題となりやすい一方、過体重・肥満も呼吸を悪化させる要因です。 [1] [2]
  • 体重の増減はCOPDの健康状態や肺機能に影響し、その方向性は現在の体型(低体重か肥満か)によって異なることがあります。 [5]
  • 適正体重の維持と、個人に合わせた栄養・運動のバランスが大切です。日々の食事を小分けにする、栄養価の高い食品を選ぶ、軽い運動やリハビリを続けるといった実践的工夫が有効です。 [2] [8] [6] [9]

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出典

  1. 1.^abcdCOPD - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcdefghiDay to day with COPD: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  3. 3.^abcdWhen obesity and chronic obstructive pulmonary disease collide. Physiological and clinical consequences.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abBody mass index and prognosis in patients hospitalized with acute exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abSpirometry and health status worsen with weight gain in obese smokers but improve in normal-weight smokers.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcChronic obstructive pulmonary disease (COPD): MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  7. 7.^abChronic obstructive pulmonary disease (COPD): MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  8. 8.^abcDay to day with COPD: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  9. 9.^abCOPD - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。