Medical illustration for PubMedの資料に基づく | COPDで手足のしびれはどのようなメカニズムで起こり、注意すべき危険なサインや受診の目安はありますか? - Persly Health Information
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2026年2月16日5分で読める

PubMedの資料に基づく | COPDで手足のしびれはどのようなメカニズムで起こり、注意すべき危険なサインや受診の目安はありますか?

要点:

COPDでは、慢性的な低酸素や高二酸化炭素、喫煙・栄養不良などが重なり、末梢神経の微小血管障害と軸索障害を介して手足のしびれが生じます。チアノーゼ、動悸増加、意識がぼんやり、しびれの急速悪化や片側麻痺などは危険サインで、早急な受診が必要です。症状が数週間以上続く・拡大する場合は呼吸器内科や神経内科で評価し、呼吸管理、栄養改善、禁煙などの対策が有用です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)で手足のしびれ(末梢の感覚異常)が起こりうる背景には、主に慢性的な低酸素や二酸化炭素の上昇に伴う神経への血流・代謝障害、栄養不良、喫煙による神経毒性などが重なって生じる末梢神経障害(ニューロパチー)が関与すると考えられています。 [1] こうしたニューロパチーは軸索(神経の本体部分)に障害が起こるタイプが中心で、しびれや感覚低下が目立ち、時に自覚症状が乏しくても電気生理検査では異常が見つかることがあります。 [1]


メカニズム

  • 低酸素による神経障害

    • 慢性的に血中酸素が低い状態は、末梢神経の代謝を直接障害し、神経線維の機能低下や損傷を引き起こしやすくなります。 [1] 神経を養う微小血管(エンドニュリウム内の血管)にも変化が起き、膜の肥厚や内腔の狭窄などの微小血管障害(マイクロアンギオパチー)が生じ、結果として神経への酸素・栄養供給がさらに悪化します。 [2]
  • 高二酸化炭素(高炭酸ガス血症)の影響

    • 二酸化炭素が高い状態は、末梢神経線維の障害と関連しうることが示され、神経内皮の構造変化とも相関が報告されています。 [2] これにより、しびれや感覚異常が悪化する可能性があります。 [2]
  • 喫煙・栄養不良・アルコール・薬剤

    • 喫煙に含まれる複数の神経毒性物質、栄養不良(ビタミン不足など)、アルコール、特定薬剤の影響が重なって、末梢神経障害のリスクが高まることがあります。 [1] COPDの方では体重減少や筋力低下が起こりやすく、これが栄養不良と相まって神経障害の素地となりえます。 [3]

しびれの特徴と合併しやすい所見

  • 多くは左右対称で足先から始まる「靴下型」のしびれや感覚低下が徐々に進み、手指に広がることがあります。 [1] 電気生理学的には軸索優位の障害が主体で、サブクリニカル(自覚症状が軽い)でも検査で異常が見つかる割合が高いと報告されています。 [1]
  • 末梢の微小血管障害(神経内の血管の膜肥厚や内腔狭窄)が背景にあり、糖尿病性ニューロパチーに似た機序が想定されています。 [2]

注意すべき危険なサイン(レッドフラッグ)

  • 唇・爪が青紫色になる(チアノーゼ)、動悸が速い、意識がぼんやりして集中できないなどの全身低酸素のサインは、緊急受診が必要な可能性があります。 [4] これらは呼吸状態の悪化(増悪)と関連し、神経症状の進行にもつながりえます。 [4]
  • しびれが急速に悪化する、片側のみの麻痺や言葉が出ないなど脳卒中を疑う症状が出た場合は、直ちに救急受診が望まれます。 (脳卒中の具体的記載は上記資料にないため一般的医療知識の説明です)

受診の目安

  • 次のようなしびれ・随伴症状がある場合は、早めの受診(呼吸器内科や神経内科)を検討しましょう。
    • しびれが数週間以上続く、範囲が広がる、バランス低下や転倒が増える。 [1]
    • 夜間の足の灼熱感や痛み、感覚が鈍くなりケガに気づきにくい。 [1]
    • 息切れの悪化、青紫色の変化、動悸、意識がぼんやりするなどの全身症状を伴う。 [4]
  • 定期診療では、呼吸機能とともに栄養状態(体重・食事)、ビタミン(B12、D)、鉄などの不足がないかを確認し、必要に応じて補充や生活改善を行うことが推奨されます。 [5] 栄養不良の是正は末梢神経の健康にも役立ちます。 [1] また、喫煙の継続は神経障害の悪化要因となりうるため、禁煙支援を受ける価値があります。 [1] [3]

日常でできる対策

  • 呼吸状態の安定
    • 適切な吸入薬の継続、感染予防、リハビリ(呼吸リハ・運動療法)で増悪を避け、低酸素状態を防ぐことがしびれの進行抑制につながる可能性があります。 (一般的推奨)
  • 栄養・サプリメント
    • たんぱく質とビタミン・ミネラルを十分に摂り、B12・D・鉄などの不足評価を受けるとよいでしょう。 [5]
  • 足のケア
    • 足先の感覚低下があると傷や潰瘍に気づきにくいので、毎日観察し、靴のフィットを確認し、乾燥や圧迫を避けましょう。 (一般的推奨)
  • 禁煙
    • ニコチン置換やカウンセリングなどの禁煙支援を活用すると、呼吸だけでなく神経への悪影響の軽減が期待できます。 [1] [3]

受診時に伝えると役立つポイント

  • しびれの始まりと経過(いつから、どこから、どう広がったか)。 [1]
  • 症状のパターン(左右対称か、夜間増悪するか、痛みや灼熱感の有無)。 [1]
  • 呼吸症状の変化(息切れ、青紫色、動悸、集中力低下など)。 [4]
  • 体重変化、食事量、栄養補助の有無。 [3] [5]
  • 喫煙状況、飲酒、使用薬(処方薬・市販薬)。 [1]

まとめ

  • COPDでは、慢性的な低酸素や高二酸化炭素、喫煙や栄養不良などが重なり、末梢神経の微小血管障害と軸索障害を介してしびれが生じることがあります。 [1] [2]
  • 唇や爪の青紫色、動悸の増加、意識がぼんやりするなどのサインは、呼吸の増悪と関連し得るため、早急な評価が望ましいです。 [4]
  • しびれが持続・進行する、生活に支障が出る、全身症状を伴う場合は、呼吸器と神経の両面から評価を受けることが推奨されます。 [1] [4] [5]

ご自身のしびれは足から手へ広がる左右対称のタイプか、それとも片側だけ・急に強くなったタイプでしょうか?

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出典

  1. 1.^abcdefghijklmnopPeripheral neuropathies during hypoxaemic chronic obstructive airways disease.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcdeMicroangiopathy of endoneurial vessels in hypoxemic chronic obstructive pulmonary disease (COPD). A quantitative ultrastructural study.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdCOPD(medlineplus.gov)
  4. 4.^abcdefCOPD - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcdCOPD - Doctors and departments(mayoclinic.org)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。