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2026年2月16日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | 慢性閉塞性肺疾患(COPD)で吐き気が現れるのは一般的ですか?原因や考えられる合併症、受診の目安と対処法を教えてください。

要点:

吐き気はCOPDの典型症状ではありませんが、薬の副作用(テオフィリン・ロフルミラスト)、GERD、急性増悪や併存症により起こることがあります。症状がいつもより強く2日以上続く、著しい息切れやチアノーゼ、発熱・暗色の痰、意識混濁などがあれば速やかに受診を。対処は薬の見直しやGERD対策、アクションプランによる早期対応、水分・栄養管理などです。

COPDで吐き気はよくあるのか:概要

COPDで吐き気(むかつき)が主症状として「いつも起こる」わけではありませんが、いくつかの原因や合併症、薬の副作用などにより吐き気が現れることはありえます。吐き気だけでなく、息切れや咳など普段の症状が「いつもより強く、2日以上続く」場合は急性増悪(症状の悪化)の可能性も考え、早めに対応することが大切です。 [1] 症状が強い増悪では入院が必要になることもあります。 [2]


吐き気の主な原因

  • 薬の副作用

    • テオフィリン(気道を広げる内服薬)は、用量により吐き気や不眠などの副作用が出やすく、血中濃度が高すぎると不整脈やけいれんのリスクもあります。 [3] テオフィリンは効果がある一方で副作用が用量依存的なので、定期的な採血で濃度管理が行われます。 [3]
    • ロフルミラスト(PDE4阻害薬)は、吐き気、下痢、体重減少が比較的よく見られる副作用です。 [4] 体重減少や消化器症状が目立つ場合は、用量調整や中止の検討が必要になることがあります。 [4]
    • β2刺激薬などの短時間作用型の気管支拡張薬は、主に動悸や不安、ふるえなどが副作用ですが、内服剤では副作用が強く出やすいため一般的には吸入が推奨されます。 [5] [6]
  • COPDの急性増悪に伴う全身症状

    • 増悪時には、呼吸困難や咳の悪化に加え、腹部症状(腹痛)や睡眠障害、朝の頭痛、足のむくみ、皮膚が灰色〜蒼白に見えるなどの全身症状が出ることがあります。 [2] これらの全身状態の変化に伴い、食欲低下や吐き気が起こることもあります。 [2]
  • 消化器系の合併症(胃食道逆流症:GERD)

    • COPDでは胃食道逆流症(GERD)が一般より多く、GERDがあるとCOPDの増悪が増えることが知られています。 [7] GERDは胸やけだけでなく、吐き気や嘔吐、咳の悪化につながることがあり、GERDの治療が増悪予防に役立つ可能性があります。 [7]
  • 全身性炎症に関連する併存症

    • COPDは肺の病気にとどまらず、心血管・内分泌・消化器・心理的疾患などの併存症が多い全身性炎症疾患として捉えられています。 [8] こうした併存症(例:心不全によるうっ血、電解質異常、感染症、胃炎など)が吐き気の一因になることがあります。 [8]

考えられる合併症

  • 呼吸器関連

    • 肺炎、肺水腫、肺塞栓、敗血症などはCOPDの背景で起こりやすく、全身状態の悪化や吐き気、食欲不振を伴うことがあります。 [9] [10] [11]
  • 代謝・電解質異常

    • 脱水や電解質の乱れ(低ナトリウム血症など)は、吐き気、倦怠感、意識の混濁につながることがあります。 [9] [10] [11]
  • 消化器疾患

    • 胃炎、GERDなどの消化器疾患は、吐き気や胸やけ、腹痛と関連します。 [9] [10] [11] GERDはCOPDの増悪頻度を増やすため、見逃さずに対応することが大切です。 [7]

受診の目安(危険サイン)

以下のようなサインがある場合は、早めの医療機関受診が推奨されます。

  • いつもの症状との差が明らかで、2日以上続く悪化(息切れ、咳、痰量や色の変化など)。 [1]
  • 会話が途切れるほどの息切れ、前かがみでないと呼吸しづらい、肋骨まわりの筋肉を使って呼吸しているなどの重い呼吸困難。 [12]
  • 青紫色の唇や指先(チアノーゼ)、眠気や混乱、発熱、胸痛、濃い痰(暗色)。 [13] [12]
  • 朝の頭痛が増える、むくみが強いなど、二酸化炭素貯留や心不全のサインが疑われる変化。 [2] [12]

対処法(家庭でできることと医療的対応)

  • 薬の見直し

    • 吐き気が新たに出た場合、最近開始・増量した薬(テオフィリン、ロフルミラストなど)を確認し、用量調整や代替薬の検討を医療者に相談します。 [3] [4]
    • 吸入薬中心の治療にすると、内服による全身副作用を減らせる可能性があります。 [5] [6]
  • GERD対策

    • 就寝前の食事量を控える、就寝時に上体を少し高くする、脂っこいもの・刺激物・アルコールを控えるなどの生活調整が役立ちます。 [7] 症状が続く場合は胃酸抑制薬などの治療で増悪を減らせる可能性があります。 [7]
  • 増悪予防と早期対応

    • 自分の「普段の症状のパターン」を把握し、悪化の早期サインに気づくことが大切です。 [1] サインに気づいたら指示された救急薬やアクションプランに沿って対応し、必要に応じて受診します。 [2] [1]
    • 十分な睡眠と休息は体調維持に役立ちますが、一部の薬が睡眠を妨げることがあるため、寝つきが悪くなったら処方の見直しを相談しましょう。 [14]
  • 水分・栄養管理

    • 吐き気が強い時は少量をこまめに水分補給し、消化にやさしい食品(おかゆ、スープなど)を取り入れます。 脱水や電解質異常が疑われる場合は医療機関での評価が必要です。 [9] [10] [11]

まとめ:可能性の整理

  • 吐き気はCOPDそのものの典型症状ではないものの、薬の副作用(テオフィリン、ロフルミラスト)、GERD、急性増悪に伴う全身状態の変化、併存症(感染、心不全、電解質異常、胃炎など)が重なって出ることがあります。 [3] [4] [7] [2] [8] [9] [10] [11]
  • 特に、症状が2日以上強く続く、呼吸が著しく苦しい、青紫色の唇・指先、発熱・濃い痰、意識がもうろうなどがあれば、増悪や重篤な合併症のサインとして速やかな受診が推奨されます。 [13] [1] [12]

受診時に伝えるとよいポイント

  • 吐き気の出始め時期、きっかけ(新しい薬、食事、体位など)、伴う症状(胸やけ、腹痛、頭痛、発熱、痰の変化、むくみ)。 [2] [7]
  • 現在使用中の薬の種類と用量(特にテオフィリン、ロフルミラスト、β2刺激薬の内服の有無)。 [3] [4] [5] [6]
  • 息切れの悪化が2日以上続いていないか、会話困難や前かがみ呼吸がないかなどの重症度の指標。 [1] [12]

よくある質問への短答

  • 吐き気だけなら様子見でよい?
    → 新規の吐き気が続く・悪化する場合は薬や合併症の見直しが必要です。特に呼吸症状の悪化や危険サインを伴うなら受診してください。 [3] [4] [13] [1] [12]

  • GERDはCOPDに影響する?
    → GERDはCOPD増悪のリスクを高め、年間増悪回数を増やす傾向が報告されています。GERDの管理はCOPDの安定化に役立つ可能性があります。 [7]

  • 増悪の早期サインは?
    → いつもより強い息切れ、咳や痰の変化、睡眠の悪化、朝の頭痛、腹部症状などに注意しましょう。重い場合は入院が必要なこともあります。 [2] [1]


参考:危険サイン一覧(受診目安)

  • 症状の悪化が2日以上継続する。 [1]
  • 会話困難、前かがみ呼吸、肋骨筋の使用など重い呼吸困難。 [12]
  • 眠気・混乱、発熱、暗色の痰、唇や指先の青紫化、胸痛。 [13]
  • 朝の頭痛の増加、足のむくみ、皮膚が灰色〜蒼白などの全身変化。 [2]

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出典

  1. 1.^abcdefghiCOPD flare-ups: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  2. 2.^abcdefghiCOPD flare-ups: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  3. 3.^abcdefCOPD - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  4. 4.^abcdefCOPD - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcCOPD - quick-relief drugs: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  6. 6.^abcFármacos de alivio rápido para la enfermedad pulmonar obstructiva crónica: MedlinePlus enciclopedia médica(medlineplus.gov)
  7. 7.^abcdefghExacerbations of COPD and symptoms of gastroesophageal reflux: a systematic review and meta-analysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abc[Comprehensive management for the comorbidities and pulmonary complications in COPD].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcdeCOPD - Doctors and departments(mayoclinic.org)
  10. 10.^abcdeCOPD - Doctors and departments(mayoclinic.org)
  11. 11.^abcdeCOPD - Doctors and departments(mayoclinic.org)
  12. 12.^abcdefgChronic obstructive pulmonary disease - adults - discharge: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  13. 13.^abcdCOPD flare-ups: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
  14. 14.^Day to day with COPD: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)

ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。