
PubMedの資料に基づく | COPD患者で血尿が出た場合、どのような原因が考えられ、どの科を受診し、緊急受診の目安は何ですか?
血尿はCOPDの有無に関わらず要精査で、主な原因は尿路感染症、尿路結石、泌尿器悪性腫瘍、糸球体性疾患、前立腺疾患、薬剤・食品などです。受診は原則泌尿器科で、糸球体性が疑われる所見があれば腎臓内科、咳で血が出るなら呼吸器内科を受診します。発熱・悪寒や強い側腹部痛、嘔吐、排尿困難・血栓排出、大量の血尿、喀血や呼吸困難は救急受診の目安です。
COPD患者の血尿:考えられる原因・受診科・緊急受診の目安
血尿(尿がピンク色・赤色・コーラ色に見える、または顕微鏡で赤血球が検出される状態)は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の有無にかかわらず重要なサインで、基本的には原因検索が必要になります。血尿は泌尿器系(腎臓・尿管・膀胱・前立腺)や腎臓のろ過機能(糸球体)の異常、感染、結石、腫瘍などで起こることが多く、少量でも見えたら医療機関の受診が推奨されます。尿が赤く見えるのはわずかな血液でも色が変わるためで、血栓(血のかたまり)を伴うと痛みを伴うこともあります。 [1] [2]
主な原因(可能性)
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尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎)
排尿痛・頻尿・発熱・悪寒などを伴うことがあり、尿検査で白血球や細菌がみられます。感染が疑われる時は抗菌薬治療が必要になります。 [3]
40代以降で感染症状が長引く場合、膀胱腫瘍などの精査が必要になることもあります。 [4] -
尿路結石(腎・尿管・膀胱)
側腹部〜背部の激しい痛み、血尿を伴いやすく、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。画像検査で確認し、痛みのコントロールや結石の排出・破砕を検討します。 [5] [6] -
泌尿器悪性腫瘍(腎・尿管・膀胱・前立腺)
特に目に見える血尿(肉眼的血尿)や喫煙歴、高年齢はリスク要因です。膀胱鏡とCTウログラフィーなどの精査が推奨されます。 [7]
無症候性の顕微鏡的血尿でも、年齢・喫煙歴・赤血球数などに基づくリスク層別化で検査を進めるのが一般的です。 [7] -
前立腺の病気(前立腺肥大など)
夜間頻尿、尿の出始めの困難、途切れがちなどの排尿症状を伴い、血尿を呈することがあります。 [8] -
糸球体性血尿(腎臓のろ過機能の異常)
尿中の蛋白(アルブミン尿)、赤血球の形態異常、赤血球円柱などが手がかりです。血清検査や腎生検を検討することもあります。 [9] [10]
血栓を伴わないことが多く、色は「黒っぽい赤(コーラ色)」に見える傾向があります。 [11] -
薬剤・食事による赤色尿(偽性血尿)
実際の赤血球ではなく、一部の薬剤や食品で尿が赤く見えることがあります。必ず尿検査で赤血球の有無を確認します。 [1] -
喀血(肺からの出血)との混同に注意
COPDでは咳とともに血が混じる喀血(ヘモプトー)も起こり得ます。「咳とともに口から出た血」か「排尿時に出た血」かを確認し、混同しないようにします。喀血が大量・持続する場合は呼吸器領域の救急対応が必要です。 [12] [13]
受診すべき診療科
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まずは泌尿器科
血尿の原因の多くは泌尿器系(腎〜膀胱〜前立腺)の異常であり、尿検査・画像検査・膀胱鏡などの評価を行います。肉眼的血尿やリスク要因がある場合は速やかな精査が望まれます。 [14] [15] -
腎臓内科(ネフロロジー)
蛋白尿、糸球体性所見(異形赤血球・赤血球円柱)、高血圧や腎機能低下がある場合は、腎臓内科による系統的評価(血液検査・腎生検の検討)が適しています。 [10] [9] -
呼吸器内科(喀血が疑われる場合)
咳と血の混入が主体で喀血が疑われるときは呼吸器内科へ。特に大量出血や呼吸困難があれば救急受診が必要です。 [12]
緊急受診の目安(救急・即日受診)
次のような状況は救急受診(時間外含む)を検討してください。
- 発熱・悪寒、吐き気や嘔吐、腹部・側腹部・背部の強い痛みを伴う血尿。腎盂腎炎や結石による急性症状が疑われます。 [3] [8]
- 排尿困難(尿が出ない)、血の塊(血栓)を多く排出している場合。膀胱内の閉塞・大量出血のリスクがあります。 [8]
- 大量の肉眼的血尿が続く、めまい・ふらつきなどの循環動態の変化が疑われる場合。早急な評価が望まれます。 [6]
- 咳とともに大量の血が出る、強い呼吸困難がある場合は、喀血の救急対応が必要です。 [12]
一方で、血尿が少量で痛みもなく全身状態が安定している場合でも、尿が赤く見えたら受診して評価することが勧められます。 [1] [2]
受診前に確認しておくと役立つポイント
- 血尿の見え方:ピンク・赤・コーラ色(黒っぽい赤)、血栓の有無。血栓があると泌尿器系の異常の可能性が高いです。 [2] [11]
- 随伴症状:排尿痛・頻尿・発熱・悪寒、側腹部痛、吐き気、体重減少など。症状の組み合わせが原因の絞り込みに有用です。 [3] [4]
- 既往・リスク:年齢、喫煙歴(膀胱がんリスク)、結石・結核の既往、最近の感染症や皮疹の有無(糸球体性の示唆)。 [7] [11]
- 薬剤・食品:赤色尿を来す薬や食品の摂取有無。尿検査で赤血球の確認が重要です。 [1]
診断の進め方(一般的な流れ)
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尿検査(試験紙・顕微鏡)
赤血球の有無、蛋白尿(アルブミン尿)、白血球、細菌を確認します。糸球体性を疑う所見(異形赤血球・赤血球円柱)があれば腎臓内科的評価が必要です。 [10] [9] -
血液検査
腎機能(クレアチニン・推算GFR)、血色素、血小板、血清アルブミンなどを測定します。 [10] -
画像検査
腎・尿管・膀胱の評価にエコー、CTウログラフィーなどを用います。腫瘍のリスクが高い場合はCTウログラフィーが推奨されます。 [7] [14]
COPDとの関連で注意したいこと
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喀血との区別
COPDでは気道感染や気管支拡張症、血管病変などで喀血が生じることがあります。「尿の赤色」なら泌尿器領域、「咳と血」なら呼吸器領域と、出血の出どころの確認が大切です。大量喀血は救急対応が必要です。 [12] [13] -
喫煙歴
COPDに多い喫煙歴は膀胱がんなどの泌尿器腫瘍のリスクでもあり、血尿が見えたら早めの泌尿器科受診が望ましいです。 [7]
まとめ
- 血尿が見えたら、量が少なくても受診が勧められます。尿の赤色はわずかな血液でも起こり、原因として感染、結石、腫瘍、糸球体性疾患、前立腺疾患、薬剤・食品などが考えられます。 [1] [5]
- 受診科は原則「泌尿器科」、糸球体性が疑われる所見があれば腎臓内科も検討します。咳で血が出る(喀血)なら呼吸器内科です。 [14] [10] [12]
- 発熱・悪寒、強い側腹部痛、嘔吐、排尿不能、血栓の排出、大量の血尿、呼吸困難を伴う咳血は救急受診の目安になります。 [3] [8] [12]
緊急受診チェックリスト(該当すれば救急へ)
- 発熱・悪寒が強い、吐き気・嘔吐がある。 [3]
- 側腹部・背部・腹部の強い痛みがある。 [8]
- 尿が出ない、血の塊を多数出している。 [8]
- 大量の肉眼的血尿が続く、ふらつきがある。 [6]
- 咳とともに大量の血が出る、息苦しさが強い。 [12]
受診時に伝えると良い情報
関連する質問
出典
- 1.^abcdefBlood in urine (hematuria) - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 2.^abcdBlood in urine (hematuria) - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
- 3.^abcdefUrine - bloody : MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 4.^abc영남대학교병원(yumc.ac.kr)
- 5.^abWhat is significant hematuria for the primary care physician?(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcThe diagnosis of hematuria.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abcdefg혈뇨의 진단과 치료(ekjm.org)
- 8.^abcdefUrine - bloody : MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 9.^abc혈뇨의 진단과 치료(ekjm.org)
- 10.^abcde혈뇨의 진단과 치료(ekjm.org)
- 11.^abcd혈뇨의 진단과 치료(ekjm.org)
- 12.^abcdefg[Diagnosis and management of haemoptysis].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 13.^abHemoptysis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 14.^abcdAssessment of hematuria.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 15.^abcHematuria: etiology and evaluation for the primary care physician.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


