乳癌でめまいはよくある?原因と対処法を解説
乳癌でめまいはよくある?原因と対処法を解説
結論として、乳癌そのものの典型症状として「めまい」が頻発するわけではありませんが、治療の副作用や合併症などによりめまいが起こることはあります。 具体的には、内分泌療法(ホルモン療法)や化学療法の副作用、脱水・栄養不良、貧血(赤血球不足)、脳転移や神経系のまれな合併症などが原因になり得ます。 [1] [2]
可能な原因(複数の仮説)
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内分泌療法の副作用
アロマターゼ阻害薬(例:レトロゾール)では、臨床試験で「めまい」が報告されています。頻度は多くはありませんが副作用として認識されています。 [3]
併用のゴセレリンやエキセメスタンなどでも、更年期様症状(ほてり、不眠、気分変化など)に伴いふらつきを感じることがあります。 [4] -
化学療法関連の影響
吐き気・嘔吐による脱水や起立性低血圧で立ちくらみ・めまいが起こることがあります。ガイドラインでも脱水徴候の一つとして「起立時のめまい」が挙げられています。 [5]
また、治療中の疲労感や感染リスク増加に伴う全身状態の悪化でふらつきを感じることがあります。 [1] -
貧血(がん関連・治療関連)
がん患者では貧血が一般的で、頭痛や耳鳴り、めまい(ふらつき)が生じることがあります。赤血球(ヘモグロビン)が不足すると脳への酸素供給が低下し、めまいを感じやすくなります。 [PM24] [PM26]
多くのがん患者で貧血はみられ、化学療法中に増悪することがあります。 [6] [7] -
脳転移・神経合併症(まれ)
乳癌が脳に転移した場合、平衡障害やめまい、視覚異常、強い頭痛が出ることがあり、早急な評価が必要です。 [8]
さらに稀ですが、傍腫瘍性小脳変性(パラネオプラスティック症候群)のような免疫性の神経障害でめまい・失調を呈することがあります。 [PM7]
HER2陽性例では治療中に脳転移が発見され、めまい・吐き気で受診に至るケース報告があります。 [PM8] -
生活要因・栄養水分バランス
甘い飲料過多や水分不足、治療中の栄養低下はめまい、吐き気、便秘、疲労の一因になります。適切な水分とバランスの良い食事が重要です。 [9]
よくある頻度感の目安
- ホルモン療法(レトロゾール)の臨床試験では、めまいは報告はあるものの高頻度ではありません(副作用一覧に含まれるが、5%未満の範囲で示されています)。個人差があり、他の症状(ほてり、疲労、不眠)と併発することがあります。 [3]
- 化学療法や支持療法の影響(脱水、起立性低血圧、貧血)は比較的臨床現場で遭遇しやすい原因で、めまいの説明として妥当です。 [5] [PM24] [7]
受診の目安(危険サイン)
- 次のような症状を伴う場合は速やかに医療機関へ相談してください。
自分でできる対処法
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水分・塩分を適切に補給
吐き気・下痢・発汗がある日は特にこまめな水分摂取を心がけ、起立性のふらつきを予防しましょう。甘い清涼飲料の過剰摂取は控えると良いです。 [5] [9] -
ゆっくり立ち上がる・転倒予防
立ちくらみがある時は、座位・臥位からゆっくり起立し、手すりや杖などの補助具を活用しましょう。症状が強い日は高所や長時間の立位を避けてください。 [2] -
食事と栄養
少量頻回の食事、タンパク質・鉄分(赤身肉、豆類、葉物)を意識し、栄養バランスの改善を図りましょう。 [9] -
日誌をつける
めまいの発生時刻、誘因(起立、食事、薬タイミング)、随伴症状(動悸、頭痛、視覚異常)を記録すると、医療者の評価がスムーズになります。 [5]
医療機関での評価・治療
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原因評価
問診と理学所見、血液検査(ヘモグロビン、鉄、電解質)、必要に応じて脳画像や心電図などで原因を絞り込みます。貧血があれば治療前に調整されることもあります。 [10] [7] -
支持療法
吐き気・嘔吐が強い場合、制吐薬(5-HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬、ステロイド、メトクロプラミドなど)の組み合わせで脱水や起立性低血圧の悪化を防ぐことが期待できます。レジメンの催吐性に応じて選択されます。 [11] [12] [13] -
貧血の治療
鉄剤補充、輸血、造血刺激薬(エリスロポエチン製剤)などが選択され、ヘモグロビン改善によりめまい・集中力低下の軽減が期待できます。適応はガイドラインに沿って判断されます。 [PM25] [PM27] [PM26] -
神経学的原因の対応
神経症状を伴う場合は神経内科と連携し、脳転移が疑われれば放射線治療や脳に到達可能な薬剤の検討が行われます。HER2陽性の脳転移では小分子薬の活用が報告されています。 [PM8]
表:原因と主な手がかり・対処の比較
| 想定原因 | 主な手がかり | 初期対処 | 医療側の対応 |
|---|---|---|---|
| 内分泌療法の副作用 | 薬開始後のふらつき、ほてり・不眠の併発 | 水分・睡眠改善、服薬時間調整 | 副作用評価、薬剤変更や支持療法検討 [4] [3] |
| 化学療法関連(脱水・起立性低血圧) | 吐き気・嘔吐後の立ちくらみ | 経口補水、ゆっくり起立 | 制吐薬強化、輸液、レジメン調整 [5] [11] [12] |
| 貧血 | 顔色不良、動悸・疲労、Hb低下 | 鉄分摂取、休息 | 鉄剤・造血刺激薬・輸血で是正 [PM24] [PM25] [7] |
| 脳転移・神経合併症 | 強い頭痛、視覚異常、歩行障害 | 早期受診 | 画像診断、放射線・薬物治療、専門科連携 [8] [PM8] [PM7] |
| 栄養・水分バランス不良 | 甘い飲料過多、水分不足、食欲低下 | 水分・栄養の見直し | 栄養相談、支持療法の最適化 [9] |
まとめ
- めまいは乳癌の「典型的な初期症状」ではありませんが、治療や合併症によって起こり得ます。 [1]
- もっとも現場で多い原因は、脱水・起立性低血圧や貧血です。水分・栄養管理と、必要な支持療法・貧血治療で改善が見込めます。 [5] [PM24] [7]
- 神経学的な危険サイン(激しい頭痛、視覚・言語・歩行障害)があれば、早急に受診して評価を受けてください。 [8]
補足:生活の工夫 😊
関連する質問
出典
- 1.^abcBreast cancer - Diagnosis and treatment(mayoclinic.org)
- 2.^abcAdjuvant Therapy for Breast Cancer: What It Is, How To Manage Side Effects, and Answers to Common Questions(mskcc.org)
- 3.^abcFEMARA- letrozole tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^abPatient information - Breast cancer adjuvant - Exemestane and goserelin(eviq.org.au)
- 5.^abcdefgh7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 6.^↑국가암정보센터(cancer.go.kr)
- 7.^abcde1754-Anaemia | eviQ(eviq.org.au)
- 8.^abcdeAdjuvant Therapy for Breast Cancer: What It Is, How To Manage Side Effects, and Answers to Common Questions(mskcc.org)
- 9.^abcdeNutrition and Breast Cancer: Making Healthy Diet Decisions(mskcc.org)
- 10.^↑Anemia and Cancer(mskcc.org)
- 11.^ab7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 12.^ab7-Prevention of anti-cancer therapy induced nausea and vomiting (AINV)(eviq.org.au)
- 13.^↑3100-Nausea and vomiting during cancer treatment(eviq.org.au)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。