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Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月15日5分で読める

PubMedの資料に基づく | 胆管がんの症状として血便が出ることはありますか?

要点:

胆管がんの典型症状に血便は含まれず、主な症状は黄疸、強いかゆみ、灰白色便、濃い尿、右上腹部痛、体重減少などです。ごく稀にヘモビリアや門脈圧亢進による静脈瘤出血で黒色便や下血が起こることはありますが、鮮紅色の血便は一般に大腸疾患が原因です。血便が続く、貧血症状や胆道の兆候を伴う場合は早めに受診しましょう。

胆管がんで「血便」は起こるのか

結論から言うと、胆管がん(胆道がん・胆管癌)では典型的な症状として「血便(真っ赤な出血)」は一般的ではありません。 [1] [2] 胆管がんでよくみられるのは、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、強いかゆみ、灰白色〜白っぽい便、濃い色の尿、右上腹部の痛み、食欲低下や体重減少、発熱、疲れなどです。 [1] [2] 便が白っぽくなる(灰白色便)のは胆汁の流れが詰まり、便に胆汁色素が混ざらなくなるためで、これ自体は胆管がんでよく見られるサインです。 [1] しかし、便に鮮血が混じる「血便」は一般的な胆管がんのサインではありません。 [1] [2]


胆管がんの代表的な症状

  • 黄疸(皮膚・白目の黄染):胆汁の通り道が腫瘍で塞がり、胆汁の色素(ビリルビン)が体内に溜まるため起こります。 [3] [1]
  • 皮膚の強いかゆみ:皮膚に胆汁成分が蓄積することで起こります。 [3] [1]
  • 灰白色〜白色の便:便に胆汁が混ざらないため色が薄くなります。 [3] [1]
  • 濃い色の尿:ビリルビンが尿へ排泄されるため、色が濃くなります。 [1]
  • 右上腹部の痛み・膨満感、吐き気:胆道の閉塞による影響で見られることがあります。 [2] [1]
  • 食欲低下・体重減少、発熱、疲れ:がんによる全身症状としてみられます。 [2] [1]

これらが胆管がんでは「よくある症状」です。 [2] [1]


例外的に消化管出血が起こりうるメカニズム(かなり稀)

胆管がん自体が大腸や直腸の粘膜から出血させて「血便」に直結することは通常ありませんが、非常に稀な状況で消化管出血を伴うことが報告されています。

  1. ヘモビリア(胆道出血)
    胆道と血管が異常につながってしまい、胆汁の通り道に血液が流れ込む状態です。 [4] 上部消化管(胃〜十二指腸)へ血液が流れ出ると、黒色便(タール便)や吐血として現れることがあります。 [4] 胆管がんが原因となった症例報告があり、胆管内の潰瘍性病変からの出血が確認されています。 [4] また、鉄欠乏性貧血を繰り返す原因としてヘモビリアを伴う胆管がんが判明した報告もあります。 [5]

  2. 門脈圧亢進に伴う小腸・消化管静脈瘤からの出血
    胆管がんが門脈(腸から肝臓へ血液を運ぶ太い血管)を圧迫・侵襲して血流が滞ると、門脈圧が上がり、食道・胃・小腸などの静脈瘤が出血することがあります。 [6] 静脈瘤出血はタール便(黒色便)として現れることが多いですが、出血部位次第では赤い血便に見えることもありえます。 [7] こうしたケースでは門脈ステント留置などで血流を改善し、出血コントロールが図られることがあります。 [7]

ただし、これらはいずれも「例外的で稀」な合併症であり、胆管がんの一般的症状として血便を挙げることは通常ありません。 [1] [2]


血便があるときに考えたい他の原因

鮮紅色の血便(下血・血が混じった便)がある場合、一般的には以下のような大腸側の病気がまず疑われます(胆管がんより頻度が高いです):

  • 大腸憩室からの出血、痔核・裂肛
  • 大腸炎(感染性・虚血性・炎症性腸疾患など)
  • 大腸ポリープ・大腸がん

一方、黒色便(タール便)の場合は、上部消化管(胃・十二指腸など)からの出血が多く、胃潰瘍や食道胃静脈瘤、まれに前述のヘモビリアでも起こりえます。 [4]


受診の目安と検査

  • 血便・黒色便が続く、めまい・息切れ・動悸などの貧血症状がある、腹痛や発熱を伴う場合は、早めの受診が望ましいです。
  • 医療機関では、症状に応じて血液検査(貧血・肝胆道系酵素・ビリルビン)、便潜血、腹部超音波・CT・MRCP(胆道の画像)、内視鏡検査(上部・下部)などが検討されます。 [2] 胆管がんが疑われる場合は、胆道の閉塞や腫瘍の評価が重要になります。 [2]

まとめ

  • 胆管がんの典型症状に「血便」は含まれません。 黄疸、かゆみ、灰白色便、濃い尿、右上腹痛、体重減少・疲れなどが代表的です。 [1] [2]
  • ごく稀に、胆管がんに伴うヘモビリアや門脈圧亢進による消化管静脈瘤出血で、黒色便や下血が起こることがあります。 [4] [7]
  • 鮮血の血便がある場合は、まず大腸由来の原因を考えるのが一般的で、内視鏡などで評価することが勧められます。

現在、血の混じった便が続いていたり、黄疸や濃い尿、灰白色便など胆道の症状が同時にあるようなら、早めに受診して検査を受けることをおすすめします。

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出典

  1. 1.^abcdefghijklmCholangiocarcinoma (bile duct cancer) - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  2. 2.^abcdefghijBile Duct Cancer (Cholangiocarcinoma)(mskcc.org)
  3. 3.^abcBile Duct Cancer (Cholangiocarcinoma) Signs & Symptoms(mskcc.org)
  4. 4.^abcde[Hemobilia as the initial manifestation of cholangiocarcinoma in a patient with choledochoduodenostomy].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  5. 5.^Cholangiocarcinoma presenting as hemobilia and recurrent iron-deficiency anemia: a case report.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  6. 6.^Extensive portal tumor thrombi with portal hypertension in an autopsy case of intrahepatic cholangiocarcinoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abc[Percutaneous transhepatic portal vein stenting for portal hypertension caused by local recurrence of intrahepatic cholangiocarcinoma].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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