
WHOの資料に基づく | 副腎がんの症状として息切れや呼吸困難は起こりますか?
副腎がんは初期に息切れや呼吸困難を直接起こすことは一般的ではありません。肺・胸膜への転移や胸水、ホルモン過剰、稀な心臓転移、感染症などで呼吸器症状が現れることがあります。呼吸症状が続く場合は胸部画像検査やホルモン検査などの評価が推奨されます。
副腎がんで息切れ・呼吸困難は起こるのか
副腎がんそのものが直接、初期症状として息切れ(呼吸が速く浅くなる)や呼吸困難を起こすことは一般的ではありません。 [1] 多くの副腎腫瘍は良性で症状を出さないことが多く、悪性(副腎皮質がん)でも初期は腹部の不快感や圧迫感などが中心になりやすいからです。 [2] [3]
ただし、がんが進行して周囲臓器へ浸潤したり、肺など遠隔臓器へ転移した場合には、転移部位に応じた症状として息切れや呼吸困難が生じることがあります。 [3] 肺や胸膜への転移が起きると、持続する咳、血痰、胸痛、胸水(肺と胸壁の間に水が溜まる)による呼吸困難などがみられることがあります。 [4]
起こりうるメカニズム
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肺転移による呼吸器症状
肺に転移した腫瘍は、気道や肺実質を障害してガス交換を妨げ、運動時の息切れや安静時の呼吸困難を引き起こすことがあります。 [4] また胸膜に転移すると胸水が溜まり、肺が十分に膨らまず呼吸が苦しくなることがあります。 [4] -
ホルモン過剰分泌の影響
機能性の副腎皮質がんがコルチゾールやアルドステロンなどのホルモンを過剰に分泌すると、体重増加、筋力低下、むくみ、高血圧などの全身症状が進み、間接的に動作時の息切れを感じやすくなることがあります。 [5] 高血圧や体液貯留が心肺への負担を増やし、活動時の呼吸苦を助長する可能性があります。 [5] -
まれな心臓・胸部合併症
非常に稀ですが、転移が心臓に及び右心室流入・流出路を塞ぐようなケースが報告されており、この場合は急性の息切れ・呼吸困難が生じえます。 [6]
典型的な副腎がんの症状と違い
副腎がんでは、腫瘍の圧迫や浸潤に伴う腹部不快感・膨満感・腹痛、消化不良などが比較的みられやすい症状です。 [3] 機能性腫瘍の場合は、丸い顔つきや体幹部の肥満、むくみ、ニキビ、高血圧、糖尿病、筋力低下、月経不順や多毛など「ホルモン過剰」による症状が前面に出ることが多いです。 [5] 一方で、息切れや呼吸困難は「肺・胸膜転移」など胸部の関与があるときに生じることが多く、原発の副腎腫瘍だけでは必発ではありません。 [3] [4]
息切れ・呼吸困難があるときに考えるべきこと
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持続する咳や突然の呼吸苦、胸痛、血痰がある
こうした症状がある場合は、胸部CTや胸部X線、超音波で胸水の有無を確認するなど、胸部評価が推奨されます。 [4] がんの既往がある方で新たな呼吸器症状が出た場合、肺転移や胸膜転移の可能性を念頭に置いて検査を進めることが一般的です。 [4] -
全身状態の変化(体重減少・食欲低下・貧血感)
がんの進行に伴う全身症状として見られることがあり、呼吸困難感の増悪に関与することがあります。 [3] -
感染症リスク
機能性副腎がんでコルチゾール過剰(クッシング症候群)があると、免疫力が下がり、肺炎など呼吸器感染症に罹りやすくなり、それが呼吸困難の原因となることがあります。 [7]
受診の目安と検査
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受診が望ましいサイン
長引く息切れ、安静でも続く呼吸困難、胸痛、血痰、原因不明の体重減少がある場合は、早めの医療機関受診が望まれます。 [4] -
想定される検査
胸部X線・CTで肺や胸膜の評価、必要に応じて胸水穿刺(胸水分析)、心エコー(心臓転移が疑わしい特殊例)、血液検査で炎症反応や貧血の確認、ホルモン検査(コルチゾール、アルドステロンなど)で機能性腫瘍の有無を評価します。 [4] [5]
まとめ
- 息切れ・呼吸困難は副腎がんの初期・典型症状ではないものの、進行例の肺・胸膜転移や胸水、心臓への稀な転移、またはホルモン過剰や感染症の影響によって起こりうる症状です。 [3] [4] [6] [7]
- 副腎がん(特に機能性)の場合は、ホルモン過剰による全身症状が目立ちやすく、呼吸器症状が出たら胸部評価を追加するのが一般的です。 [5] [4]
息切れや呼吸の苦しさが続く、あるいは最近強くなっていると感じることはありますか?
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出典
- 1.^↑Adrenal Gland Cancer(medlineplus.gov)
- 2.^↑Adrenal Cortical Carcinomas(mskcc.org)
- 3.^abcdef국가암정보센터(cancer.go.kr)
- 4.^abcdefghijLung metastases: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
- 5.^abcde부신암(Adrenal gland cancer) | 질환백과 | 의료정보 | 건강정보(amc.seoul.kr)
- 6.^abRight ventricular inflow and outflow obstruction due to adrenal cell carcinoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^abMetastatic adrenocortical carcinoma presenting simultaneously with Cushing's and Conn's syndromes: a case report.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


