Medical illustration for WHOの資料に基づく | 副腎がんの症状として吐き気はよくみられますか? - Persly Health Information
Persly 医療専門チームPersly 医療専門チーム
2026年2月15日5分で読める

WHOの資料に基づく | 副腎がんの症状として吐き気はよくみられますか?

要点:

吐き気は副腎がんの特異的・代表的症状ではありませんが、腫瘍の圧迫やホルモン異常、進行による全身症状、治療(ミトタン・化学療法)に伴って起こり得ます。強い吐き気が続く、低血圧やだるさを伴う場合は副腎不全の評価を含め受診が推奨されます。食事調整や制吐薬の活用が有効です。

副腎がんで「吐き気」はよくある症状か

結論として、吐き気は副腎がん(副腎皮質がん・副腎腫瘍)に特異的で「よくある」症状とは言い切れませんが、進行した腫瘍による腹部症状や、ホルモンの異常、治療(とくにミトタンや化学療法)に伴って比較的みられうる非特異的症状のひとつです。 [1] 吐き気は腫瘍自体の直接症状としては頻度が明確に示されていない一方、腹痛や不快感と並んで「非特異的な訴え」の中に含まれることがあります。 [2]


症状の背景を理解する

  • 腫瘍のホルモン産生による症状
     機能性の副腎がんではコルチゾール過剰(クッシング症状)、性ホルモン過剰、まれにアルドステロン過剰などが起き、体重増加、血圧上昇、糖代謝異常、体毛変化などが前面に出ます。これらは吐き気そのものよりも内分泌の変化が主体です。 [3] [4] 吐き気はこれらのホルモン異常に伴う代謝変化や血圧変動で二次的に起こることはありますが、主症状としては一般的ではありません。 [3]

  • 腫瘍の増大・浸潤による腹部症状
     腫瘍が大きくなると周囲臓器を圧迫し、腹部不快感、膨満感、痛み、食欲低下などが現れます。これに付随して吐き気が出ることがあります。 [5] 腫瘍が腹部に圧迫感を与えると「満腹感が強い」「体重減少」といった症状が起こり、食後の吐き気につながることもあります。 [6] [7]

  • 非機能性腫瘍での非特異的訴え
     機能性でない副腎がんは検診や画像で偶然見つかることも多く、腹痛や吐き気などの非特異的症状をきっかけに画像検査で発見されるケースがあります。 [2]


進行がん・全身状態で吐き気が出る場合

  • がんの進行による全身症状
     進行に伴い食欲不振、体重減少、貧血などの全身症状が出て、これらに伴って吐き気がみられることがあります。 [5]

  • 副腎不全(ホルモン不足)の併発
     両側副腎の転移や治療の影響で副腎機能が落ちると、倦怠感、食欲低下、低血圧、低血糖に加えて吐き気が目立つことがあります。がん患者で両側副腎病変がある場合、約3割程度に副腎不全がみられ、その人たちでは吐き気・食欲不振・起立性低血圧が共通していました。 [8]


治療に伴う吐き気

  • ミトタン(副腎皮質がんでよく使う薬)や化学療法
     副腎皮質がんの標準的な薬物治療(ミトタン+EDPレジメンなど)では、吐き気・嘔吐が起こりやすい副作用としてよく知られています。 [9] これらの治療中は制吐薬の内服、こまめな水分補給、少量頻回の食事などの対策が推奨されます。 [9] 強い吐き気・嘔吐やめまい、腹痛が続く場合は早めの受診がすすめられます。 [10]

まとめ:吐き気の「位置づけ」

  • 吐き気は副腎がんの「代表的・特異的症状」ではありませんが、腫瘍の大きさや周囲臓器への影響、ホルモン異常、治療の副作用、そして副腎不全の併発などの文脈で出現しうる症状です。 [6] [5] [2]
  • 画像診断で見つかった非機能性腫瘍でも、腹痛や吐き気のような非特異的な訴えを契機に発見されることがあります。 [2]
  • 化学療法・ミトタン治療中の吐き気は比較的よくみられるため、定期的な制吐薬の使用や生活工夫が有効です。 [9] [10]

吐き気が続くときの対処のヒント

  • 少量をこまめに食べる、脂っこい・匂いが強い食べ物を避ける、冷たい食事を試すなどの食事調整。 [9]
  • 水分を少しずつ、スポーツ飲料などで電解質も補給する。 [9]
  • 医師に制吐薬の追加・調整(例:5-HT3拮抗薬、ドパミン拮抗薬など)を相談する。治療内容によって最適な薬が異なります。 [10]
  • ふらつきや低血圧感、食欲不振が強く、全身のだるさが目立つ場合は副腎不全の評価(コルチゾールのチェックなど)が必要になることがあります。 [8]

よくある関連症状の例

  • ホルモン過剰:体重増加、筋力低下、血圧上昇、血糖上昇、月経不順や体毛の変化など。吐き気は主症状ではないが二次的に生じることがあります。 [3] [4]
  • 腫瘍の圧迫:腹痛、満腹感、体重減少、食欲不振、これに伴う吐き気。 [6] [7]
  • 進行に伴う全身症状:食欲不振、体重減少、貧血。吐き気を伴うことがある。 [5]
  • 治療関連:化学療法・ミトタンによる吐き気・嘔吐。 [9] [10]

必要であれば、現在の吐き気の頻度や時間帯、他の症状(腹痛、血圧変動、倦怠感、体重変化など)、治療歴(ミトタンや化学療法の有無)を教えてください。

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出典

  1. 1.^Adrenal cortical carcinoma.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcd[Adrenocortical carcinoma].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcAdrenal cancer - Symptoms and causes(mayoclinic.org)
  4. 4.^abSymptoms and causes - Mayo Clinic(mayoclinic.org)
  5. 5.^abcd국가암정보센터(cancer.go.kr)
  6. 6.^abcAdrenal Cortical Carcinomas(mskcc.org)
  7. 7.^abAdrenal Cortical Carcinomas(mskcc.org)
  8. 8.^abProspective evaluation of adrenal insufficiency in patients with adrenal metastasis.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcdefPatient information - Adrenocortical carcinoma locally advanced or metastatic - Etoposide, doxorubicin, cisplatin and mitotane(eviq.org.au)
  10. 10.^abcdPatient information - Adrenocortical carcinoma locally advanced or metastatic - Etoposide, doxorubicin, cisplatin and mitotane(eviq.org.au)

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