
PubMedの資料に基づく | トラマドール服用の副作用として抜け毛や脱毛は起こり得ますか?起こる場合の頻度や対処法を教えてください。
トラマドールでの抜け毛・脱毛は理論上起こり得ますが、頻度は非常に低く、公式な副作用一覧には通常含まれません。起きる場合は休止期脱毛が多く、他の原因(ストレス、甲状腺異常、鉄欠乏など)の除外が重要です。対処は自己中止せず医療者に相談し、用量調整・他剤切替や血液検査、ヘアケアで多くは可逆的に改善が期待できます。
トラマドールで抜け毛は起こる?
結論として、トラマドール(鎮痛薬)で抜け毛・脱毛が起こる可能性は「理論上はあり得るが、非常にまれ」と考えられます。一般的な公式情報や患者向け資料に記載される代表的な副作用(眠気、頭痛、気分変化、口渇など)には脱毛は通常含まれていません。 [1] ただし、薬剤による脱毛(薬剤性脱毛)は、さまざまな薬で稀に起こり得る現象で、主に「休止期脱毛(テロゲン脱毛)」として現れることが多いです。 [2] そのため、トラマドール開始後にタイミングよく抜け毛が増えた場合でも、他の要因(ストレス、病気、発熱、出産など)も同時に検討することが大切です。 [3]
薬剤性脱毛のしくみ
- 休止期脱毛(テロゲン脱毛): 毛根の成長期から休止期への移行が一時的に増え、数週間~数か月後に全体的な薄毛・抜け毛が目立つパターンです。薬が毛包(毛根)へ間接的に影響することで起こります。 [2]
- 成長期脱毛(アナゲン脱毛): 主に抗がん剤など強い細胞毒性のある薬剤で見られる急速な脱毛で、トラマドールでは一般的ではありません。 [2]
薬剤性脱毛は多くが薬の中止・減量で可逆的(元に戻る)とされます。 [4]
頻度について
公的な患者向け薬剤情報では、トラマドールの一般的な副作用一覧に「脱毛」は通常記載されていません。 [1] また、専門的な総説では薬剤性脱毛の原因薬は多数挙げられていますが、鎮痛薬のなかでも非ステロイド性鎮痛薬などで非常に少数例が報告される程度とされ、オピオイド系(トラマドール含む)では一般的な副作用としては扱われていません。 [5] つまり、起こり得るとしても頻度は極めて低いと考えられます。 [2]
可能性がある理由(メカニズムの観点)
トラマドールはμオピオイド受容体作用に加えて、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害という二重の作用を持ちます。 [6] これらの中枢神経系への影響が、間接的にホルモン・自律神経・ストレス反応に影響し、個人差によって毛周期に変化を及ぼす可能性は理屈の上では否定できません。 [7] ただし、この機序で脱毛が起きるという明確な臨床的頻度や因果の証拠は限定的です。 [6]
見分け方のポイント
- 時間関係: 開始から数週間~数か月で抜け毛が増えるなら薬剤性休止期脱毛の可能性があります。 [2]
- 全体的な薄毛: 斑状ではなく、びまん性(全体的)に毛が細くなり抜けるのが典型です。 [2]
- 他の誘因の除外: 発熱、急性疾患、出産・中絶、急激なダイエット、強い心理的ストレス、甲状腺異常、鉄欠乏などの方が頻度は高く、まずはこれらを除外することが重要です。 [3]
対処法(起きた場合)
- 医師・薬剤師へ相談: トラマドール継続の必要性や他剤への切替の可否を一緒に検討します。安全上、自己判断で急に中止せず相談してください。 [8]
- 用量の見直し・漸減: 痛みの管理を保ちつつ、用量調整や漸減で様子を見る方法があります。 [9]
- 原因検索: 血液検査(鉄、フェリチン、甲状腺機能など)や生活ストレスの評価で他の原因を特定します。 [3]
- ヘアケア: 抜け毛が落ち着くまで、刺激の少ないヘアケア(優しい洗髪、熱・強い摩擦を避ける)を心がけます。薬剤性の場合は中止後に数か月で回復に向かうことが一般的です。 [4]
- 一時的なカバー: ウィッグや帽子などで見た目のストレスを軽減する方法も有効です。 [10]
受診の目安
- 抜け毛が急に増えた、分け目が広がる・地肌が目立つなど変化が明らか。 [2]
- 眉・体毛まで含む広範な脱毛や、円形に抜ける斑状脱毛がある(円形脱毛症など他疾患の可能性)。 [2]
- 甲状腺症状(動悸、体重変化、寒がり・暑がり)、貧血症状(疲労、動悸、息切れ)を伴う。 [3]
まとめ
- トラマドールによる抜け毛・脱毛は、理論上は起こり得るものの、頻度は非常に低いと考えられます。 [1] [5]
- 抜け毛が気になる場合は、他のより一般的な原因をまず確認しつつ、薬の用量や切替を医療者と相談するのがおすすめです。 [3] [9]
- 多くの薬剤性脱毛は薬の中止・減量で可逆的に改善することが期待できます。 [4]
今の抜け毛の状況(始まった時期、量、斑状か全体的か、他の体調変化)について詳しく教えていただけますか?
関連する質問
出典
- 1.^abcTramadol: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 2.^abcdefghDrug-induced hair disorders.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 3.^abcdeDrugs and hair loss.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 4.^abc[Adverse drug reactions on hair].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 5.^ab[Drug-induced alopecia: review of the literature].(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abTramadol: basic pharmacology and emerging concepts.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 7.^↑What is the main mechanism of tramadol?(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 8.^↑Tramadol: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 9.^abTramadol: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 10.^↑Hair loss: MedlinePlus Medical Encyclopedia(medlineplus.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


