
米国NIHの資料に基づく | トラマドールの服用によるかすみ目(視界のぼやけ)は一般的な副作用ですか、発生頻度や原因、重症の兆候と受診の目安は何ですか?
要点:
トラマドールでは、かすみ目(blurred vision)は報告される副作用で、臨床試験では視覚異常が約1〜2%程度とされています。原因には中枢作用や縮瞳、低血糖・低ナトリウム血症などがあり、併用薬(セロトニン作用薬・中枢抑制薬)や飲酒で悪化することもあります。発疹や呼吸困難、意識障害・けいれん、急な視力低下などの重症サインがあれば速やかに受診し、持続・悪化する場合も医師へ相談してください。
トラマドールで「かすみ目(視界のぼやけ)」は起こりうる副作用です。一般的には多くの人でみられるわけではありませんが、臨床試験や製品情報では視覚の異常(blurred vision/visual disturbance)が報告されています。 [1] 一部の試験では複数回投与時に「視覚異常」が1〜2%程度と記載されており、比較的まれ〜時々みられる範囲の副作用と考えられます。 [1] また、他のデータでも「かすみ目(blurred vision)」が有害事象として言及されています。 [2]
副作用の発生頻度と関連情報
- 視覚異常の頻度: 製品情報の集計では、トラマドールで「視覚異常(abnormal vision/visual disturbances)」が報告され、おおむね1〜2%程度の範囲が示されています。 [1] 一部の試験表でも「blurred vision(かすみ目)」が観察された有害事象に含まれます。 [2]
- その他の関連症状: 目の痛み、複視(ものが二重に見える)、縮瞳(瞳孔が小さくなる)などの「視覚・眼関連」の訴えも添付文書では挙げられています。 [3] 視覚障害全般(visual disturbance)としてまとめて報告されることもあります。 [4]
かすみ目が起こる原因(考えられるメカニズム)
- 中枢神経系への作用: トラマドールはオピオイド受容体刺激に加え、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害の二重作用があり、中枢神経系の調節変化が「視覚のぼやけ」につながることがあります。 [5] 鎮静、めまい、ピント合わせの調整障害などが組み合わさると、かすみ目として自覚されやすくなります。 [5]
- 縮瞳などの眼への影響: オピオイドでは縮瞳や視覚調節の変化が起こり得るため、近見・遠見のピント調整が乱れてぼやけることがあります。 [3]
- 低血糖や低ナトリウム血症などの全身要因: トラマドールでは低血糖(特に合剤や併用薬の影響を含む)や低ナトリウム血症が問題となることがあり、これらは目のかすみ、頭痛、めまい、混乱などを引き起こす可能性があります。 [6] [7] こうした代謝異常は放置すると危険なため、関連症状があれば注意が必要です。 [7]
重症のサイン(すぐ受診・救急の目安)
以下の症状を伴う視界のぼやけは、重症のサインの可能性があるため早めの受診をおすすめします。必要に応じて救急受診を検討してください。
- 発疹、じんましん、顔やまぶた・唇・舌・喉の腫れ、呼吸困難、胸痛:重いアレルギー(アナフィラキシー)の可能性。 [8] 目の周囲の腫れや呼吸の障害を伴う場合は緊急対応が必要です。 [8]
- 著しい混乱、幻覚、強い不穏、けいれん:中枢神経系の重篤な副作用の可能性。 [8] 過量や相互作用でリスクが高まります。 [9]
- 強いめまい・失神、ひどい頭痛、吐き気・嘔吐、冷汗、非常なだるさ:低血糖や低ナトリウム血症などの代謝異常の可能性。 [6] [7] これらは視界のぼやけを伴い、治療が必要です。 [7]
- 視力の急な低下、片目の見えづらさ、眼痛、光に過敏:まれですが視神経や角膜の異常など眼科的救急が隠れることがあります。 [10] 急激な変化や眼痛を伴う場合は早期に眼科受診が望ましいです。 [10]
受診のタイミングとセルフケア
- 軽度で一過性(服用開始直後〜数日で徐々に改善、日常生活に支障が少ない)なら、無理のない範囲で経過観察が可能です。初期は眠気・めまい・視界のぼやけが出やすいため、運転や高所作業は避けましょう。 [11]
- 数日たっても改善しない、悪化する、日常生活に支障がある場合は、処方医に相談してください。用量調整、投与タイミングの工夫、別薬への切替を検討することがあります。 [12]
- 上の「重症サイン」がある場合は、直ちに受診(状況により救急)してください。他の薬(睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、トリプタンなど)との併用は副作用を強めることがあり、必ず医師に伝えましょう。 [13] [14]
併用薬と注意点
- セロトニン作用薬との併用(SSRI/SNRI、トリプタン、MAO阻害薬、リネゾリドなど)で、発汗、振戦、興奮、筋硬直などの症状が出ればセロトニン症候群を疑います。 [14] トラマドールはセロトニン再取り込み阻害作用があるため、こうした相互作用に注意が必要です。 [5]
- 中枢神経抑制薬やアルコールとの併用は眠気・ふらつき・視界のぼやけを増悪させます。併用は避けるか、医師の指示に従ってください。 [13]
- 高用量・誤用・過量ではけいれんや呼吸抑制のリスクが上がります。大量服用や規定外の使い方は避けましょう。 [9]
早見表:症状別の対応目安
| 症状の程度 | 具体例 | 推奨対応 |
|---|---|---|
| 軽度・一過性 | ぼんやり見えるが休むと改善、運転しなければ日常生活可能 | 数日経過観察、運転・危険作業回避、処方医へ相談も可 [11] |
| 持続・悪化 | 数日以上続く、仕事や読書に支障、頭痛やめまいを伴う | 処方医に連絡して用量調整や変更を検討 [12] |
| 緊急 | 顔・喉の腫れ、息苦しさ、発疹、意識障害、けいれん、視力の急低下・眼痛、強い頭痛・吐き気 | 直ちに受診・救急受診を検討 [8] [10] [6] [7] |
まとめ
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出典
- 1.^abcd(dailymed.nlm.nih.gov)
- 2.^abc(dailymed.nlm.nih.gov)
- 3.^ab(dailymed.nlm.nih.gov)
- 4.^↑(dailymed.nlm.nih.gov)
- 5.^abcTramadol: basic pharmacology and emerging concepts.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 6.^abcdTramadol (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 7.^abcdefTramadol and acetaminophen (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 8.^abcdeTramadol: MedlinePlus Drug Information(medlineplus.gov)
- 9.^abTramadol overdose causes seizures and respiratory depression but serotonin toxicity appears unlikely.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 10.^abc(dailymed.nlm.nih.gov)
- 11.^abTramadol (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 12.^abcAdverse event profile of tramadol in recent clinical studies of chronic osteoarthritis pain.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
- 13.^abcTramadol and acetaminophen (oral route) - Side effects & dosage(mayoclinic.org)
- 14.^abcTramadol, Pharmacology, Side Effects, and Serotonin Syndrome: A Review.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ご注意: この情報は教育目的のみで提供されており、専門的な医療アドバイス、診断、または治療に代わるものではありません。医療上の決定を行う前に、必ず資格のある医療提供者に相談してください。


