Medical illustration for 米国NIHの資料に基づく | メトホルミンの副作用として筋肉痛は起こり得ますか? - Persly Health Information
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2026年2月19日5分で読める

米国NIHの資料に基づく | メトホルミンの副作用として筋肉痛は起こり得ますか?

要点:

メトホルミンで筋肉痛が起こる可能性はありますが、頻度は高くありません。強い筋肉痛が息切れや強い倦怠感などの急な体調悪化と伴う場合は、まれですが乳酸アシドーシスの兆候の可能性があり直ちに受診が必要です。スタチン併用や腎機能低下など他の原因やリスクも考慮し、必要に応じて検査で評価します。

メトホルミンで筋肉痛(筋肉の痛み・こわばり)が起こる可能性はあります。 [1] 一般的には頻度は高くありませんが、臨床試験や市販後情報で「筋肉痛(ミオパシー様症状)」が報告されており、特に一部の条件下では注意が必要です。 [2] [3]

副作用としての筋肉痛の位置づけ

  • 頻度の目安:メトホルミンでは、消化器症状が最も多い一方、筋肉痛は「1〜5%程度の副作用群」に含まれることがあり、プラセボより多い報告が見られます。 [2] 同様の記載は他の製剤情報でも確認され、筋肉痛(myalgia)は少数ながら報告があります。 [1]
  • 重症サインとの関連:強い筋肉痛が「急に悪化する体調変化」とともに起きる場合は、乳酸アシドーシス(血中乳酸の上昇を伴う重い代謝異常)の初期サインである可能性があると注意喚起されています。 [4] 乳酸アシドーシスでは、筋肉痛に加えて息切れ、強い倦怠感、腹痛、寒気、めまい、徐脈や不整脈などが現れうるとされています。 [4]

乳酸アシドーシスとの関係

  • 稀だが重要:メトホルミン関連乳酸アシドーシス(MALA)は稀ですが重篤になり得る有害事象で、筋肉痛が症状の一部としてみられるケースが記載されています。 [3] その発症リスクは腎機能低下、他薬併用、65歳以上、造影検査、手術、低酸素状態、過度の飲酒などで高まるとされています。 [5] [6]
  • 機序の概要:メトホルミンが高濃度で蓄積すると、肝臓などでミトコンドリア機能に影響し、乳酸の代謝が滞り乳酸値が上昇し、全身症状(筋肉痛、呼吸促迫、意識障害など)を引き起こすことがあります。 [7] 重症例では血中乳酸や陰性基準間隙の増大が見られ、透析が治療に用いられます。 [7]

どんなときに受診・中止を考えるか

  • 至急受診が望ましいサイン:普段と違う強い筋肉痛に、息苦しさ、激しい倦怠感、腹部不快、寒気やめまい、脈の異常などが伴う場合は、服用を中止してすぐに医療機関へ連絡することが推奨されています。 [4] これらは乳酸アシドーシスやその他の重い副作用の兆候になり得ます。 [3]
  • リスク背景がある場合:腎障害や脱水、重い感染症、心不全、肝疾患、過度の飲酒、造影検査の前後など、リスク因子がある状況で新たな筋肉痛が出た場合は、より低い閾値で受診を考えるのが安全です。 [5] [6]

他の原因との見分け

  • スタチン併用など:コレステロール薬のスタチンは筋肉痛の原因としてよく知られており、実際には自己申告のうち30〜50%程度しか盲検試験で再現しない一方で、実臨床では筋症状が一定数発生します。 [8] スタチン関連筋障害は多因性で、薬物相互作用や個人要因でリスクが上下します。 [9] メトホルミンは一般にスタチンの代謝を大きく阻害する薬ではありませんが、現実にはスタチン自体で筋症状を起こすことがあるため、併用中に筋肉痛が出た場合は両薬を視野に評価されます。 [9]
  • 運動や脱水・電解質異常:激しい運動後の筋痛や、脱水・低カリウム血症などでも筋肉痛が生じます。 こうした要因がないかもあわせて確認されます。

対応の流れ

  • 軽症・一過性の場合:強い全身症状がなく、軽い筋肉痛が一過性であれば、経過観察で自然に改善することもあります。 ただし症状が続く、悪化する、夜間のこむら返りや筋力低下を伴う場合は、医療機関で評価を受けることが勧められます。
  • 検査の目安:必要に応じて、腎機能、肝機能、乳酸、電解質、CK(クレアチンキナーゼ)などを確認し、MALAの可能性や他の筋障害の有無を見極めます。 乳酸アシドーシスが疑われる場合は、迅速な中止と適切な治療(重症では透析)が検討されます。 [7]
  • 再発予防:腎機能の定期確認、脱水予防、造影検査時の一時中止指示の遵守、過度の飲酒回避などが推奨されます。 [5] [6]

まとめ

  • メトホルミンで筋肉痛は起こり得ますが、頻度は高くはありません。 [2] [1]
  • 強い筋肉痛が突然の体調悪化サインと一緒に出る場合は、まれですが重い乳酸アシドーシスの可能性があるため、直ちに受診が勧められます。 [4] [3]
  • スタチンなど他の薬剤や背景疾患も筋肉痛の原因になり得るため、併用薬と体調の全体像を踏まえて評価することが大切です。 [8] [9]

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出典

  1. 1.^abcMETFORMIN 500 SUN(dailymed.nlm.nih.gov)
  2. 2.^abcMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  3. 3.^abcdMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, film coated, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  4. 4.^abcdMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, film coated(dailymed.nlm.nih.gov)
  5. 5.^abcMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  6. 6.^abcMETFORMIN HYDROCHLORIDE tablet, extended release(dailymed.nlm.nih.gov)
  7. 7.^abcLactic acidosis induced by metformin: incidence, management and prevention.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  8. 8.^abMuscle-related side-effects of statins: from mechanisms to evidence-based solutions.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  9. 9.^abcRisk factors and drug interactions predisposing to statin-induced myopathy: implications for risk assessment, prevention and treatment.(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

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